ドコモのLTE-Mとは?IoTサービス向け通信方式で省電力を実現

この記事では、ドコモのLTE-MサービスとIoTプランについて解説していきます。LTE-Mは、省電力でより広域をカバーできる通信方式で、IoTサービス向け通信方式です。ドコモのLTE-Mの料金プランや、ドコモのLTE-Mを活かす取り組みについてご紹介します。
  • 更新日:2023年11月21日
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NTTドコモが2018年10月1日、あらたなサービスとして「LTE-M」をスタートさせました。

LTE-Mは、従来と比較して省電力でより広域をカバーすることのできる通信方式です。

ただスマホへ向けてのサービスではなく、IoTサービス向け通信方式となっています。

「IoT」は近年になってよく聞かれるようになってきた言葉です。しかし、今後はさらなる需要の拡大が見込まれている分野でもあります。

この記事ではLTE-Mのサービスについて、またLTE-Mをよりよく知るために必要なIoTについても掘り下げてご説明します。

ドコモユーザー、そしてこれから機種変更を検討している人もぜひ参考にしてください。

Wi-FiとLTEの違い

Wi-Fiはパソコンのほか家庭用ゲーム機やスマホなどといったいろいろなデバイスを無線で接続することのできる通信規格です。

無線LAN経由でインターネットを利用しているような場合は、Wi-Fiによって機器が接続されています。

LTEは携帯電話、スマホなどに対応している無線通信規格です。

対応するデバイスはスマホ、タブレットなどといったモバイルデバイスのみで、LTEの電波を発信する基地局はNTTドコモを含む移動体通信事業者が設置しています。

トップ画像引用元:ドコモのIoT利用シーン

この記事を書いた人
スマホ(iPhone・Android)やドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイルなど通信キャリア情報を扱うメディア「bitWave」の編集部。携帯キャリアの料金プランや割引キャンペーン情報をはじめ、最新スマホの評価レビューから使い方までスマホ・通信にまつわる記事を幅広く制作。

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1 NTTドコモのLTE-MサービスとIoTプラン

画像引用元:NTTドコモ

ドコモによるLTE-Mサービスの提供開始は、大きな注目を集めました。ただこれが日本初というわけではなく、各社において同様の動きは見られてきています。

大手では、2018年1月にKDDIが最初にLTE-M回線でLPWAの提供をスタートさせました。

続いて2018年4月、ソフトバンクがLTE-MとNB-IoTの提供を開始。NB-IoTに関しては、ソフトバンクが最初に商用サービスをスタートさせました。

さらに2018年9月には、KDDIの関連子会社であるソラコムが、LTE-Mを利用するプランの提供をアナウンスしています。

MVNOのソラコムは、もともとドコモの回線を使っていました。そのため、同社ではKDDIとドコモ回線の両方を利用していたのですが、新プランではKDDIのLTE-M回線が提供されています。

1-1 ドコモのLTE-Mサービスは提供範囲を拡大中!

NTTドコモでは、東京都と大阪府、千葉県の一部を対象としてLTE-Mサービスの提供を開始しました。

もちろんエリアは拡大されつつあり、2019年3月にはLTEの通信網と変わりないものになる見込みです。

LTE-Mサービスはこんな人に向いている!

LTE-Mサービスの提供は、広域にわたって通信する必要があるユーザーにとって、大きなメリットとなることでしょう。

一例として、遠隔地から諸々の機器で定期的にデータの測定をしなければならない、離れて生活する家族の位置情報を確認する必要があるといった具合です。

また、普段からあまり通信を利用していない(=通信量が少ない)ユーザーにとっても、料金面でのメリットが望めます。

1-2 ドコモのLTE-M 料金プランは2種類

アップルウォッチ

画像引用元:iPhone | ドコモオンラインショップ | NTTドコモ

当然ながら、ドコモのLTE-Mは無料では利用できません。毎月、利用料金が発生します。しかし、IoTの実現には、スマホとは比べ物にならないほど大容量の通信が必要です。

そのためNTTドコモでは、通信量が抑えられた「IoTプラン」と、高速通信が必要なユーザーへ向けた「IoTプランHS」という2のプランを用意しています。

ドコモの「IoTプラン」

画像引用元:IoTプラン・IoTプランHSR | 料金・割引 | 法人のお客さま | NTTドコモ

「IoTプラン」はごく一般的な利用に適しているプランです。送受信のスピードは、最大で128kbpsとなっています。

項目仕様
月額基本使用料2年定期契約あり:400円/2年定期契約なし:800円
無料通信分922円(30MB)
通信料金0.03円/KB
上限額2年定期契約あり:1,200円/2年定期契約なし:1,600円
通信速度送受信最大128kbps

2年契約で、利用料金は通信量が30MBに達するまでは毎月400円。

超過分については1KBにつき0.03円ずつの加算です。

加算の上限は56MBで1,200円。それ以上の超過によるプラスはありません。

2年契約でない場合は、基本料金も上限の料金も400円ずつ上積みされます。

2022年12月14日追記:通信量の誤字を修正しました。

ドコモの「IoTプランHS」

画像引用元:IoTプラン・IoTプランHSR | 料金・割引 | 法人のお客さま | NTTドコモ

「IoTプランHS」は、LTEで高速通信をしたいユーザーに適しているプランです。大容量のデータ通信を行うことが想定されています。

項目仕様
月額基本使用料2年定期契約あり:600円/2年定期契約なし:1,000円
無料通信分4,608円(150MB)
通信料金0.03円/KB
上限額2年定期契約あり:2,900円/2年定期契約なし:3,300円
通信速度LTE高速通信(3GB超で送受信最大128kbps)

2年契約で、通信量が150MBに達するまでは毎月600円。

超過分については、1KBにつき0.03円ずつの加算です。

加算の上限は225MBで2,900円。それ以上の超過によるプラスはありません。

ただし、通信量が3GBを超過すると、通信速度が128kbpsにまで低速化されます。2年契約でなければ、基本料金も上限の料金も400円ずつ上積みされます。

次の章では、IoTサービス向け通信方式「LTE-M」の特徴について解説します。

2 IoTサービス向け通信方式「LTE-M」が未来の生活を変える?

LTE-Mは「IoT」を実現させるための通信方式で、従来よりも少ない電力で、より広いエリアで利用することが可能です。

2-1 新しい通信方式LTE-Mとは

画像引用元:報道発表資料 : (お知らせ)IoTサービス向け通信方式「LTE-M」を提供開始 | お知らせ | NTTドコモ

LTE-Mは、「LTE」の一部周波数帯域を利用している通信方式です。LTEは通信方式のひとつなのですが、一般に通信方式としてよく知られているものは「Wi-Fi」ではないでしょうか。

まずは、このWi-FiとLTEの違いについて整理してみましょう。

Wi-Fi

Wi-Fiはパソコンのほか家庭用ゲーム機やスマホ、タブレットなどといったさまざまなデバイスを、無線で接続することのできる通信規格です。

無線LAN経由でインターネットを利用しているような場合は、Wi-Fiによって機器が接続されています。

LTE

LTEは携帯電話、スマホなどに対応している無線通信規格です。

対応するデバイスはスマホ、タブレットなどといったモバイルデバイスのみ。LTEの電波を発信する基地局は、NTTドコモを含む移動体通信事業者が設置しています。

LTE-M・LTE・Wi-Fiの違い
  • LTE-M:LTEの一部周波数帯域を利用している通信方式
  • LTE:ケータイやスマホなどに対応している無線通信規格
  • Wi-Fi:さまざまなデバイスを無線接続できる通信規格

2-2 LTE-MがIoTサービスの可能性を広げる

LTE-Mは、IoTで活用するための通信方式です。正式名称は「Internet of Things」で、日本語に訳すと「物のインターネット」という意味になります。

IoTによって「物」、たとえばテレビや冷蔵庫などといった電化製品をインターネットに接続することが可能です。例えば外出中にスマホから電化製品を操作するといったことができます。

loTによって広がる「可能性」

もちろんloTのメリットを享受できるのは、一般家庭だけではありません。

一例として、電力メーターをインターネットに接続することにより、電気事業者は各契約者の電力使用量をインターネット経由で管理することが可能となります。

これまではもっぱら担当者が各契約者の元へ訪問して検針していたわけですが、その必要がなくなるので、労力やコストの大幅な削減につながるでしょう。

また、医療機器がインターネットにつながれば、患者の在宅管理ができるようになります。

患者が自宅で医療機器を使用し、その際に取得した情報を医療機関側がリアルタイムで把握できれば、医者と患者が異なる場所にいても、情報をシェアすることが可能です。

そのほか、自動車がインターネットに接続できれば、道路や天気などに関する情報をリアルタイムで入手可能に。

さらに、自動車同士での情報交換も実現します。

2-3 IoTサービスとLTE-Mは相性バッチリ!

LTE-Mは無線技術の一種であり「LPWA」、正式には「Low Power Wide Area」にカテゴライズされます。

このLPWAは、省電力で広域における通信を可能とする無線技術で、IoTサービスと好相性です。その理由はまさに広域対応、省電力というポイントにあります。

理想のloT実現にはLPWAの特長が不可欠

IoTで機器をインターネット接続する際は、さまざまなケースを想定しなければなりません。

例えば、自動車はあらゆる場所を移動するものですよね。ですから、どこを走行していてもインターネットに接続できる必要があります。

そのためには、計器や観測所の設置が不可欠です。とはいえ、想定通りの機能を実現するのであれば、都会から過疎地域までを徹底的に網羅しなければなりません。

また、通信網が広域に対応している必要もあります。さらに設備の立地によっては、電源の確保が難しかったり、バッテリーが必要だったりもするでしょう。その消費状況によっては頻繁な交換も不可欠となります。

そこで、LTE-Mを含むLPWAは、通信速度を意図的に抑制することで省電力・広域通信を実現しました。

loTとLTE-Mの関係、LPWAとは
  • IoT:「物のインターネット」。電化製品をインターネットに接続することができる技術
  • LTE-M:IoTで活用できる通信方式
  • LPWA:広域対応&省電力という特長を持つ無線技術。LTE-MもLPWAの一種

3 LTE-Mサービスの低料金と省電力を実現させるために

ドコモのLTE-Mの料金プランを高いと見るか安いと見るかは、個人の価値観によって異なるでしょう。しかし、ドコモではできる限り低価格でサービスを提供できるよう、さまざまな工夫を行っています。

ドコモが行ったコストカット

画像引用元:報道発表資料 : (お知らせ)IoTサービス向け通信方式「LTE-M」を提供開始 | お知らせ | NTTドコモ

広いエリアへ通信を提供しようとすればするほど、当然ながら多くの設備が必要となりコストもかかってきます。

そのため、LTE-Mサービスが提供されるにあたり、料金面におけるユーザーの負担が大きくならないよう対策が講じられました。

ドコモではLTE-Mの通信帯域の幅を1.4MHzに制限しているのですが、その理由はここにあります。結果として、通信機器にかかるコストは圧縮されました。

eDRXで電力効率をアップ

また、省電力を実現する通信技術として、2017年、NTTドコモは日本で最初に「eDRX(extended Discontinuous Reception)」の提供をスタート。

これは法人用に用いられるIoT通信機器の消費電力を少なくするための技術です。

IoTの機器は必ずしも常時インターネット接続が必要というわけではありません。例えば電気やガスの検針は、1ヶ月のうち最低でも1度だけ通信ができれば問題ありませんよね。

そういったことから、eDRXでは通信の間隔を最長でおよそ44分に設定できるようになっています。

通信の量が減れば、必要な電力も節約が可能です。また、44分ごとの通信であれば、常時接続に比べ消費電力を約5分の1にまで低減することができます。

次の章では、ドコモのLTE-Mを活かすさまざまな取り組みについて解説します。

4 ドコモのLTE-Mを活かす取り組み

画像引用元:iPhone | ドコモオンラインショップ | NTTドコモ

ドコモのLTE-Mも契約したからといって、すぐに自宅でloTを活用できるわけではありません。

携帯電話会社と契約した場合、その会社が提供している回線を使うことのできるデバイス、つまり同じ会社のスマホなどが必要不可欠です。

これは、ドコモのIoTプランやIoTプランHSでも同じことが言えます。ドコモのLTE-Mに対応したモジュールを持つデバイスがなければ意味がないので注意してください。

4-1 通信モジュール「IoTユニット」

画像引用元:LPWA 「IoTユニット」の開発について | ニュースリリース | 京セラ株式会社

京セラではLTE-Mを活かすべく、「IoTユニット」を製造販売しています。

このユニットは温度をはじめ湿度や気圧、照度、さらには加速度や角速度、地磁気、そして位置データまで観測可能なセンサーを搭載。観測されたデータは、LTE-Mを通じて送受信されます。

家族の位置情報の追跡に役立つほか、機器の盗難防止、輸送物の温度管理など、幅広い活用が可能です。

項目詳細
サイズ70×37×11mm
重量39g
電源内蔵型バッテリー(USB充電)
アンテナ内蔵型アンテナ
外部接続UART
動作環境温度-10℃~60℃
位置情報GPS、GLONASS
通信方式LTE Cat.M1(LTE-M)

4-2 ドコモとFujisawaサスティナブル・スマートタウンの街づくり

神奈川県藤沢市では、「先端技術によって電力を街全体で有効に活用しよう」というプロジェクトの一環で、「Fujisawaサスティナブル・スマートタウン」を推進しています。

ドコモもこの取り組みに参加しており、IoTを活用したさまざまな検証を実施。2018年4月1日からは、LTE-Mを利用した宅配ボックス向けサービスがスタートしました。

規定の通信ユニットを宅配ボックスに設置してアプリと連携することで、宅配ボックスから業者へ集荷依頼を出すことができるサービスです。操作方法は、荷物を宅配ボックスに入れて、通信ユニットのボタンを押すだけ。

荷物の取り出しなど、宅配ボックスの内部に何らかの変化があった時にも、その旨が業者や利用者に通知されます。

このサービスは「第1弾」に過ぎません。今後もIoT社会を念頭に、地域で隠れている課題や要望が見つかり次第、新たな技術やサービスが生まれていくことでしょう。

5 ドコモのLTE-Mをもっと身近に

ドコモからLTE-Mのプランが登場したことで、LTE-Mへの注目度が高まりつつあります。

ドコモのLTE-Mの特徴
  • LPWA規格のひとつであるLTE-Mは、省電力かつ広域のカバーが可能
  • LTE-MはIoT、「物のインターネット」を実現させる通信手段
  • ドコモの「IoTプラン」は、LTE-Mを使った一般的な通信契約
  • ドコモの「IoTプランHS」は、LTE-Mを使って大容量の通信を行うことが可能な契約

今日では、外出先からスマホで電話をかけるのはごく当たり前のことですよね。しかし、四半世紀前にはなかなか考えにくいことでした。

今から四半世紀後の未来には、LTE-Mのような通信方式を使って、遠い場所の物事を管理することが当たり前になっているのかもしれません。

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