枯れた技術が見直される時 「電子ペーパー」が“いまさら”アツい!

枯れた技術が見直される時 「電子ペーパー」が“いまさら”アツい!

最近、関節が痛むなぁ~。ちゃんと運動(=寝返りのみ)してるんだけどなぁ~。
すいません。お恥ずかしい独り言をお聞かせしました、約みつるです。

日に日に老化を感じている今日このごろです。
やっぱりもう枯れてしまったということなんでしょうか……。

ただ、世の中には私が生まれる前から存在し、一度は枯れても見事カムバックを果たすケースがあったりします。その一つが「電子ペーパー」。電子書籍などで目にする機会があるかと思います。

枯れた男がもう一花咲かせるためにも、よみがえる技術「電子ペーパー」について学習してみようと思います。

古の技術、電子ペーパー、その強みと弱みとは?

電子ペーパー自体は最初に開発されたのは1970年。人類初の月面着陸が成功したときから存在する技術なんです。

ちなみに電子ペーパーには液晶ディスプレイや有機ELにはない、以下のような強みがあります。

  1. 表示中はほとんど電力を消費しない
  2. 印刷物同様に自然の反射光を利用して表示させるため、バックライトを要しない
    (※つまり暗所ではバックライトが必要)
  3. 偏光フィルタを要しないため、低コスト。しかも薄型対応も容易

しかし20世紀まで電子ペーパーの扱われ方は「?」な用途ばかりでした。
これだけのメリットを持ちながらも、なぜ普及が遅れていたのでしょうか。

強みもあれば弱みもある。次に電子ペーパーの弱みを挙げていきます。

  1. 白黒の中間色を表示させる応答性に難あり。つまり、スクロール表示が苦手
  2. 赤・緑・青のカラーフィルタを用いた反射光は「白色」を作るのが苦手。つまり、カラー表示に不向き

先に挙げた3つのメリットに対して、2つぐらいしかデメリットが思い浮かびませんでしたが、なかなかの強力な弱みです(笑)。あぁ、もう致命的!

弱みを解決すること、時には弱みを無視すること
ストロングポイントのみを抽出した商品

先ほど「スクロール表示が苦手」とお伝えしましたが、それは20世紀までのお話。

これまでの「電気泳動方式」という技術では、白黒の中間色を表示させるのに白黒反転させたうえで前回の残像を打ち消すという処理を行う必要があるため、単純に画像更新時間がかかってしまいました。

21世紀に入ってまもなくナノテクノロジー研究の末、「電子粉流体方式」という技術が生み出されました。電子粉流体は高い流動性を兼ね備えているため、液晶ディスプレイよりも早い応答性を実現することができました。

しかし、「電子粉流体方式」という画期的な技術が確立しても、いきなりその恩恵に授かるわけにはいきませんでした。かくいう私も背面に電子ペーパーを実装したガラケーを所有していましたが、模様が変わるだけで革新的な機能を持っていたわけではありませんでした。

そこで製品化されたヒット商品の一つとして「Amazon Kindleペーパーホワイト」が挙げられます。この製品のおかげで、電子ペーパーの可能性が一気に広がりました。

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Amazon Kindleペーパーホワイト

おやおや、もう一つの弱点の「カラー化」は?
そこは液晶ディスプレイや有機ELにお任せしましょう。
モノクロ表示なら誰にも負けない、それだけで十分ではないですか。

利点を活かしはじめた電子ペーパー 次なる可能性とは?

昨今ではスマホやPDA端末に限らず、携帯性を兼ね備えた情報表示端末が出揃ってきた感があります。

腕時計もその一つでApple Watchに代表されるスマートウォッチが話題になる中、従来のアナログ腕時計も負けておらず、リーズナブルな国産正統派腕時計も市場を賑わせていたりもします。

そんな中、腕時計界のサードウェーブ的な商品が電子ペーパーによって生み出されました。その名も「FES Watch」。電子ペーパーの利点を最大限に活かし、文字盤のみならず、ベルトの柄さえも変えることができるのが特徴。明らかにスマートウオッチやアナログ時計とは一線を画する商品です。

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FES Watch

FES Watch」発売元のソニーは腕時計の他にも学習型多機能リモコンにも電子ペーパーの技術と取り入れ、クラウドファンディングの末、つい先日正式販売にこぎつけました。

この学習リモコン「HUIS REMOTE CONTROLLER」は複数台のリモコンを一台にまとめる学習リモコンの機能を持ちながら、自分のほしいボタンだけを編集できるというのが特徴で、今後はシェアサイトから他人が作ったリモコン画面をダウンロードできるという展開も進めていくそうです。

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HUIS REMOTE CONTROLLER

さらには発売元は異なりますが、「SHIFTWEAR」という生地の柄をスマホを介して変更できるスニーカーも今秋リリース予定です。電子機器以外の方向性を提示した、ユニークな電子ペーパーの使い方ですね。

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SHIFTWEAR

この5年で液晶ディスプレイでは実現できなかった領域にも可能性を見い出しました。まさに40年の遅れを取り戻す逆襲の始まりといったところでしょうか。

枯れた技術の水平思考 故・横井軍平が残したメッセージ

ゲーム&ウオッチを開発し、ファミコンの十字キーを発明した横井軍平という元任天堂の技術者がかつて存在していました。

彼には「枯れた技術の水平思考」という哲学があります。メリット・デメリットが明らかになっている最先端ではない技術こそ、新しい発想を生み出すというものです。それは今でも任天堂の哲学にも活きています。

そしてハイテクを謳い任天堂と対峙してきたソニーが、電子ペーパーを「水平思考」しているというのも、とてもおもしろい傾向だといえます。これからも電子ペーパーから目が離せません!

おまけ:負けるな液晶ディスプレイ!

先ほど液晶ディスプレイは偏光フィルタを使わなければいけないと、デメリットとして取り上げました。そこで、そのデメリットを逆手にとって水平思考してみましょう。

ディスプレイから偏光フィルタを外すと、なにも表示されないただのバックライトになってしまいます。そこで偏光フィルタをメガネに貼り付けると…。
自分以外では見ることができないプライベートディスプレイができ上がり。周りの人にはただの発光体でしかありません!

このように液晶ディスプレイにだって、水平思考で生み出されるアイデア・商品は無限にありそうですね。負けるな、液晶ディスプレイ!!

かくいう私も、運動量(=寝返り回数)を増やして、もう一花咲かせて見せます!

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