お天道様の代わりにスマホが見ていた。ユナイテッド航空に見るSNSの本質

お天道様の代わりにスマホが見ていた。ユナイテッド航空に見るSNSの本質

God is watching you(お天道様が見ている)――

4/11に起こった「乗客引きずりおろし」事件。
この事件の衝撃的な映像が拡散されて全世界に配信された。SNSのユーザの多くがこの映像を見て衝撃を受けたに違いない。

引きずり下ろしたことに対しての良し悪しはさておき、乗務員が飛行機の中という密室ではなく、「スマートフォンのカメラ」×「ソーシャルユーザという視聴者」の中で起きているという事実を理解していなかったことに問題の本質がある。

SNSがもたらす脅威は拡大している

伝搬が非常に早いTwitterを通して配信された結果、株価が大幅下落、10億ドルというとんでもない時価総額の損失を生んだ。
<参照:NEWSWEEK『ユナイテッド航空「炎上」、その後わかった5つのこと』>

もしこれが群衆の面前で、かつテレビカメラと記者が総出で取材している状況、つまり超有名人の記者会見のような場で同じ状況に陥ったとしたらどうだろう。
あのような大胆で暴力的な対処を、機内に呼んだ警察官にさせていたのだろうか?
大いに躊躇したはずである。

実際にその後の記者会見でどんなに取り繕っても、あの動画のインパクトを覆い隠すことはできなかった。

かつてFacebookとTwitterが大ブームになった時、「やがて人々はガラス張りの家や職場で生活することになる。ユーザはその覚悟があるのか?」と評した記者がいた。
今まさに、そのような時代を迎えているのである。

ことプライバシーに関しては、自らのソーシャルアカウントのプライバシーばかりを気にしているが、すべてのスマートフォンにカメラとマイクが実装されていることから、もう「ガラス張り」であることを脅威として認識し、覚悟するしかないのだ。

少なくとも公共サービスの場においては、そろそろ「God is watching you(お天道様が見ている)」を行動マニュアルに入れる必要があるのではないだろうか。
見ているのがGodだけならともかく、Evilも見ているかもしれないからなおさらだ。

監視カメラが溢れる環境に身を置いている自覚

Evilとまでは言わないが、この事態に対して “えげつない対応” をする航空会社もある。

「わが社の機内では引きずり出しが禁止されていることをお伝えします。乗客によるものも、乗務員によるものも」――ロイヤル・ヨルダン航空
<参照:NEWSWEEK『ユナイテッド航空「炎上」、その後わかった5つのこと』>

このロイヤル・ヨルダン航空は同業者の過失を逆手に取り、自社PRに活用したわけだが、意図的に切り出されれば、より強い悪事に変わる可能性すらある。

最近、公開された映画『ジェイソン・ボーン(ボーンシリーズ5作目)』でもCIAと超巨大ソーシャル(Facebook的な架空企業)が結託して、スマホ用のソーシャルアプリから、すべてのデバイスを操作可能にしてしまうシーンがあった。

CIAは超高価なドローンも、超ハイテク機器も不要で、周辺のスマホをすべて占拠してカメラから周辺画像と位置情報を取得し、主人公(マッド・デイモン)を追い詰める。大量のスマホで死角は極端に少なくなり、隠れることが難しい。

この映画の場合は悪意ある第三者の操作だが、悪意のない興味本位のユーザ「群」が、たまたま撮った映像から個人の何かを一斉に暴く可能性も少なからずあるということだ。

大事なことなのでもう一度言おうと思う。
顧客にSNSを禁じることができない以上、サービス業、特に接客業はこの「God is watching you」マニュアルを早急に用意し、職場環境が「ガラス張り」であることを認識すべきではないだろうか?

Hiroyuki Kawaguchi

Hiroyuki Kawaguchi

ペルソナ・マーケティングとSEOが大好きで、この道 ◯十年。(歳がバレるから秘密です。)

猫との生活に至福を見出して、地方でテレワークに励んでいるbitWaveのゴーストライター。
Hiroyuki Kawaguchi

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