
2020年、遂にドコモ・au・ソフトバンクで5Gサービスの提供が開始されました。
そして5G対応のモバイルルーターも発売され、注目を集めています。
しかし5Gのすごさはあまり知られていないようです。
今回は5Gのどこがすごいのか、5Gの今後を解説していきます。
- 2020年6月時点の5G対応Wi-Fiルーターは、ドコモとKDDIの2種類
- どちらも次世代Wi-Fi規格Wi-Fi 6に対応・光回線並みの高速通信をモバイルルーター
- 5GWi-Fiルーターは工事不要で利用・光回線級の速度
- すぐ利用出来て、退去時にも回線や設備の撤去が不要というメリットあり
- 日本国内で5Gが一気に普及する鍵は5G対応iPhoneかも?
※本記事中の価格は税込み表示
トップ画像引用元:5G | エリア:スマートフォン | au
5G対応のルーターがやってきた
画像引用元:Wi-Fi STATION SH-52A | データ通信製品 | 製品 | NTTドコモ
2020年3月以降にドコモ・au・ソフトバンクで5Gが正式に提供開始され、同年春モデルから5G対応スマホも続々発売されています。
そして5G対応モバイルルーターも発売され、まさに2020年は5G元年と言っても過言ではありません。
2020年6月時点で発売されている5G対応ルーターは下記2モデルです。
ドコモ Wi-Fi STATION SH-52A
5G対応ルーターの中でも個人向け第1弾が、ドコモのWi-Fi STATION SH-52Aで、簡単に特徴をまとめると下記のようになります。
- 次世代Wi-Fi規格Wi-Fi 6に対応
- 5Gで4.1Gbps、4Gで1.7Gbpsの下り最大通信速度を実現
- 有線LANポートを内蔵・LANケーブルで直接接続可能
- 価格は68,904円
特に目を引くのが5G利用時の4.1Gbps、4G利用時の1.7Gbpsの下り最大通信速度です。
一般的な光回線だと1Gbpsが下り最大通信速度なので、5Gは光回線を上回る通信速度になっています。
「5Gの通信速度ががあれば、光回線はお役御免になるのでは」とまで言われるほどの性能です。
通信速度は5G最大のセールスポイントですが、一方でルーターは68,904円と非常に高額です。
またドコモに限らず5G対応エリアは限定的なので、5Gを生かし切るのはまだ先になりそうです。
KDDI Speed Wi-Fi 5G X01
5G対応ルーターの中で、法人向け第1弾がKDDIのSpped Wi-Fi 5G X01で、下記の特徴があります。
- 次世代Wi-Fi規格 Wi-Fi 6に対応
- 4Gと5Gの両方に対応
- 5G電波帯は28Ghz帯などの高周波数帯(ミリ波)に対応
- 下り最大通信速度4.1Gbps
- 有線LANポート対応・クレードル不要でLANケーブルで接続可能
- 月額7,678円(2年契約N適用時)で利用可能
- 法人向け
上記の特徴からKDDI Speed Wi-Fi 5G X01は主にビジネスシーンや大勢の人が集まるイベント会場での活躍を想定しています。
- 業務用カメラをLANケーブルで接続して4K映像を安定配信
- 別売りのスイッチングHubで複数人を同時に高速通信が可能
- Wi-Fi 6規格に対応しているので、最大16台まで同時接続可能
- 工事不要・通信速度が光回線以上なので、オフィスやイベント会場での通信環境構築に利用
- 遅延レス機能を生かしてeスポーツの最速ゲーム環境を構築
通信速度は光回線以上、従来のモバイルルーターのように工事不要です。
無線・有線それぞれの良い所取りをしたルーターがKDDI Speed Wi-Fi 5G X01です。
KDDIが提供しているのは法人向けで、個人向け5G対応ルーターは未発売です。
個人向け5G対応ルーターの発売はもう少し先になりそうです。
またネットワーク混雑回避のため、3日間10GBと1ヶ月40GBの速度制限が設定されています。
5G対応エリアは極めて限定的・現状スペックを生かせないのが難点
現状では5G対応エリアは特定の施設や店舗など限定されており、自宅で5Gを利用する環境はありません。
そのため個人で今すぐ5G対応ルーターを購入する必要はないでしょう。
今後キャリアの普及が本格的に始まってから購入を検討しても大丈夫です。
5G対応のWi-Fiルーターのここがすごい
画像引用元:Wi-Fi STATION SH-52A | データ通信製品 | 製品 | NTTドコモ
5G対応のWi-Fiルーターは、次世代Wi-Fi規格に対応しています。
このため通信速度や安定性が大幅に向上したことが大きな特徴です。
特に通信速度について、無線接続でありながら有線の光回線並みのスピードが理論上可能となっています。
そのため、大きなデータファイルや4Kの高画質動画も送信できるようになりました。
対応エリアはまだまだ広がっていませんが、データ通信に大きな革命が起きるのは間違いありません。
最新の無線LAN規格Wi-Fi6に対応
5G対応のWi-Fiルーターは、次世代Wi-Fi規格「Wi-Fi 6」に対応しており、通信速度が大幅に向上しています。
2020年時点で主流のWi-Fi5と比較すると理論上、通信速度が約1.4倍にアップします。
項目 | Wi-Fi 5 | Wi-Fi 6 |
---|---|---|
最大通信速度 | 6.9Gbps | 9.6Gbps |
スループット上限値 | 800Mbps | 1Gbsp以上 |
MU-MIMOでの接続可能台数 | 4台 | 8台 |
策定年 | 2014年 | 2019年 |
最大通信速度9.6Gbpsは、あくまで理論値ではありますが、現行のWi-Fi 5の通信速度を上回る点は変わりません。
「ミリ波」に対応
5G対応Wi-Fiルーターは、帯域が広く光回線相当の速度が出るミリ波(28GHz帯)に対応しています。
ミリ波は直進性が高く、使えるエリアは限定的なものの光回線並みのスピードで通信可能です。
エリアカバーもアンテナの小型化で対応しやすいので、ミリ波対応エリアも今後は続々出てくるでしょう。
有線LANポートを内蔵
発売されている5G対応Wi-Fiルーターは、本体に有線LANポートを内蔵しています。
このポートを利用して各種デバイスとLANケーブルで直接接続することが可能です。
LANケーブルで有線接続すると無線の接続時と比較して通信が安定します。
4GWi-Fiルーターはクレードルを使えば有線接続できましたが、基本的に無線接続が主流で通信の安定性が低いのが弱点でした。
5G対応Wi-Fiルーターなら、クレードルを用意することもなく有線接続できるので、高速かつ安定した通信が期待できるでしょう。
固定回線の代わりにWi-Fiルーターを使う時代になる!?
画像引用元:Wi-Fi STATION SH-52A | データ通信製品 | 製品 | NTTドコモ
5G対応Wi-Fiルーターが普及すると、「現在利用されている光の固定回線の代わりになるのでは?」とも言われています。
元々Wi-Fiルーターは固定回線を使わない、あるいは住宅の事情で使えない時の代替手段として利用されていました。
しかし光回線並の速度を持つ5G対応ルーターが登場したことにより、光回線よりWi-Fiルーターが主役になると予測されます。
ネット動画も固定回線不要で快適になる
4G対応Wi-Fiルーターの下り最大通信速度はおおよそ150Mbpsで、光回線の1Gbpsと比較すると約6.7倍差が付いていました。
しかし5G対応Wi-Fiルーターの下り最大通信速度は、既にドコモで発売済みのルーターでは4.1Gbpsと光回線に4倍近い差をつけた通信速度です。
これにより4Kの高画質ネット動画も、光回線を利用せずともモバイルルーターで快適に視聴できるようになります。
仮設事務所や臨時の住まいでも光回線並みの通信ができる
光回線には、工事が必要ですぐに利用出来ない点が挙げられます。
一方でWi-Fiルーターには工事が不要で手元にルーターが届けば即利用可能というメリットがあります。
さらに退去時に施設や回線の撤去も不要です。
5G対応ルーターを使えば一時的な仮設事務所や臨時の住まいでも光回線並み、あるいはそれ以上の通信が利用出来ます。
マンションでも高速光通信ができる
マンションの光回線は部屋毎に回線をシェアしており、同時接続数が増えると通信速度が低下します。
5G対応Wi-Fiルーターなら、各々が専用の回線を持つことになるので、同時接続数を気にする必要がありません。
ひとりひとりが高速で快適にインターネットを利用できます。
また、光回線と違い工事不要です。
大家さんや管理会社に、回線工事の許可をもらう必要が無いのもメリットです。
導入やメンテナンスが楽なネットワークは法人にもピッタリ
光回線は申込みから導入までに1ヶ月近くかかるので導入が大変です。
更にルーターとデバイス間の接続を保守するなど、維持費もかかります。
しかし5G対応Wi-Fiルーターを使えば、工事や保守メンテナンス費用を大幅に削減できます。
5Gが主流になるのはいつか?
画像引用元:5Gで何が変わる?どう変わる? | NTTドコモ 5G
光回線品質の通信が、工事不要でいつでもどこでも手に入るということは、夢の技術と言っても過言ではありません。
しかし日本国内において5Gの提供は始まったばかりで、現在は一部店舗か特定の公共施設のみ提供されています。
では5Gが全国的にどこでも使えるようになるのはいつ頃でしょうか。
2020年~2021年は4Gとの併用がメインと予測される
2020年~2021年の間は4Gとの併用がメインで、5Gは主流になるには難しいのではないかと言うのが筆者の予想です。
現在主流の4Gは、サービス開始後数年かかりましたので、5Gも同じだと思われます。
ドコモ・au・ソフトバンクは5G普及に力を入れているものの、対応端末はまだまだ高額です。
おそらく数年かけて5Gが徐々に広がって4Gと入れ替わるでしょう。
先行導入したアメリカ・韓国の5G事情(2020年版)
日本で5Gが提供される約1年前、2019年4月にアメリカと韓国では先行して5Gを商用サービスとして提供しています。
そして2020年6月現在、アメリカ・韓国ではまだ4Gが使われ続けています。
もちろん5G対応サービスは続々出ていますが、先行導入した国々でも5G対応サービスが主流と呼べる環境ではありません。
本格的に5Gが主流になるのは2022年以降と予想
2020年に5Gが提供された日本ですが、5Gが主流になるのは2022年以降と予想されます。
4Gも3Gから世代交代が完了するまでに2~3年は必要でした。
同じように考えると、今すぐ5Gが主流になることは考えられません。
2~3年が経過すれば、5Gエリアや加入ユーザー数も増加すると思われます。
日本で5G普及になるきっかけはあのスマホ?
日本で5Gが提供開始されてから約3ヶ月程経過して、各スマホメーカーは5G対応のスマホも販売しています。
しかし高額なこともあり、5G対応スマホの販売台数が伸び悩んでいる模様です。
その中で5Gが一気に普及するきっかけになると期待されているのが、5G対応の新型iPhoneです。
日本では約2人に1人のスマホユーザーがiPhoneを使っています。
5G対応の新作モデルが発売されれば5G普及の大きなきっかけになるでしょう。
iPhone SE(第2世代)は5G対応しないけど、買って良いかもと思う理由5Gは今後も普及予定!ルーターやスマホで超高速通信が楽しめる時代は近い!
画像引用元:NTTドコモ 5G | 5Gでできること
5Gはまだまだ普及したばかりなので、対応ルーターもスマホも数は少なく、エリアも極めて限定的です。
しかし光回線並みの高速通信を工事無しで利用出来るメリットはとても大きいです。
5Gが個人にもビジネスユースにも大きなインパクトを与えることは間違いありません。
- 2020年6月時点の5G対応Wi-Fiルーターは、ドコモとKDDIの2種類
- どちらも次世代Wi-Fi規格Wi-Fi 6に対応・光回線並みの高速通信をモバイルルーター
- 5GWi-Fiルーターは工事不要で利用・光回線級の速度
- すぐ利用出来て、退去時にも回線や設備の撤去が不要というメリットあり
- 日本国内で5Gが一気に普及する鍵は5G対応iPhoneかも?