スラムトラッカー(SlamTracker)でテニスの試合を分析しよう

  • 2016年7月8日
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スラムトラッカー(SlamTracker)でテニスの試合を分析しよう

こんにちは。M.Sです。

毎年6月下旬からグランドスラム(テニス界の4大国際大会)の一つ、全英オープンテニス(=ウインブルドン選手権)が開催されます。

私はスポーツの中でも特にテニスが大好きなので、テニスのテレビ観戦は習慣化しています。これまでは何となく試合を見て楽しんでいたのですが、以前、「バレーボールの試合分析の記事」を書いたことがキッカケで、テニスの試合における“分析”はどうなっているんだろうと気になり始め、調べてみることにしました。

4大国際大会の中でも、とりわけ伝統と格式が求められるウインブルドンにおいて、はたしてデータ分析はどのように行われているのでしょうか?

最先端IT技術 × テニスの結晶「スラムトラッカー」とは

なんと、テニスの4大国際大会すべてにおいて、IBM社が関わっているそうです。

IBM社のテニスとの関わり方は多岐に渡りますが、試合でのデータ収集・分析・配信は「スラムトラッカー(SlamTracker)」というリアルタイム・スコアボードが一役買っているのだそうです。

それでは「スラムトラッカー」は具体的にどのように視聴者に貢献してくれるのでしょうか?

”試合進行と同時に試合統計(サーブ速度やウイニングショット数など)や試合内容分析がウェブサイトに更新されるほか、過去のグランド・スラム大会のデータを掘り起こすことで、選手たちの直接対決記録や、特定の選手らが勝つために必要な要素をデータにもとづいて指摘できるようになる。”とのことです。

<参考サイト>
http://usfl.com/news/75508
活字だけではいまいちピンと来ないかと思われますので、実際にその画面をご覧いただこうと思います。

試合映像だけでは知り得ない情報を「スラムトラッカー」で

ちょうどこの原稿を執筆時に、私が応援している錦織圭選手(日本) 対 J.ベネトー選手(フランス)の第2回戦の試合が行われている最中でしたので、「スラムトラッカー」を見てみましょう。
http://www.wimbledon.com/index.html

上記URLのページを開くと現在進行中の試合が一覧で表示されます。
試合進行がリアルタイムで配信されていることが分かります。

スコアの一部が紫色の背景色になっていますが、これはポイントが動くと着色される仕様になっています。これにより、試合経過が瞬時に把握しやすくなります。

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各試合のスコアボード下に『MATCH STATS BY SLAMTRACKER』というリンクがあります。興味のある試合の該当リンクをクリックしてみましょう。

すると「LIVE」「KEYS」「STATS」と大きく3つのメニューが表示されます。
次にその三つのメニューについて解説いたします。

機能1:LIVE(試合進行リアルタイム配信)

ポイントが動くたびに、どちらの選手がどのようにしてポイントを獲ったか、どのようにしてポイントを失ったかを更新してくれます。
つまり、先ほどの一覧表示で公開されていたスコアボードの詳細版にあたります。

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試合は錦織選手が押していますが、残念ながら第4セット第7ゲームは落としてしまいましたね。。。

機能2:KEYS(勝つための必要な要素)

これはそれぞれの選手がその試合に勝つために必要な三つの要素を表示したものになります。過去に対戦した試合のデータを基に分析しているようです。セットごとに必要条件が達成できたかが分かるようになっています。
「チェック」のマークが達成、「×」のマークが未達成を表しています。

ベネトー選手との対戦は今回で5度目で過去錦織選手が3勝と有利な条件が揃っていましたが、芝のコートでは初対戦の試合。何が起こるかわからないのがウインブルドンの恐ろしさであり、面白さでもあるのですが、現在の試合経過では錦織選手の方がベネトー選手よりも達成ポイントが多く、より勝利に近づいていることが確認できます。

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「+」マークをクリックするとセットごとの達成率が表示されます。

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機能3:STATS(試合の概観)

試合全体を通しての統計がここに集約されています。
「試合全体」、「サービス」、「リターン」、「ラリー」、「サービスのスピード」の5つの項目を確認できるようになっています。
テレビ中継ではコートチェンジなどの合間に表示されていたSTATSですが、これがいつでも任意で確認できるというのはコロンブスの卵的な発想です!

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個人的に注目したのはラリーSTATS。
ラリーでのポイント数やエラー数が一目瞭然です。

例えば、「錦織選手はフォアハンドのエラーが多いな~」とか、「ベネトー選手よりもボレーでのポイントが多いな~」とか。。。

なお、ベネトー選手は2年前の全仏オープンでダブルスで優勝しているぐらい、ボレーが得意な選手なのですが、「錦織選手はこの相手に対して、よくドロップショットを決めたもんだな~」といったことも分かったりします。

試合映像のその瞬間だけでは気付かない情報も得られるという点では、画期的なシステムなのではないでしょうか。

ファンへの利便性を追求した、新たな視聴方法の提案

特に関心したのは、グラフや表が見やすくてきれいなところです。伝統と格式を重んじるウインブルドンの雰囲気を損なわないUIが考慮されています。

実際、試合経過を映すテレビ画面とデータベースを表示させたPC画面とで視線の“ラリー”が生じていましたが、苦もなく、そして違和感もなく視聴することできました。

テレビ画面上ですべてを集約するのではなく、サブディスプレーとしてデータを表示させることによって、視聴者に自由に視聴スタイルを選択させている点も好印象です。

今後はテニスに限らず、その他のスポーツや、オリンピックなどのビッグイベントでも運用してほしいぐらいですね。

普通のテレビ観戦でも十分にスポーツは楽しめますが、多彩な情報をリアルタイムで得ることにより、もっとスポーツ観戦が楽しめるようになります。

ちなみこの試合は錦織選手が勝ちました。
「スラムトラッカー」を活用すれば、次の試合でも応援に身が入るというものです!

※残念ながら錦織選手は三回戦で途中棄権となりましたが、「スラムトラッカー」を使えば他の選手に対してもコーチングしているような気分を味わえますよ!

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