シンギュラリティを正しく理解するということ

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過去2回、本bitWave内にてニューラルネットワークに関する考察を掲載してまいりました。
<bitWave関連記事『ニューラルネットワークと人間のバイアス(偏り)』>
<bitWave関連記事『ニューラルネットワークを模した人間行動の向上』>

今回は少しAIテクノロジーから離れ、社会科学(ソーシャル・サイエンス)の視点を以って、「シンギュラリティ」を私なりの⾒解をご案内いたします。

“無知” こそ不要な恐怖感を生む

過去20年におけるIT⾰命と⾔われた時代と、昨今のAIテクノロジーとでは大きく意味合いが異なります。
マシン(機械)が⾃ら学習し、あたかも⼈間の脳(知能)であるかのように発展していく。そして遂には自己判断を下せるようになるということです。
過去のビッグデータによるパターンをマシンにトレーニングさせるということは、良⼼的な親が⼦供に健全なカリキュラムを与え、その⼦供が⾃⽴にするといったイメージと何ら変わりがありません。

しかし過去によく⾔われた、従来の業務をコンピューター化することとは根本的に⼤きく違います。業務改善や効率化よりも、⼀歩も⼆歩も進んだ創造の分野にこのAI領域が⼊り込んでくるので、「職を奪われる」と⼼配する方々もいらっしゃるのでしょう。

AI領域が人間の活動範囲に手を広げたことで、これまで考えられなかったようなことが現実化するようになりました。
例えば、無数にある過去の画像データから、これまで⼈が検知することができなかった病気を⾒つけ出すといったこともそうでしょう。何らかの成功データから今まで気が付かなかった不成功が成功に置き換わるといったことも、それに当てはまるでしょう。
これらはAIテクノロジーの優れた点として、世間一般に認識されているのではないでしょうか。⼀⽅でマシンが暴⾛し、とてつもないモンスターを⽣み出す危険性が生じているということも念頭に置くべきです。

カメラの現像フィルムがデジタルカメラに置き換わった ――
ファクシミリの需要が少なくなり、電子メールがビジネスでの伝達⼿段のメインとなった ――
携帯電話の普及により、固定電話のある場所から連絡をしなければいけない制約から解き放たれた ――
目まぐるしい技術の進化によって、社会や生活習慣そのものが激的に変化することは避けられません。
特に情報科学系でない社会科学系に携わっている⼈は、まずはAI社会とはどういったものなのかを分かりやすい表現で世の中に説明していく責任があると思います。丁寧な説明がなされることで初めて、AI社会を恐ない、受け入れられやすい環境が構築できることでしょう。

以前、私はITがよく分からない親に対し「サーバとは何か」を説明する機会がありました。
「データを⼊れる冷蔵庫や倉庫のようなもの」という⾵に、専門用語・業界用語を使わずに説明したものです。⼈間は “分からないもの” や “先が⾒えないもの” に対して恐れる習性がある動物であるが故に、根気強く丁寧に説明していきたいところです。

AIを正しく理解した上で「シンギュラリティ」の脅威を計る

出典元は失念しまいましたが、ダーウインの進化論系の話でこのような一節を見聞きした覚えがあります。
「⽣き残る種は強いものでなく、その環境に適応できるものが残る」
強いだけが “正” であるとするならば、恐⻯が⽣き残っていないとおかしいというワケであります。

2045年頃には現在ある職種の約半分くらいがAIに取って代わり、その職種の自体はなくなるであろうと報じられています。社会や生活習慣、環境そのものが変化していくことで起こりうる話でしょうし、まんざらデマや脅しでもないように思います。だからこそ、このAI社会と付き合っていくことが重要なのではなかろうかと思います。

では、そのAIのプログラミングや設計のことを知っておく必要があるのかというと、必ずしもその必要はないと思います。
まずは正しくAI社会やAIそのものを把握し、“AIも悪用することで犯罪にもなるし、人間本来の倫理観を損ねてしまう結果ももたらすかもしれない” ということを理解することから始めるべきでしょう。
便利なものの裏には影がある。森羅万象そうです。クルマもアクセルとブレーキを踏み間違ちがえただけで、取り返しのつかないことになってしまうというのと同じように。

前項で「説明の必要性」をお伝えしていますが、AIがただただ便利になる万能なプログラムではない以上、“このようにAIを活⽤すると、このようになってしまう” といったリスクについても分かりやすく、丁寧に説明してあげる必要があるということです。

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