『うんこ漢字ドリル』って?ヒット商品はどこから生まれるか分からない

『うんこ漢字ドリル』って?ヒット商品はどこから生まれるか分からない

少し前の話にはなりますが、電車に乗っていた時、目を疑うような広告が掲示されていたので何度も読み返してしまいました。

 『うんこ漢字ドリル』  

それって普通は「う○こ」とか「うん○」とかって濁すものでしょ?
しかし、堂々と記載してあるところを見るとこれは真面目な漢字ドリルであるというではないですか。

調べてみると「Amazon」「楽天」共に、小学生の国語ランキング上位6位までが『うんこ漢字ドリル(文響社)』が占め、現在200万部を突破する快進撃を続けているという。5月の「オリコンランキングBOOK部門」においては、当漢字ドリルの小学1年生、2年生、3年生がトップ3を独占したとか。

一体、どんな世の中になってしまったのでしょう。。。


<参考:文響社『うんこ漢字ドリル|日本一楽しい漢字ドリル』>

常識破りの傑作?

電車の中吊り広告では、例題も記載されていました。例題とは言っても一般的な漢字ドリルとは訳が違います。
日常生活からは考えられないシュールなシチュエーションばかりで、インパクトが強すぎる例文のオンパレード。

例えば、漢字の「田」を練習する箇所では……

  • )んぼのどまん中でうんこをひろった
  • )うえをしながらうんこをもらすおじいさん
  • 水()にうんこをなげいれる

さらに漢字の「担」を練習する箇所では……

  • 私がうんこ()当の「運子田」と申します
  • みんなで少しずつ分()して、うんこを持ち帰ろう
  • うんこパーティーの費用は、父が負()してくれた

ありえない例文にさらに興味が湧いてきました。

小学生は「うんこ」が大好き。大好きなものを題材にして勉強に興味を持たせる作戦なのか……。
しかし、「うんこ」が無条件に大好きなのは低学年が限度なのではないか……、と思いきや小学6年生用まで揃っている。

作者は脚本家、映像作家である古屋雄作氏。日経トレンディにインタビューが載っていました。
<参照:日経トレンディネット『「うんこ漢字ドリル」、ヒットの陰に“3つの工夫”』>

これによると、自身で2003年より「うんこ川柳」なるものを制作しており、当初はその川柳を出版する予定で企画を進めていたとのこと。
しかし、制作担当の文響社から「これじゃ売れないかもしれないので、うんこ川柳を使った漢字ドリルにできないか」と、いうことで企画を変更し、構想から2年を経て『うんこ漢字ドリル』が出版されたようです。
なんと、小学校で習う3,018個すべての漢字が網羅されており、古屋氏1人で3000もの例文を考えたということです。

常識破りの発想がヒットに

あまりの常識を超えたインパクトのせいか、ネットやメディアでも大評判。対象であるの小学生以外のユーザからも熱い支持を受けているとか。
普段、勉強嫌いな子供もこの漢字ドリルだけは喜んでやるということで、親御さんからの評判も上々。テレビや雑誌、新聞にも掲載され、教材としては空前のヒット商品になっています。

「下品極まりなく、子供の想像力がつかない」
「例文にあるようなことを子供が真似したら犯罪になる」
そんな批判的な声も少なからずあるようですが、一般的には「教材としての質にもこだわっている」と、受け入れる声が多いようです。

教材の販売は、従来通りのものを販売していたのでは売上増に繋がりません。
そして少子化傾向にある現在に至っては、さらに下降線をたどることになるでしょう。

現在、小学生人口は630万人(調査データ 2016年:文部科学省)。
この漢字ドリルが200万部売れたということは、小学生の1/3が購入していることになります。子どもの勉強嫌いは昔も今も変わらず課題となっています。小学生の学習意欲を掻立てることは容易なことではありません。そこにぴったりニーズがはまったのでしょう。

まさに、ありえないもののマッチングにより素晴らしい効果を生み出した商品です。ビジネスチャンスはどこにあるか分かりません。
口にするのも憚れますが「小学生と “うんこ” のマリアージュ」と言えるでしょう。

コメント