レッドオーシャンの中のブルーオーシャンを探る|タバコ市場のトレンド

レッドオーシャンの中のブルーオーシャンを探る|タバコ市場のトレンド

ウチで食べているお米は◯◯産の「△△△」にしています ――
晩酌はいつも◇◇産の「☆☆☆」を飲んでいるかなぁ ――

みなさんにはこだわりの銘柄ってありますか?
それが一種の※プラシーボ効果として惰性でそれをチョイスしていたとしても、一度ファンになってしまうと、そうカンタンには他の銘柄に手が伸びないというものです。
(※プラシーボ効果:偽薬を処方しても、薬だと信じ込む事によって何らかの改善がみられることを言う。Wikipedia

しかし、時代の流れともに世の中の嗜好性も変わっていくものです。
非喫煙者のYuko Komoriyaさんが「タバコ市場の変化」についての情報を共有してくれました。
<参照:日経デジタルマーケティング『5年でこれだけ市場は変わった/たばこ編』>

そもそもにしてタバコはここ5年で喫煙習慣が減少傾向にあるため、5年前と現在(正確には2016年)とでは商品シェア率のパーセンテージが男女ともに大幅に減っています。
そこで、現在のトップ20にのみ絞り、ブランドごとのシェア率を男女別にまとめてみました。

「男性がよく購入するタバコの銘柄は」トップ20抜粋(2016年6月)

※「商品ブランド / 銘柄数 / 全銘柄中で20位以内に入る銘柄数 / 20位以内で占める割合」の順に記載。
メビウス系であれば、銘柄は「メビウス・ボックス」「メビウス・ライト」・・・など。

【和】メビウス系

  • 45銘柄
  • 9銘柄
  • 38.54%

【和】セブンスター系

  • 19銘柄
  • 2銘柄
  • 14.33%

【和】ウィンストン系

  • 30銘柄
  • 2銘柄
  • 8.49%

【和】わかば

  • 1銘柄
  • 1銘柄
  • 7.54%

【和】エコー

  • 1銘柄
  • 1銘柄
  • 7.32%

【洋】ケント系

  • 29銘柄
  • 1銘柄
  • 6.48%

【洋】マールボロ系

  • 32銘柄
  • 1銘柄
  • 5.52%

【洋】ラーク系

  • 34銘柄
  • 1銘柄
  • 4.78%

【和】ホープ系

  • 4銘柄
  • 1銘柄
  • 3.61%

【和】ハイライト系

  • 2銘柄
  • 1銘柄
  • 3.40%

「女性がよく購入するタバコの銘柄は」トップ20抜粋(2016年6月)

【和】メビウス系

  • 45銘柄
  • 6銘柄
  • 28.09%

【和】ピアニッシモ系

  • 11銘柄
  • 5銘柄
  • 26.54%

【和】セブンスター系

  • 19銘柄
  • 1銘柄
  • 8.95%

【和】ウィンストン系

  • 30銘柄
  • 2銘柄
  • 8.64%

【洋】バージニア系

  • 7銘柄
  • 2銘柄
  • 8.33%

【洋】ケント系

  • 29銘柄
  • 1銘柄
  • 7.72%

【洋】マールボロ系

  • 32銘柄
  • 1銘柄
  • 4.32%

【洋】ラーク系

  • 34銘柄
  • 1銘柄
  • 4.01%

【和】エコー

  • 1銘柄
  • 1銘柄
  • 3.40%

銘柄数が多い!

まず驚かされるのは、どのブランドも異常に銘柄数が多いということ。
タバコが売られているコンビニエンスストアなどでは、壁一面にタバコを陳列しており、3ケタの商品番号が振られているほど。もはやタバコ専門店かのような様相です。

JT(日本タバコ産業)は1ブランドの複数銘柄(派生商品)攻勢でパイを獲る戦略を行っており、海外企業も国内特有の複雑なブランディング戦略に付き合わされた結果、複数銘柄を用意しているのかもしれません。
しかし、外国産タバコは「バージニア」を除いては複数銘柄を用意していても、1銘柄しかランクインできない始末。海外企業の複数銘柄戦略は功を奏していないと言えるのではないでしょうか。

タバコの銘柄から見る商品ブランディングの「男女差」

また、男女差を挙げるとすれば、以下のような結果に集約されるのではないでしょうか。

<男性のタバコ消費者の場合…>

・「メビウス」の一強体制が敷かれている(トップ20のうち38.54%がメビウス系銘柄)
・国産タバコが強い(トップ20のうち83.23%が国産)
・派生商品を持たない「わかば」「エコー」も人気(トップ20のうち各7%ずつのシェア)

<女性のタバコ消費者の場合…>

・「メビウス」と「ピアニッシモ」で人気を二分している(トップ20のうち半数以上がこの2つで占める)
・国産タバコが強いが、男性ほどではない(トップ20のうち75.62%が国産)
・派生商品を持たないタバコは不人気(ようやくエコーが20位に入る程度)

女性ターゲットがレッドオーシャンの盲点

男性層には入っていなかった「ピアニッシモ」や「バージニア」は女性層にのみウケているブランドと言えますが、「わかば」「エコー」のようなブランドの中にいくつもの種類があるわけではない商品で、女性をターゲットとしたブランドは現在ありません。
女性が必要としていないからそういった商品がないのではなく、そのような商品がないから選ばれていないと考えることもできます。

これだけ商品数の多いタバコ業界ですが、どうやらまだ手がつけられていない部分があるようですね。
JTに押されている海外企業こそ、女性向け固有ブランド開発(しかも派生商品のない状態で)が必要なのではないでしょうか。

今回はタバコの銘柄から見る商品ブランディングの「男女差」をピックアップしていますが、何もタバコに限った話ではありませんし、「地域差」や「年代差」などまだまだ未開発なセグメントはありそうです。
「選択肢がないから他を選んでいる」という可能性も考慮し、ピンポイントにハマる商品開発こそ、レッドオーシャンの牙城を崩せるというものです。

今一度、現況を洗い出して戦略を練れば、レッドオーシャンとされる業界に活路を見いだせるかもしれませんね。

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