ロボカップサッカー|万国共通スポーツをロボットで

ロボカップサッカー|万国共通スポーツをロボットで

「世界水泳」「世界陸上」と今夏も国際的スポーツイベントが目白押しでしたね。
白熱したスポーツは集中して視聴すると、どうしても身体が動いてしまい、つい運動した気分になってしまいます。

スポーツで汗をかけば健康にもいいですし、チームメイトとの友情も芽生えます。
観戦するにしたって、スポーツを通じて共通の会話も生まれます。
人間形成に役立つスポーツ、もういいことづくめです。

 スポーツは人間活動の特権である!  

この際、そう言い切らせていただきましょうか。

私も「スポーツの秋」に備えて体作りから始めようと、一番の得意スポーツ “寝返り” に勤しもうと横になったところ、紅孔雀さんが私に添い寝しながらこう言うのです。

「スポーツって、人間だけがするものではないですよ……」

彼のオデコに貼られたQRコードを読み取ってみると、未来のスポーツの姿がそこにはあったのです。
<参照:ロボスタ『【ロボカップサッカー】ヒューマノイドリーグのルールと魅力「果てしなく遠い夢に向かって」』

奥深い『ロボカップサッカー』の世界

1992年(25年前!)に発足した「ロボカップ日本委員会」が主催するイベント『ロボカップサッカー』は、世界大会が開催されるようになってから今年で20周年。

ロボティクスの進化により、現在では複数種のリーグが存在し、世界各地で技術者たちがしのぎを削っています。
そして先月7月末、今年のロボカップ世界大会は閉幕しました。
<参照:ロボカップ2017『RoboCup 2017 Nagoya Japan』>

世界規模で愛される『ロボカップサッカー』のリーグは以下の通り細分化されています。

  • 小型リーグ
  • 中型リーグ
  • 4足ロボットリーグ
  • 標準プラットフォームリーグ
  • ヒューマノイドリーグ
  • マイクロロボットリーグ
  • シュミレーションリーグ

小型リーグ

1チーム6台以下で構成される「小型リーグ」は試合球もゴルフボールを使用するなど、その名の通り “小型”。
しかし、そのスピード感や小回りの利く機動性などから、実際のサッカーのように戦術がキモになってくるため、全リーグの中でも一番白熱した試合が多く、ファンが多いのも特徴です。

なお、プレイヤーとなる小型ロボットは人間が操作しておらず、フィールド上に設置されたカメラから計12台のロボットの位置と向きを解析し、両チームに同じデータを提供。その情報を基に、各チームがAIを用いて瞬時に指示を出しているという仕組みです。

■ロボカップサッカー 小型リーグ

<参照:ロボカップ日本委員会『RoboCupJapan Soccer Small Size Robot League』>

中型リーグ

「中型リーグ」も小型リーグ同様、遠隔操作を行わない “AI主導” のロボットを用い、1チーム4~6体で競われます。小型リーグにはないダイナミックさがウリで、時には人間を凌ぐプレーが飛び出すこともあります。

■ロボカップサッカー 中型リーグ

驚くことに、エキシビジョンマッチとして「対人間チーム」と対戦するといったことも!

<参照:ロボカップ日本委員会『RoboCup Japanese National Committee Official Homepage』>

4足ロボットリーグ

1チーム4台で構成されるリーグ戦。ソニー社の「AIBO」をベースにサッカーをします。

こちらもボールとゴールとプレイヤー、そしてフィールド6箇所に色分けされたマーキングがされており、こちらも遠隔操作ではなく自律型でプレーをしなければなりません。

■ロボカップサッカー 4足ロボットリーグ

しかし、ロボカップ国際委員会では「AIBO」生産中止に伴い、リーグ戦廃止を発表をしています。
<参照:Robot Watch『ロボカップ、AIBOを使った「四足ロボットリーグ」を廃止』>

標準プラットフォームリーグ

各チームが同一機種「Nao」を用いて競技を行います。
<bitWave関連記事『技術立国を証明せよ!|「Pepper World 2017」』>

上記の4足ロボットリーグに入れ替わり誕生したリーグですが、ロボット性能がイコールコンディションであるため、プログラミングの差が試合結果に直結するといってもいいでしょう。

■ロボカップサッカー 標準プラットフォームリーグ

ヒューマノイドリーグ

その名のとおり、二足歩行の人型ロボットで行うサッカーリーグ。さらに3つのクラスに分かれています。

「キッドサイズ」は1チーム4体の構成で試合を行う。サイズは30~60cm。
「ティーンサイズ」は1チーム3体。サイズは65~130cm。
「アダルトサイズ」は1対1の対戦。サイズは130~180cm。

なお、「アダルトサイズ」は長身ゆえに転倒が頻発するため、人間が介添えする異様な光景で試合が行われます。ただし、介添人がロボットに触れてしまうとペナルティが発生するといった独自ルールが存在します。

まだ二足歩行ロボットは前記のロボットたちに比べてスーパープレーが飛び出しにくくはありますが、少なくとも最先端のロボティクス技術を測る上では重要な位置付けのリーグです。

■ロボカップサッカー ヒューマノイドリーグ(キッドサイズ)

■ロボカップサッカー ヒューマノイドリーグ(ティーンサイズ)

■ロボカップサッカー ヒューマノイドリーグ(アダルトサイズ)

マイクロロボットリーグ

シチズン社と大阪大学が共同開発した超小型ロボット「Eco-Be!」を使った競技です。

「Eco-Be!」は腕時計用小型ステップモーターを内蔵しており、赤外線通信で指示を受けることができます。
25mmのロボットはコイン型リチウムイオン電池を動力としており、“マイクロ” の名に相応しい、可愛らしい動きで観客を魅了しています。

■ロボカップサッカー マイクロロボットリーグ

シュミレーションリーグ

コンピューター上の仮想フィールドを舞台にAIプログラミングされたプレイヤーで競われる、ロボカップで最古参のリーグ戦がコチラ。

「2Dクラス」と「3Dクラス」に分かれており、いずれも完全なソフトウェアだけの勝負となります。

■ロボカップサッカー シュミレーションリーグ(3Dクラス)

■ロボカップサッカー シュミレーションリーグ(2Dクラス)

“サッカー” という共通言語が持つ魔力

『ロボカップサッカー』は実際のロボット制作、既存ロボットへのプログラミング、そしてプログラミングだけといったように、参加者の予算感や規模感に応じてカテゴリーが細分化されています。

そして世界で『ロボカップサッカー』が愛されているのは、何よりも “サッカー” という共通言語を題材にしているからなのではないでしょうか。

「ヒューマノイドリーグ」などは我々の待ち受ける未来のハードウェアを、そしてプログラミングを重視した他リーグはソフトウェアの将来像を想像させてくれるに十分なものです。
“サッカー” というオブラートを包んではいるものの、そこにエンジニアたちの本気を見ることができるのです。

例えば二足歩行ロボット ――
二足歩行はまだ完成された技術ではなく、サッカーをプレーさせるだけなら、足回りがキャタピラーの方がよっぽど優れています。

それでも、なぜ人間を模したロボットを作る必要があるのか。
そこに “ロマン” があるからなのかもしれません。

Honda社の二足歩行ロボット「ASIMO」の開発秘話として、最初に “アトムを作れ!” と指示を受けたのは有名な話です。

それがもし、アトムの足回りがキャタピラーだったら……
実用性のある「ASIMO」が誕生していたかもしれませんが、ヒューマノイド型でなければ現在のロボティクスの姿はなかったでしょう。

これからも『ロボカップサッカー』は最新技術の見本市として、さらには科学少年たちの何らかのキッカケとして歴史を重ねていくのは既定路線といえるでしょうね。

冒頭でこのように宣言しました。

 スポーツは人間活動の特権である!  

しかし、このように言い換える必要があるかもしれません。

 スポーツは全世界の共通言語である  

スポーツを介して最新技術に磨きがかかるとは、すごい時代になったものです。
私も得意スポーツ「寝返り」を極め、すごい枕ぐらいは制作しないとダメかもしれませんね。。。

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