生体ドローン『DragonflEye』|モラルと技術のはざまで

生体ドローン『DragonflEye』|モラルと技術のはざまで

みなさんの身の回りの機械は機能追求の歴史とともに「小型化」の歴史も歩んでいます。

完全に普及しきったと思われるパソコンはおろか、電卓ですら発明当初は当時の電子技術の限界ゆえに巨大なサイズを誇っていました。
しかし、今はパソコンも電卓もとにかく小さい。これもひとえに開発者・技術者たちの涙ぐましい努力の賜物でしょう。

当時のソニー会長、創業者でもある盛田昭夫さんは、後に世界的なヒット商品となる「ウォークマン」の試作機を水を張ったバケツの中に突っ込み、出てくる気泡の量だけ小型化できると開発者に一喝。これがキッカケで設計段階から見直しになったという開発秘話があったりもします。
当時の設計者のことを想像しただけで……涙が出てきてしまうほど。

機械技術の進化は私たちに小型化、軽量化、そして高密度化をもたらしました。
しかし、これらの技術革新に伴う小型化競争は、必ずしも私たちに便利な生活を与えてくれるものとは限りません。
昨今では “行き過ぎた” 小型化が原因で発熱・発火をもたらし、発売停止に追い込まれた某スマートフォンが該当しますね。
機能性・利便性は信頼性という土台を基に成立させなければならないのです。
これはなかなかの難題ですね。。。

小型化に限界はあるのか

いったん機械の外に目を向けてみましょう。
技術革新とは無関係なところで小型であるものって結構ありますよね。

例えば生物。
超小型のセンサーや電子部品は、生物における「細胞」や「神経回路」に当たるでしょう。
それら生物の緻密な部品たちはダーウィンが提唱する「進化論」の末に落ち着いたものあったり、はてまた「神様」が設計したサイズなのかもしれません。
もはや、技術革新で太刀打ちできるような代物ではないことは確かです。
超微細加工技術に限界があるのでしょうか……。

肝っ玉のサイズがナノレベルの私に、新人開発員・中村くんがマイクロサイズの小声でとんでもない情報を共有してくれました。
<参照:sorae.jp『トンボをドローンに改造した「DragonflEye」が飛行 Draper研究所』>

加工技術の限界を無視(虫)した発想

この技術以前にこの着想自体がとんでもないことです。
超微細加工技術による超小型の機械が作れないのであれば、すでにある超小型の生物を機械化しようという発想。まさに “コロンブスの卵” 的な着眼点です。

この共有情報はトンボを利用していますが、微生物や細菌をドローン化するといったさらなる「小型化」が可能であれば、医療方面を始めとする様々な産業での活用も考えられます。
調べてみると、これらの開発は二年前から実施されており、当時はアフリカに生息する昆虫「クビワオオツカナブン」を用いた実験を成功させていたようですね。

このカナブンに取り付けた小型装置から出ている電極から、カナブンの脳や飛翔筋を刺激してコントロールしようというもの。実験では飛行開始から左右旋回、ホバリング飛行といったことが無線による遠隔操作を可能にしたというではありませんか。

そして「カナブン」から「トンボ」へ。この二年の間で小型化が確実に進んでいるわけです。

命あるものへの尊厳はどこまで考慮すべきか

しかし、問題はありますよね。『生命倫理観』の問題です。

昆虫とはいえ、人間と同じ命あるもの。
それを人間のエゴ(この場合、「人間中心主義」)でコントロールすることは倫理的に問題がないのか。まるで医療界のタブーともされている「ロボトミー手術」にも似ているのではないでしょうか。
<参照:logmi『史上最悪のノーベル賞 ロボトミー手術の光と影』>

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