なぜネット選挙が実現しないのか?

なぜネット選挙が実現しないのか?

まもなく参院選が始まりますね。
精神年齢が18歳だったため、今回の選挙から身も心も選挙権が得られた約みつるです。

先日イノベーションテクノロジー本部で開催された「第1回ハッカソン」が土曜日だったこともあり、ご家庭の事情や冠婚葬祭などと重なって、当日参加できなくなってしまったメンバーもちらほら。(ハッカソンの模様は後日ご紹介します。お楽しみに!)
それは国政選挙の投票日においても、同じことが言えるのではないでしょうか?

期日前投票を行う有権者の方も多いかもしれませんが、それでも選挙会場に足を運ぶ煩わしさは否めません。会場に行って、鉛筆を借りて紙に書く。今は21世紀ですよ!

もっと便利に、そして誰もが気軽に投票できるようにはならないものでしょうか? 
そう、インターネット投票システムです。

投票率の高齢化がもたらすデメリットとは

投票率の高齢化は昔から騒がれていたこともあり、今回から選挙権は18歳まで引き下げられました。ただし、新たに選挙権を得られた18~19歳は有権者の2%程度でしかなく、そもそも若年層の投票率が低い時点で、影響は限りなく低いと言えます。

投票率の高齢化が加速すれば、当然ながら候補者は高齢層からの得票を目指し、高齢層にウケのいい公約を掲げることは必然です。例えば「経済健全化に伴う長期的な負担」の公約よりも「年金の受給」に関わる目先の公約の方が、圧倒的に支持が得られやすい構造になります。
高齢層への政策も非常に重要ですが、偏った政策では“未来”を語れないですよね。

若年層の投票率の低さの要因トップは「忙しいから」

前回の平成25年度に行われた参院選において、東京の選挙管理委員会が興味深いデータを公開していました。

参議院議員選挙の主な棄権理由トップ5

1位仕事が忙しく、時間がなかったから38.8%
2位政治や選挙には関心がないから16.4%
3位自分一人が投票しなくても選挙結果に影響がないから15.8%
4位旅行やレジャーに出かけていたから13.9%
5位適当な候補者がいなかったから13.7%
出典:「選挙に関する世論調査」東京都選挙管理委員会調べ

期日前投票という制度があるにも関わらず「忙しい」という理由を掲げているのは、ただ単に“面倒くさい”というニュアンスも含まれているのではないでしょうか。

つまり、もっと便利な投票システムが増えれば投票率も改善しますし、とりわけ投票率の低下が著しい若年層に向けた施策がより効果を発揮すると思えてなりません。

年代別投票率をネット普及率を見比べてみよう

もはやある程度結果が想像できてしまいますが、あらためて総務省が公開しているデータを下記に掲載します。なお、いずれも前回の参院選があった平成25年のデータとし、当時の選挙権を保有する20歳以上に限定させています。

参議院議員通常選挙における年代別投票率

参議院議員通常選挙における年代別投票率
20代33.37%
30代43.78%
40代51.66%
50代61.77%
60代67.56%
70代以上58.54%
出典:「第23回参議院議員通常選挙年齢別投票率調」総務省調べ

世代別インターネット利用率
20代98.5%
30代97.4%
40代96.6%
50代91.4%
60代(60~64)76.6%
60代(65~69)68.9%
70代48.9%
80代以上22.3%
出典:「平成25年通信利用動向調査」総務省調べ

若年層は投票率の低さに対し、インターネットの利用率の高さが顕著であるという、本当に想像通りの結果です。
極論ですが「ネットするヒマはあるけど、選挙行くヒマはない」ということです。つまり若年層の投票率を改善させるのに、これ以上のツールはないということですね。

世界のネット投票とネット投票の不安

世界中を見渡せば、エストニアでは10年ほど前に世界初のインターネット投票が実践され、今も継続的に実施しています。他にもアメリカの一部の州も実践し、フランスでは国外に住む有権者に対して取り入れたりしています。さらにはインド、ブラジル、韓国、ベネズエラ、フィリピン etc etc…

ネット投票が実践された各国では一律投票率が向上し、開票時間の大幅な短縮や人件費の削減にも効果があったとされています。それでいて、未だに大きなトラブルには至っていません。

デメリットとして挙がるのは、やはりセキュリティ面の話が大部分になるかと思われます。ただ、元来の各有権者の自宅に発送される投票所入場券においても、個人の認証という点ではセキュリティ的に「?」ではないでしょうか。

しかし、昨年は国勢調査において初めてのオンライン調査が実施されたりと、上昇機運は高まっています。

かつて、日本でも2007年に「国政選挙に電子投票を導入する法案」が臨時国会に提出されたものの、当時は時期尚早として見送られてしまいました。

しかし、もう10年近く前の話です。

そもそもにして政治家全体が高齢化の一途を辿っているため、「ネットだかなんだか分かんねぇや」という“先生方”も大勢いらっしゃるのかもしれません。

ただし、2013年からはインターネット選挙運動自体は認められていることから、だいぶ永田町の思考も柔軟になり、インターネットに対する「信頼性の低さ」といった先入観も解けてきたのかもしれません。

それでもなお、こと投票システムに関しては依然ネット不信は拭いきれていません。

オンライン投票システムを実施するには、さらに前時代的な先入観の融解を必要としているようですが、「有権者の年齢引き下げ」といった小手先の施策だけではなく、投票システムと運用フローを再検討すべき時期に差し掛かっているのではないでしょうか?

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