サイトを成長に導く組織を作る「プロセス志向KPI」

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本ブログ「bitWave」読者の方々はWeb系の開発プロジェクトに関わっている方が多いと思いますが、みなさんはどのようなKPIをもって日々のサイト開発業務にあたっていますか?

ページビューやセッション、コンバージョンやCPA、レスポンスタイムなどの数字をKPIとしているケースが多いのではないでしょうか。こういった数字は、結果に焦点を当てているため「結果志向KPI」と私は呼んでいます。
結果志向KPIは売上等のKGIに直結しやすく、計測が容易であるというメリットがある反面、短期的視点になりやすく、部分最適になりがちというデメリットもあります。

これらのデメリットを補完するのが「プロセス志向KPI」です。結果志向KPIと併用することで、より着実にサイトを成長に導く組織を作ることができます。

「結果志向KPI」とそのメリット・デメリット

結果志向KPIとは読んで字の通り、業務の結果に焦点を当てた指標です。先に例示したページビューやセッション、コンバージョンやCPA、レスポンスタイムなどがそれにあたります。

一方、プロセス志向KPIとは結果ではなく組織や個人の活動そのものに焦点を当てた指標です。設計工数、コミュニケーション量、残業時間等がそれにあたります。

結果志向KPIは、KGIの構成要素を定量的に分解して設計されているケースが多いため、KPIを改善することで直接的にKGIを改善することができます。

例えば、Webサイトから広告主企業に送客して、送客数に応じて課金するモデル(いわゆるアフィリエイトサイト)の場合、「送客数(KGI)=セッション数×CVR」であり、セッション数とCVRをKPIとすればそれらを改善することでKGIが向上するのは当然です。また、数値が計測しやすいのもメリットです。

一方のデメリットを挙げるとすれば、短期的な視点かつ部分最適になりやすい点です。
例えば、セッション数を増やすことだけを考えれば広告を出稿するのが一番の近道です。よりキャッチーな広告で瞬間風速的にセッション数を増やせば、今期の目標は達成できるでしょう。しかし、それはWebサイト自体の成長とは必ずしも関係しておらず、来期はまた元に戻ってしまう場合があるのです。

また、セッション数を目標に持っているチームと、CVRを目標に持っているチームがある場合、前者は顧客となりにくいユーザー層まで集めてセッション数を増やしてしまうなどして、結果的にCVRを犠牲にした活動が起きやすくなります。

【メリット】
・売上等のKGIに直結しやすい
・計測しやすい

【デメリット】
・短期的視点になりやすい
・部分最適になりがち

プロセス志向KPI ~VA/NVAのススメ~

プロセス志向KPIでまず知ってほしいのが、Value Added(=VA、顧客への価値を増やす活動)とNon Value Added(=NVA、顧客への価値を増やさない活動)です。すべての活動時間をVAとNVAに分類し、その比率を改善していくことになります。
これは、業務プロセスを最適化するフレームワークであるシックスシグマから生まれた考え方です。

Web系の開発プロジェクトでは、例えば仕様変更によって無駄になった作業時間がNVAであり、最終的にリリースされた仕様の実装に使われた時間がVAです。スムーズに進むプロジェクトはVA/NVAが高くなりますが、顧客や経営層、その他部門との調整が不十分で仕様変更が多発すると、結果的にVA/NVAが低くなります。

この指標を発注部門と共有することができれば、お互いに価値ある作業を増やすという共通の視点を手に入れることができ、部門間の風通しも良くなることが期待できます。

VA/NVAの計測方法についてですが、あらかじめチケット駆動開発を行っており、かつ、各チケットの作業時間が記録されているのであれば、定期的にレビュー会を行い、各チケットをVA/NVAに分類していけば良いでしょう。

何がVAで何がNVAかの基準は組織の考え方によるので、あらかじめ共通認識を作っておくことがポイントです。

「プロセス志向KPI」のメリット・デメリット

プロセス志向KPIにはVA/NVAの他には残業時間、会議回数などが設定できます。

これらは結果志向KPIに比べて長期的視点で全体最適を生みやすいのがメリットです。しかし、短期的なKGIには直結せず、ときには短期的な売上増を犠牲にしなければいけないようなケースも出てくるため、トップダウンで強い意志をもって設計しないと継続できません。

また、計測しにくいのもデメリットです。作業時間を計ろうとしても、Analyticsのタグを埋め込んでおいてあとは数字を確認するだけというわけにはいきません。日々タイムシートに記帳するなどの努力が必要です。人によって記帳の粒度が異なるため、恣意的になってしまう点も考慮しましょう。

【メリット】
・長期的視点で組織を作れる
・全体最適になりやすい

【デメリット】
・売上等のKGIに直結しにくい
・計測しにくく恣意的になりやすい

さいごに

KPIをどう設計するかで組織は方向づけられます。定量的で一般的な指標だけでなく、それぞれの組織のビジョンや価値観にあった独自のKPIを設計することで早く、確実に目指すゴールに近づくことができます。

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