携帯キャリアの2年縛りに廃止の波…格安SIMへの乗り換えは増えるか?

  • 2019年9月3日
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携帯キャリアの2年縛りに廃止の波…格安SIMへの乗り換えは増えるか?

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2019年10月1日には施行される改正電気通信事業法によって、携帯キャリアによるこれまでの2年縛りも大きく見直される見込みです。

例えば、解約による現在の違約金はドコモ・au・ソフトバンクとも9,500円ですが、改正法では違約金の上限が1,000円になるという方向で進んでいます。
※auのみ、2019年9月13日から一部プランで違約金1,000円。

このページでは、改正法が携帯キャリアの2年縛りに及ぼす影響について、最新の情報をまとめつつ、改正法後に携帯電話市場がどうなるのかも考察していきます。

「縛り」や「囲い込み」が厳しく規制される

総務省

画像引用元:総務省|総務省の紹介

今年に入ってから携帯電話市場の健全化と競争促進のための議論が急激に進められ、電気通信事業法の改正も決まりました。

これまで当たり前だった通信と機種をセットにして売る「一体型プラン」は、改正法では禁止されることが決まっており、各キャリアはすでに「分離プラン」に切り替えています。

しかし、改革はこれだけで終わらず、今度は「2年縛り」に対しても厳しい規制が行われる見込みです。

具体的には、現在9,500円の解約違約金が1,000円になるとされています。

違約金1,000円により2年縛りは実質的に廃止か

現在、ユーザーが2年縛りを嫌々でも受け入れている理由は、大きく分けて以下の2つであると思われます。

  • 違約金9,500円が高すぎてもったいない
  • 2年縛り契約でないと、月額が1,500~2,700円も上がってしまう
    ※この仕組みの詳細については後述します。

いずれにせよ、2年縛りや違約金というのはすべて携帯キャリア側の都合であり、ユーザーにとっては不利益なものであることは間違いないでしょう。

本当は別のキャリアや格安SIMに乗り換えたいのに、違約金が高いせいでできない……。
そんな悩みを抱えているユーザーが多いことは想像に難くありません。

しかし、もし違約金が1,000円だったらどうでしょうか。

総務省のアンケートによると、8割を超える方が、1,000円ならば違約金を払ってでも乗り換えしたいと答えたようです。

このことから、違約金1,000円になれば「縛り」としての効果がほとんどなくなり、実質的に2年縛りが廃止されることに近いと言えます。

縛らないユーザーへの「値上げ」も規制

実は、ドコモ・au・ソフトバンクとも、今も2年縛りをしないプランは一応あります。しかし、2年縛りをしないと月額が1,500~2,700円も上がってしまうのです。

2年縛りしない場合
  • ドコモ:月額1,500円値上げ
  • au:月額1,500円値上げ
  • ソフトバンク:月額2,700円値上げ

そのため、多くのユーザーは嫌々でも2年縛りを選ばざるを得ません。

「携帯キャリア=2年縛り」というイメージはここから来ています。

これも総務省は問題視しており、2年縛りしない場合でも値上げは月額170円までと規制するようです。

これなら、そもそも2年縛りしないというユーザーも増えそうですね。

2年縛りそのものが禁止されるわけではない

今のところは2年縛りそのものを禁止するわけではなさそうです。

よって、改正法後も2年縛りという契約の形は残り続けると思われます。

しかし、「違約金1,000円」と「縛らない場合でも値上げは月額170円まで」という新ルールが始まれば、縛りの効力は一気に薄れます。

そこで、この記事ではその状況を「2年縛りの実質的な廃止」とみなし、改正法後の携帯電話市場がどうなるのか考察していきます。

携帯キャリアの解約金はいくら?2年縛りが無くなれば廃止になるの?

次の章では、改正法によって廃止されるサービスについて紹介します。

縛りを条件とする割引も続々廃止に

画像引用元:半額サポート | スマートフォン・携帯電話 | ソフトバンク

2年縛りの実質的な廃止に合わせ、auの「アップグレードプログラムEX/EX(a)」やソフトバンクの「半額サポート」のような、縛りを条件とする割引サービスも廃止されます。

この2つは、2年縛りを2回繰り返すことで、機種代金48回払いのうち25回目以降の支払いが免除されるというものです。

そのため、機種代金が最大半額になる反面、「4年縛りではないか」という批判も。

これは総務省やユーザーからだけでなく、ドコモ吉澤社長からも「襟を正すべき」と厳しい目で見られていました。

その結果、auの「アップグレードプログラムEX/EX(a)」は2019年9月30日に新規受付を終了、ソフトバンクの「半額サポート」も同日までに廃止される見込みとなっています。

ドコモの「スマホおかえしプログラム」もピンチ?

画像引用元:スマホおかえしプログラム | キャンペーン・特典 | NTTドコモ

「4年縛り」はしていなかったドコモですが、「スマホおかえしプログラム」も場合によっては廃止されるかもしれません。

スマホおかえしプログラムとは、対象機種を36回払いで購入した場合、購入機種をドコモに返却すれば最大12回分の支払いが免除されるというものです。

これにより機種代金が最大3分の1になるわけですが、これも長期契約を前提にした割引サービスなので、対岸の火事ではありません。

総務省は機種代金の割引額も最大2万円までとする新ルールも検討中であり、その動向次第とも言えそうです。

縛りの規制で携帯電話市場はどうなるのか

違約金1,000円や長期契約を前提にした割引の規制によって、改正法後の携帯電話市場に大きな変化があることは間違いないでしょう。

ここからは、携帯キャリアの月額やサービスがどうなっていくのか、格安SIMへの乗り換えが増えるのかなど、改正法後の市場について考察していきます。

競争が促進されることは間違いない

改正法や新ルールによる規制の目的は、携帯電話市場の健全化と競争促進ですが、この目的は高い確率で果たされるのではないかと思います。

これまで携帯キャリアは一体型プランや強力な縛りを武器に、価格競争などは極力避けてきました。

他社に乗り換えられる心配がほとんどなかったからです。

しかし、8割超のユーザーが「違約金1,000円なら違約金を払ってでも乗り換えたい」とアンケートで答えています。

今後、携帯キャリアは縛り以外の要素でユーザーを確保しなくてはいけなくなるでしょう。

月額を下げる価格競争勃発か

携帯キャリアがユーザーを確保するもっとも効果的な方法は、月額料金を下げることです。

ユーザーは当然、一番安い携帯キャリアに集まるようになります。

そのため、ドコモ・au・ソフトバンクはお互いに負けまいと、月額の値下げ合戦を繰り広げるのではないでしょうか。

3社はすでに楽天モバイルを警戒

画像引用元:楽天モバイル:安心・お得な格安スマホ(スマートフォン)/格安SIM

実際、すでにドコモとauは改正法後の値下げを覚悟していて、特に楽天モバイルが発表するプランを強く意識しているようです。

現在の楽天モバイルは格安SIM(MVNO)ですが、10月からドコモ・au・ソフトバンクと同等のキャリア(MNO)になります。

楽天モバイルがキャリアになった際に発表する料金プランが自社よりも安かった場合、それに負けないためのプランをドコモやauも用意するというわけです。

一方、ソフトバンクは自社のサブブランドであるワイモバイルで、楽天モバイルに対抗したいとの意向を示しています。

楽天モバイルの現在の料金

音声通話付きプラン月額
ベーシックプラン
(低速通信が使い放題)
1,250円
3.1GBプラン1,600円
5GBプラン2,150円
10GBプラン2,960円
20GBプラン4,750円
30GBプラン6,150円
スーパーホーダイプラン
(10分以内の国内通話無料)
2GB:2,980円
楽天会員なら
1年間-1,500円
6GB:4,480円
楽天会員なら
1年間-1,500円
14GB:5,980円
楽天会員なら
1年間-1,500円
24GB:6,980円
楽天会員なら
1年間-1,500円

上の表はあくまで格安SIMである現在の料金ですが、もしキャリアになってもこれと変わらないか大差なかった場合、ドコモ・au・ソフトバンクの値下げも急務となりそうですね。

現在の各社プランの比較例

会社使用
データ容量
月額プラン名
楽天
モバイル
5GB2,150円5GBプラン
ドコモ5GB4,980円ギガライト
au4GB4,480円新auピタットプラン
ソフト
バンク
5GB5,980円ミニモンスター

極めて簡単な比較ですが、これを見るとドコモ・au・ソフトバンクは最低でも半額にはしないと厳しくなりそうです。

ソフトバンクで機種変更を2年以内に行った時のリスクは?かかる費用と回避策

次の章では、格安SIMへの乗り換えは増えるのか考察します。

格安SIMへの乗り換えは携帯キャリアの値下げ幅次第

縛りが緩くなることで格安SIMへの乗り換えが活発になることも予想されますが、それは携帯キャリアの値下げ次第と言えるでしょう。

改正法後も携帯キャリアの月額が相変わらず高いままなら、格安SIMへの乗り換えは増えると思います。

逆に携帯キャリアがうんと値下げしてきた場合は、乗り換える必要がなくなるでしょう。

そのため、改正法によって格安SIMはむしろ廃れるという予想も一部ではあるほどです。

各社の通信技術が向上する

縛り以外の要素によってユーザーを確保しなくてはいけなくなった携帯キャリアは、これまで以上に通信技術に力を入れて、それをアピールするのではないでしょうか。

特に2020年からは次世代通信である5Gの商用利用も予定されています。

通信技術に磨きをかければ、「わが社の通信は他社より速くて安定している」というのを武器に営業できます。

2018年12月にはソフトバンクで大規模通信障害が発生し、それから1週間もしないうちに1万件以上の解約があったようです。

この事実は、ユーザーがいかに通信の安定性を求めているかを示しています。

いかに通信技術を向上させるかも、月額の値下げと同じくらい勝負の鍵を握ることになりそうです。

ミドルレンジ以下のスマホが大流行する

画像引用元:Google Pixel 3a | 製品 | NTTドコモ

分離プランの義務化や長期契約を前提とする割引の規制によって、機種代金を「実質負担額」や「最大半額」などと表記して売り出すことが禁止されます。

つまり、10万円のスマホに対して「10万円の支払いが発生する」ことを、ユーザーが明確に認識できるようになるということです。

そうなるとこれまでのように高額なハイエンドモデルは売れにくくなり、その代わりに、5万円や3万円などで買えるローエンド~ミドルレンジモデルの売り上げが伸びてくるでしょう。

すでにミドルレンジモデルのPixel 3aがハイエンドモデルのPixel 3より売れるなど、コスパ重視の傾向が出てきています。

iPhoneも売れにくくなる?

iPhoneも今の高額路線のままなら売れにくくなるでしょう。

すでに世界的にはiPhoneは売り上げで苦戦しています。

日本では長年続いた一体型プランという特殊な環境故に、iPhoneのシェア率が一時は7割に迫るなど、世界とは真逆の状況にありました

しかし、今度の改正法によってそれも変わるかもしれません。

高いiPhoneは売れにくくなり、格安のAndroidスマホが売れるようになれば、シャア率も世界水準に近づくのではないでしょうか(世界では約7割がAndroid)。

そうなると、例えば「LINEをiPhoneからAndroidスマホへ引き継ぐ」というようなサービスも活発になるかもしれませんね。

iPhoneからAndroidへデータ移行|乗り換え前にやるべきことと注意点

ユーザーにとっては負担減になる2年縛りの実質的な廃止!

以上、携帯キャリアの2年縛りが規制されて緩くなることについてでした。

2年縛りへの規制まとめ
  • 2019年10月1日は改正電気通信事業法が施行される
  • 違約金は1,000円までという新ルールが開始される見込み
  • 縛らない契約に対する値上げも月170円までに
  • これにより2年縛りの効果はほぼなくなる
  • 通信料の値下げや通信技術向上による競争が激しくなりそう
  • 縛りを前提にした割引はなくなる

2年縛りそのものは禁止されない見込みですが、

  • 違約金1,000円
  • 縛りなしプランの値上げ幅が月170円まで

というこれら2要素の登場により、改正法の下では、2年縛りはほとんど機能しなくなりそうです。

そのため、携帯キャリアは縛り以外の要素でユーザーを確保しなくてはいけなくなります。

恐らく、月額の値下げ通信技術の向上によって各社が競い合うようになるでしょう。

auの「アップグレードプログラムEX/EX(a)」やソフトバンクの「半額サポート」のような長期契約を前提とした割引サービスもすでに廃止が決定しています。

格安SIMへの乗り換えが増えるかは、携帯キャリアが改正法後にどれだけ値下げするかによって決まるでしょう。

au2年縛りの違約金が1000円へ|総務省令で値下げの新料金プランを解説

ソフトバンク・au・ドコモの方は、公式のオンラインショップを利用すれば頭金不要で通常のショップよりお得に購入できます。

この記事を書いた人
araki
araki
東京都出身。AndroidとiOSの二刀流。パソコンはWindows。新しいモノ好きで飽きっぽい性格。色んなことに挑戦してはすぐ満足してやめるを繰り返してきた。最近は反省して継続する力を身につけたい。

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