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人気iPhoneシリーズのiPhone 11シリーズの搭載チップである「A13 Bionic」は高性能評判ですが、「どこがどうすごいのか?」ピンと来ない方も少なくありません。
今回は高性能ですごいと言われているA13 Bionicについて分かりやすく説明し、Androidに搭載されているSnapdragon 855とも比較してみます。
A12 BionicとA13 Bionicの比較もしているので、SoCの観点からiPhone 11がどれくらいスペックが高いのかを見ていきましょう。
- A13 BioniはiPhone 11シリーズから搭載されたSocの名称
- A13 BionicをAndroidに例えるならSnapdragonやKirinシリーズ
- iPhone Xから搭載・Neural Engine(機械学習)を継続して搭載
- A12チップから更に進化、処理能力向上・消費電力の削減が大きなメリット
- 複数の写真撮影をして高画質な1枚にするiPhone 11の撮影機能「Deep Fusion」にも
- 他社チップと比較してAppleは高性能と発表しており、一部界隈ではパソコン並みのスペックとも
- 搭載されているのはiPhone 11シリーズのみ、iPhone SE2(仮)も有力候補
- 今後のApple製SoCは「AIによる機械学習」「消費電力の削減」が鍵
トップ画像引用元:iPhone 11 – Apple(日本)
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A13 Bionicとは何?
画像引用元:iPhone 11 Pro – Apple(日本)
様々なメディアで評判のA13 Bionicをざっくりとまとめると下記のようになります。
- A13 BionicとはiPhone 11から搭載されたSoC(System-on-a-Chip)の名称
- SoCなのでプロセッサCPUやCPU、キャッシュメモリも搭載
- 高性能CPUコア2つ+消費電力を抑えた処理を行う高効率コア4つを搭載
- Bionic(生体工学的)の名前が付いているように、iPhoneが機械学習する
- 前代モデルとの違いは「処理能力の向上」「消費電力の削減」「複数のレンズカメラの処理に活用」
要は「iPhone 11から搭載され、2020年3月の時点で最新かつスペックが高いSoC」と覚えて差し支えありません。
各種処理能力が向上している
A13 Bionicは前代A12 Bionicから下記4点で性能が向上したと発表されています。
- 高性能CPUコアの性能が20%高速化して消費電力が30%削減
- 高効率コアが20%高速化して、消費電力が40%削減
- Newral Engineの速度が20%高速化
- GPU担当のグラフィックス性能が20%向上
「前代のA12 Bionicより高速処理が可能になり、画像描写性能も向上した」という訳です。
複数のレンズカメラの処理にも利用されている
iPhone 11はダブルレンズカメラ、Pro/Pro Maxはトリプルレンズカメラを搭載していますが、A13 Bionicはこのカメラ性能を生かす為にも使われています。
画像処理・補正にも活用されており、例を挙げるとNeural Engineを搭載したDeep Fusion機能です。
- シャッターを押す前から作動して4枚の露光時間が短い写真を撮影
- 続けて標準露光時間4枚の写真を撮影
- シャッターを押して露光時間が長い1枚の写真を撮影して計9枚の写真を撮影
- その後Neural Engineが9枚の写真の中で、ピクセルごとに高精細・ノイズの少ない物を選ぶ
- 最終的に1枚の高画質な写真を作成する
複数枚の写真を組み合わせて1枚の高画質な写真を作成しています。
iPhone 11シリーズはカメラ性能が優れていると評判ですが、その秘訣はA13 Bionicに搭載されたNeural Engineにあったという訳です。
更にNeural Engineは機械学習も優れており、肌、服、背景等の特性を生かして最適化されていくのが従来の写真・動画補正との大きな違いです。
歴代iPhoneのチップ
歴代のiPhoneに搭載されているチップは、昔からAppleが設計したAシリーズが搭載されている点で一貫しています。
全てを紹介するのは困難なので、今回はNeural Engineを搭載したAシリーズ以降の歴代iPhoneのチップを紹介します。
項目 | モデル |
---|---|
A11 | iPhone 8 iPhone 8 Plus iPhone X |
A12 | iPhone XS iPhone XS Max iPhone XR |
A13 | iPhone 11 iPhone 11 Pro iPhone 11 Pro Max |
初めてNeural Engineを搭載したApple A11 Bionic
iPhone 11にも搭載されているNeural Engineを搭載したのがApple A11で、iPhone 8・iPhone 8 Plus・iPhone Xの3モデルに採用されました。
処理能力は毎秒最大6,000億回で、主にFace IDを使った顔認証システムやアニ文字でNeural Engineが使われています。
A11の前代A10から高効率コアが2つ増加したので、A10のiPhone 7シリーズからA11のiPhone 8に機種変更したら、すごくサクサク動作したという評判がありました。
iPhone XSシリーズに搭載されたApple A12 Bionic
2018年に発売されたiPhone XS・iPhone XS Max・iPhone XRに搭載されたのがA11の後継SoCのApple A12です。
A12の最大の特徴が、A11から進化した新世代Neural Engineの処理回数で、A11の毎秒6,000億回に対して、最大5兆回とA11に比べて大幅に増えています。
また、iPhone以外にもiPad Air(第3世代)やiPad mini(第5世代)に搭載されたのも、他のチップとの違いと言えるでしょう。
iPhone 11シリーズから搭載された最新モデルApple A13 Bionic
そして2019年に発売されたiPhone 11シリーズに搭載されたのが、今回紹介しているApple A13 Bionicです。
A12 Bionicの性能を底上げしつつ、iPhone 11シリーズから増えたカメラ性能を活躍する機能を搭載したのが従来のチップからの大きな違いと言えるでしょう。
Deep FusionはA13 BionicのNeural Engineのみ可能なので、A12以前のチップでDeep Fusionを使えないのも、A13 Bionicのメリットとも言えます。
A13 Bionicの搭載機種
画像引用元:iPhone – Apple(日本)
A13 Bionicが搭載されているApple製品は、2020年3月時点では下記3つだけです。
- iPhone 11
- iPhone 11 Pro
- iPhone 11 Pro Max
iPhone 11シリーズ以外には搭載されておらず、今後前代A12と同じくiPadシリーズに採用されるかも未定です。
Appleは毎年発売の最新iPhoneに最新チップを搭載するので、順当に行けば2020年発売のiPhoneはA14 Bionic(仮)になるでしょう。
iPhone SE2(仮)にも搭載されるかも?
唯一iPhone 11シリーズ以外にA13 Bionicが搭載されるのでは?と予想されているのが、2020年発売が噂されているiPhone SE2(仮)です。
iPhone SE2はiPhone 8のボディをベースにしつつ、A13 Bionicを搭載したハイブリットモデルと多くのiPhoneレビュアーやリークサイトで予想されています。
iPhone SE2自体が実際に販売されるかどうか確定ではありません。
もし発売されたらスペックはどうなるのでしょうか?iPhone 8のボディはシングルレンズなので特徴的なDeep Fusionが使えるのか気になるポイントです。
A13 Bionicの性能
画像引用元:iPhone 11 – Apple(日本)
A13 Bionicの気になる性能ですが、これも一言でまとめると「2020年3月発売のiPhoneシリーズの中で最も高性能なSoC」と言い切っても過言ではありません。
元々iPhoneシリーズは全スマホの中でも高スペック高価格のフラッグシップモデルでしたが、その根底を支えていたのが歴代AシリーズのSoCです。
そのAシリーズの中でも2020年3月時点で最高の性能を誇るA13 Bionicは最新モデルが出るまでは歴代最高の性能評価になります。
A13 Bionicは大きく分けて5種類の部品で構成されています。
- 85億個のトランジスタ
- 2つの高性能コア
- 4つの高効率コア
- Apple独自設計の4コアGPU
- 8コアのNeural Engine
8コアのNeural Engineも注目すべき点ですが、A12 Bionicから進化した高性能コア・高効率コア・4コアGPUも目を見張るものがあります。
CPUの処理速度は1秒間に1兆回に達する情報もあるので、一般的なAndroidは比べ物にならず、「パソコン並みのスペックを持っているのでは?」と噂される程です。
いずれにせよA13 Bionicのスペックは、全てのスマホの中でも群を抜いていると言い切っても過言ではないでしょう。
A13 Bionicと前代のApple A12 Bionicを比較
画像引用元:iPhone – Apple(日本)
Apple A13 Bionicと前代Apple A12 Bionic、果たして1年間でどれだけ差がついたのでしょうか。
比較してみましょう。
Apple発表のメリットは処理能力・消費電力の削減
AppleスペシャルイベントでA13 Bionicが発表された時、A12 Bionicとの主な進化点は以下でした。
- 高性能CPUコアの性能が20%高速化して消費電力が30%削減
- 高効率コアが20%高速化して、消費電力が40%削減
- Newral Engineの速度が20%高速化
- GPU担当のグラフィックス性能が20%向上
処理能力の向上と消費電力が削減したのが大きな進化点と発表していました。
発表当時、スクリーンでは自社A12 Bionicの他に、他社チップと比較した画像も背景に出した程でした。
キャッシュメモリは減少したが処理自体は高速化している
A13 BionicのL1キャッシュは48KB×2、L2キャッシュは4MBに対し、A12 BionicのL1キャッシュは128KB×2、L2キャッシュは8MBと減少しています。
キャッシュメモリは減少したものの、トランジスタ数が増えているので総合的に見ると処理能力の向上と消費電力削減になったようです。
ベンチマークテストAntutuで比較
ベンチマークテストアプリAntutuでスコア計測してみると、iPhoneの種類にもよりますが概ね以下の数値に落ち着くようです。
項目 | Antutu総合スコア |
---|---|
A12 Bionic | 43~46万点台 |
A13 Bionic | 50~55万点台 |
一応A12 Bionicのフォローもすると、Antutu総合スコア43~46万点台のスコアは決して低い訳ではありません。
むしろA12 Bionic搭載のiPhone XSシリーズは同価格帯のAndroidよりAntutu総合スコアが高いので、実質上位互換のA13 Bionicという相手が悪かったということです。
A13 Bionicと他社のチップを比較
画像引用元:Snapdragon 865 5G Mobile Platform | Qualcomm
A13 Bionicと前代A12 Bionicの性能を比較すると、上位互換のA13 Bionicの圧勝という結果になりました。
では他社、特にiPhoneのライバルであるAndroidと比較してみるとどんな結果になるのでしょうか。
気になるポイントです。
OSが異なるので単純な機能比較は出来ないので、A12 Bionicと同じAntutuでベンチマークテスト結果で比較してみましょう。
Snapdragon 855
Androidで最もメジャーなCPU「Snapdragonシリーズ」、その中でも最も主流・高性能なSnapdragon 855と、A12 Bionicのベンチマーク結果は下記の通りです。
項目 | Antutu総合スコア |
---|---|
Snapdragon 855 | 40~45万点台 |
A13 Bionic | 50~55万点台 |
ただSnapdragonの開発元であるクアルコムは、次世代通信規格5G対応のSoC「Snapdragon 865」を発表しています。
Snapdragon 855ではiPhoneの後塵を拝したものの、後継機の865ではどのような結果になるか注目です。
Kirin 990
HUAWEI製Androidに搭載されている独自SoCのKirin、その中でも最新モデル「Kirin 990」とA13 Bionicのベンチマーク結果は下記の通りです。
項目 | Antutu総合スコア |
---|---|
Kirin 990 | 37~40万点台 (パフォーマンスモードは除外) |
A13 Bionic | 50~55万点台 |
Kirin 990のベンチマーク結果もA13 Bionicの数値には及ばないので、現状ではiPhone 11シリーズに搭載されたA13 Bionicチップが最も高性能と言えるでしょう。
余談ですがKirinシリーズは一部のベンチマークソフトで底上げした数値を見せるパフォーマンスモードが搭載されていたことが判明し議論を呼んだことがあります。
そのパフォーマンスモードの数値は概ね45万点台と言われていますが、A13 Bionicは底上げされたKirin 990よりも数値が上回る結果です。
この点からもA13 Bionicのスペックの高さが伺えます。
項目 | Antutu総合スコア |
---|---|
A12 Bionic | 43~46万点台 |
A13 Bionic | 50~55万点台 |
Snapdragon 855 | 40~45万点台 |
Kirin 990 | 37~40万点台 (パフォーマンスモードは除外) |
iPhoneのチップの今後
iPhoneに搭載されているチップは、iPhoneの最新モデルが発売されると同時に最新のチップが搭載されるのが毎年恒例になっています。
では今後のiPhoneのチップはどのように方向性が向かうのでしょうか。
これまでのiPhoneのチップの方向性から推測してみます。
スペックの向上は一段落し、今後は省電力・Neural Engineの向上へ
iPhone Xより前に搭載されていたiPhoneのチップは「スペックを向上させてiPhoneのパフォーマンスを向上し、ユーザーが快適に操作する」という、至極単純な方向に重視していました。
しかし、2020年現在のiPhoneのチップで、重い3Dゲームも充分快適に操作できますし、ネットや動画視聴、通話などで動作が遅くなったりする事はほとんど起きません。
これ以上、スペックを大きく向上させてもユーザーが恩恵を実感しにくい面もあり、次世代A14 Bionic(仮称)は以下2つの方向性を重視するのではと予想されます。
- iPhoneをより効率的に動作させて省電力にする
- Neural Engineの機能向上・改良を行い、ユーザー1人1人に合った機能を提供する
今後は使い勝手の改善とiPhoneに機械学習させて、より快適に利用してもらう方面に向かうのではないでしょうか。
スマホの長年の弱点であった電池持ちの改善に期待がかかる
A13 Bionicチップは前代A12 Bionicチップと比較して、高性能コアの消費電力が30%・高効率コアの消費電力が40%削減できる点をセールスポイントにしています。
消費電力の改善は電池持ちの良さにも直結するので、全てのスマホユーザー待望の電池持ちの改善に期待できるでしょう。
iPhoneに限らずスマホの電池持ちの悪さは長年の課題で、別メーカーでは5,000mAhを超す大容量バッテリーを搭載して改善させる、力技のAndroidを出したこともあるほどでした。
一方のiPhoneはバッテリー性能とチップ性能の向上でハード面を底上げしつつ、ソフト面ではiOSアップデートで消費電力を抑える方向性で対応していくようです。
Neural Engineの改良でユーザー1人1人に最適な機能提供も期待できる
当初、Neural Engineは顔認証やアニ文字程度に用いられる程度でしたが、A13 BionicではDeep Fusionで高度な画像処理を担当しています。
今後AppleはNeural Engineの機能を強化していくと予想されるので、以下のような展開も期待できるかもしれません。
- SiriとNeural Engineの機能学習を紐づけてユーザー毎に最適なサービスを提供する機能の強化
- 画像補正機能を更に強化させて高画質な写真・動画を瞬時に撮影・補正する
- ユーザー毎の使用パターンをNeural Engineが学習して、時間帯ごとに電池使用量やメモリ使用量を調節しiPhoneに負荷をかけ過ぎない
Neural Engineは未知の可能性を秘めており、今後のチップでどのような機能が搭載されるのか?要注目ポイントです。
最新モデルのiPhoneは上位互換のチップを搭載するのが通例
2020年に発売される最新iPhoneチップですが、毎年1つずつ型番の数字が上がる点から「A14 Bionic」(仮称)と予想されます。
どのような機能が搭載されるのか?全く想像がつきませんが、過去の方向性から見ると以下4つは比較的硬い予想かと思われます。
- トランジスタ数がA13 Bionicの85億個から更に増加
- 高性能コア・高効率コアの機能が上昇し、A13 Bionicの処理性能と省電力性能を上回る
- Neural Engineの処理速度が向上&Neural Engineを用いた最新機能搭載
- GPUの性能が改善されグラフィックス性能がより高速化
もちろんここに挙げたのはあくまで予想ですが、リリースされれば全スマホの中でもトップクラスのSoCになるのは間違いないでしょう。
Appleは毎年最新iPhoneを9~10月のスペシャルイベントで発表しているので、続報には要注意です。
A13 Bionicは他と比較しても性能がいい
iPhone 11シリーズから搭載されたSoC「A13 Bionic」は他のSoCと比較しても処理速度などの面で優れていることが分かりました。
- A13 BioniはiPhone 11シリーズから搭載されたSocの名称
- A13 BionicをAndroidに例えるならSnapdragonやKirinシリーズ
- iPhone Xから搭載・Neural Engine(機械学習)を継続して搭載
- A12チップから更に進化、処理能力向上・消費電力の削減が大きなメリット
- 複数の写真撮影をして高画質な1枚にするiPhone 11の撮影機能「Deep Fusion」にも
- 他社チップと比較してAppleは高性能と発表しており、一部界隈ではパソコン並みのスペックとも
- 搭載されているのはiPhone 11シリーズのみ、iPhone SE2(仮)も有力候補
- 今後のApple製SoCは「AIによる機械学習」「消費電力の削減」が鍵
カメラ機能やバッテリー持ち向上の背景には、このA13 Bionicが関わっていると知っていた方は多くないのではないでしょうか。
少し専門的な話になりましたが、こういった知識を少しずつ貯めていくと、だんだんスマホの審美眼が磨かれていきます。
ぜひ無理のない範囲でこういった情報も手に入れて、自分にぴったりなスマホを選べるようになりましょう!