A16 Bionicチップの性能はどのくらい進化した?A15と比較してみた

この記事ではiPhone14 ProとiPhone14 Pro Maxに搭載されるA16 Bionicチップの性能はどれだけ進化したのかについて解説します。iPhone 14に搭載されるA15 Bionicや、AndroidのSnapdragon 8 Gen 1との比較もしているので、canvaぜひ参考にしてみてください。
  • 2022年9月17日
  • by.haru_11

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本記事では、iPhoneシリーズiPhone 14 ProとiPhone 14 Pro Maxに搭載される最新チップA16 Bionicについて解説します。

iPhone 14のA15 Bionicや、Androidスマホに搭載されているSnapdragon 8 Gen 1との比較も見ていくので、ぜひ参考にしてください。

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A16 Bionicとは

iPhone 14 Pro フレーム

画像引用元:Apple

A16 Bionicは、Appleが2022年9月8日に発表した最新のSoC(System-on-a-Chip)です。

SoCとは、CPUやGPUなどシステム動作に必要な部品をひとつのチップにまとめたもので、「CPU」と記載されることもあります。

SoCはスマホやタブレットにおける「心臓」や「脳」にあたる極めて重要なものです。

SoCの種類を見るだけでも、端末の大まかなスペックがわかります。

Appleは毎年最新のSoCを発表しており、A16 Bionicは2021年に発表されたA15 Bionicよりも性能アップしていることが期待されます。

A16 Bionic搭載の機種

以下の機種にA16 Bionicを搭載されています。

A16 Bionic搭載機種
  • iPhone 14 Pro
  • iPhone 14 Pro Max

2022年9月8日に発表されたiPhone 14シリーズのうち、A16 Bionicが搭載されたのはiPhone 14 ProとiPhone 14 Pro Maxのみです。

iPhone 14とiPhone 14 Plusには従来のA15 Bionicの強化版が採用されました。

A16 Bionicの性能

画像引用元:Macworld

Apple公式サイトでは、A16 Bionicを「プロのパフォーマンスを可能にする究極のスマートフォンチップ」と称しています。

アピールポイントとしては以下6つのことを掲げています。

A16 Bionicの性能
  • 約160億個のトランジスタ
  • 一段と速くなった6コアCPU
  • 毎秒約17兆回の演算処理
  • メモリ帯域幅が50%広い
  • 先進的なISP
  • 電力効率に優れた設計

約160億個のトランジスタ

トランジスタとは電気の流れをコントロールする機能のことで、トランジスタ数が多ければ多いほど処理速度が速くなります。

A14 Bionicのトランジスタ数は118億個、A15 Bionicは150億であるため、A16 Bionicは過去にAppleが開発したSoCのなかで最もトランジスタ数が多いです。

そのため業界トップレベルの処理速度と効率を実現しています。

一段と速くなった6コアCPU

スマホの頭脳にあたるCPUは、性能を表す数字として「クロック数」「コア数」「スレッド数」があります。

CPUの性能
  • クロック数:CPUが処理を行う際に発する信号の速さ。数値が高いほど同じ時間内に多くの処理ができる。
  • コア数:処理作業を行うCPUの中核。複数のコアがあると、同時並行で行える処理作業の数が増える。
  • スレッド数:パソコンから認識されているコア数。

レストランで例えると、クロック数はシェフの動きの速さ、コア数はシェフの人数、スレッド数はシェフ1人あたりのコンロの数になります。

「4コア8スレッド」と表記されるSoCは、4人のシェフが各々2つのコンロで料理しているようなイメージです。

A16 Bionicは「6コア6スレッド」のCPUであり、負荷の高い作業もスムーズに効率良く処理できるようになりました。

毎秒約17兆回の演算処理

A16 BionicではNeural Engineが毎秒約17兆回の演算処理を実行しています。

Neural EngineはAppleが開発した技術で、機械学習関連の処理に特化したSoCの一部です。

2017年発売のiPhoneXに搭載されたA11 BionicからNeural Engineが登場しました。

A11 Bionicでは顔認識のFace IDやミー文字、ポートレートモードなどが可能になりました。

A16 Bionicは毎秒約17兆回の演算処理により、写真をピクセル単位で分析して最適化されています。

メモリ帯域幅が50%広い

メモリ帯域幅は、1秒間にどれだけのデータを転送できるかを表す数値です。

A16 Bionicでは、これまでより50%広いメモリ帯域幅を持つ5コアのGPUを搭載しているため、負荷のかかる複雑なグラフィックゲームでもなめらかに表示してくれるようになりました。

ちなみにGPUとは、小型で特殊なコアを搭載したプロセッサーです。

CPUが汎用的な処理を行なうのに対し、GPUはデータを大量かつ速く処理する仕組みを持っています。

Graphics Processing Unitの略称である通り、画像を描写するために必要な計算を処理するものです。

そのためGPUの性能が良いほど画像処理の性能が上がり、ゲームなどの高負荷なアプリも問題なく楽しめるようになります。


先進的なISP

ISPとはImage Signal Processorの略で、カメラの性能を決める画像処理プロセッサーです。

iPhone 14 ProとiPhone 14 Pro Maxのカメラには、iPhoneでは初となるクアッドピクセルセンサーが搭載されており、このセンサーを動かす仕組みがA16 Bionicに含まれています。

撮影シーンに応じて4画素を1つのクアッドピクセルにまとめて、4倍の光を取り込めるとため、より自由に写真を表現できるようになりました。

Phone 13 Proのセンサーより65%大きく、センサーシフト式手ブレ補正も性能がアップしています。

電力効率に優れた設計

A16 Bionicは、消費電力が20%削減された効率の良い電力設計となっています。

そのため高速の処理をより長時間実行できるようになりました。

A16 Bionicのベンチマークスコア

iphone14proベンチマーク

画像引用元:Geekbench

ここからはA16 Bionicのベンチマークスコアに注目してみましょう。

ベンチマークとは、複雑な処理を実行させて速度を測る性能テストのことです。

Apple情報専門のニュースサイト「9to5Mac」は、iPhone 14 Proのベンチマーク結果がGeekbenchで公開されたと伝えています。

その結果によると、A16 Bionicチップを搭載したiPhone 14 ProとiPhone 14 Pro Maxのスコアは以下の通りです。

項目iPhone 14 Pro iPhone 14 Pro Max
シングルコア18871879
マルチコア54554664

A16 BionicとA15 Bionicの違いを比較

A15 Bionic

画像引用元:Macworld

ここではA16 BionicとA15 Bionicの違いを比較していきます。

A15 Bionicは2021年に開発されたAppleのSoCで、iPhone 13 ProやiPhone 13 Pro Max、iPhone 14、iPhone 14 Plusに搭載されています。

項目A16
(iPhone 14 Pro)
A15
(iPhone 13 Pro Max)
シングルコア18871707
マルチコア54554674

比べてみると、シングルスコアは約10%の向上、マルチスコアは約17%の向上となりました。

また、GPU Metalのスコアは、A16 Bionicが「15400」、A15 Bionicが「14203」であり、Apple A15(5コアGPU)との比較では8%の性能向上がわかります。

Apple A15(4コアGP)との比較では36%の向上となっています。

Snapdragon 8 Gen 1とも比較

Snapdragon 8 Gen 1

画像引用元:motorola

Snapdragon 8 Gen 1はAndroidスマホのハイエンドモデルに搭載されているSoCです。

主に2022年発売モデルから採用されるようになりました。

Snapdragon 8 Gen 1搭載スマホの例
  • Xperia 1 IV (SONY)
  • Xperia 5 IV (SONY)
  • Galaxy S22 (Samsung)
  • AQUOS R7 (SHARP)

スマホやパソコンの性能を比較しているNANOREVIEW.NETによると、「A16 Bionic」と「Snapdragon 8 Gen 1」の違いは以下の通りです。

項目A16 BionicSnapdragon 8 Gen 1
CPUパフォーマンス9991
GPUパフォーマンス9798
バッテリー消費効率10089
GeekBench
シングルコア
18611209
GeekBench
マルチコア
52343762
総合スコア9894

CPUパフォーマンスとバッテリー消費効率はA16 Bionicのほうが高成績です。

GeekBenchのスコアも、シングル/マルチともにA16 Bionicが上回っています。

総合的にA16 Bionicのほうが優秀であるという結果になりました。

A16 Bionicは高性能のSoC

以上、iPhone 14 Pro/Maxに搭載される最新チップA16 Bionicについてでした。

A16 Bionicまとめ
  • 業界トップレベルの処理速度と効率を実現
  • 負荷の高い作業もスムーズに処理
  • A15 Bionicより優れたベンチスコア
  • Snapdragon 8 Gen 1より高性能

世間の評価のなかには「A16 BionicとA15 Bionicは大差ない」と指摘する声も見られます。

しかし、本記事の調査では、A16 BionicはA15 BionicやSnapdragon 8 Gen 1よりも高性能なチップであるという結果が見られました。

「A15 Bionicのほうがいい」ということはなさそうなので、安心してiPhone 14 ProやiPhone 14 Pro Maxを手にしてください。

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この記事を書いた人
ライター歴3年のフリーランス。格安SIM・Wi-Fi・スマホ・アプリなどの記事を執筆。au歴18年からmineoに乗り換えて1年。スマホはXperia。パソコンはWindows派(FUJITSU・ASUS・DELL)。東京都出身の元システムエンジニア(応用情報技術者は取得済み)。