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2017年7月にauとソフトバンクより発売が開始された「HTC U11」は、新しい操作方法である「エッジ・センス」を搭載して注目を集めています。
また、角度によって色合いが変わる「スペクトル・ハイブリッドカラー技術」を採用したボディ背面の「リキッド・サーフェイスガラス」などユーザーを飽きさせない工夫が施されています。
完成度が高いと評判だった旧モデル「HTC U10」に続き、「HTC U11」はスペックや新機能がどうなったのか。
さらに発売当初は世界最高水準をうたっていたカメラ性能においてユーザーを満足させているかどうかを同時期に登場した他社製ハイエンドモデルと比較しながら評価します。
トップ画像引用元:HTC公式サイト「HTC U11」
1 HTC U11のスペック
画像引用元:HTC U11 | HTC 日本
2017年夏モデルとして同時期に発売が開始されたソニー「Xperia XZ Premium」とサムスン電子「Galaxy S8+」とスペックの比較をします。
モデル | HTC U11 | Xperia XZ Premium | Galaxy S8+ |
---|---|---|---|
サイズ | 154×76×8.3mm(最厚部9.7mm) | 156×77×7.9mm | 160×73×8.1mm |
重さ | 170g | 191g | 173g |
バッテリー | 3,000mAh | 3,230mAh | 3,500mAh |
急速充電 | 対応 | 対応 | 対応 |
ワイヤレス充電 | 非対応 | 非対応 | 対応 |
接続端子 | USB Type-C | USB Type-C | USB Type-C |
OS | Android 7.1 | Android 7.1 | Android 7.0 |
CPU | Snapdragon 835 MSM8998(オクタコア) 2.45GHz +1.9GHz | Snapdragon 835 MSM8998(オクタコア) 2.45GHz +1.9GHz | Snapdragon 835 MSM8998(オクタコア) 2.35GHz +1.9GHz |
RAM | 4GB | 4GB | 4GB |
ROM | 64GB | 64GB | 64GB |
外部メモリーカード | microSDXC(最大256GB) | microSDXC(最大256GB) | microSDXC(最大256GB) |
通信速度 | <ソフトバンク> 受信時最大速度: 350Mbps 送信時最大速度: 37.5Mbps <au> 受信時最大速度: 558Mbps 送信時最大速度: 75Mbps | <ドコモ> 受信時最大速度: 788Mbps 送信時最大速度: 50Mbps | <ドコモ> 受信時最大速度: 788Mbps 送信時最大速度: 50Mbps |
ディスプレイ | 約5.5インチ | 約5.5インチ | 約6.2インチ |
解像度 | WQHD(2,560×1,440) | 4K(3,840×2,160) | QHD+Super AMOLED(2,960×1,440) |
メインカメラ | 約1,200万画素 F値:1.7 | 約1,920万画素 F値:2.0 | 約1,220万画素 F値:1.7 |
フロントカメラ | 約1,600万画素 F値:2.0 | 約1,320万画素 F値:2.0 | 約800万画素 F値:1.7 |
手ブレ補正 | 有り | 有り | 有り |
動画最大撮影サイズ | 4K(3,840×2,160) | 4K(3,840×2,160) | 4K(3,840×2,160) |
フルセグ | 非対応 | 対応 | 対応 |
ワンセグ | 非対応 | 対応 | 対応 |
防水・防塵 | IPX7・IP6X | IPX5/8・IP6X | IPX5/8・IP6X |
Wi-Fi規格 | IEEE802.11 a/b/g/n/ac | IEEE802.11 a/b/g/n/ac | IEEE802.11 a/b/g/n/ac |
テザリング | <ソフトバンク> 最大接続10台 <au> 最大接続8台 | 最大接続10台 | 最大接続10台 |
Bluetooth | 4.2 | 5.0 | 5.0 |
おサイフケータイ | 対応 | 対応 | 非対応 |
生体認証 | 指紋 | 顔・指紋 | 顔・虹彩・指紋 |
赤外線通信 | 非対応 | 非対応 | 非対応 |
ハイレゾ | 対応 | 対応 | 対応 |
次の章では、比較をしながら「HTC U11」の詳細を紹介します。
1-1 HTC U11の外観デザイン
画像引用元:HTC U11 | HTC 日本
最も特徴的ともいえる外観のデザインは背面の「リキッド・サーフェイス」ガラスです。
屈折率の高い希少な素材を幾重にも重ねた「光学スペクトル・ハイブリッドカラー技術」により、見る角度によって色合いが変わる美しい仕上がりとなっています。
縁がラウンドし、側面から背面にかけて緩やかにカーブしたデザインは手に馴染みやすく、握りやすいデザインといえます。
これは、「エッジ・センス」の使用感を際立たすための仕様となっています。
「HTC U11」では指紋認証センサーが前面下部に配置されています。
「Xperia XZ Premium」は側面の電源ボタンと機能を兼ね、「Galaxy S8+」では背面上部のカメラの横に配置されているなど三者三様となっています。
指紋認証センサーの位置については、ユーザーによって好みが別れるところです。
前面に配置されているメリットは、テーブルなどに置いたままの状態でロック解除ができるところです。
ただし、「HTC U11」の生体認証が指紋だけで、他2機種は顔認証も可能となって、さらに「Galaxy S8+」は虹彩認証も搭載されています。
1-2 HTC U11のバッテリー・充電
「HTC U11」の惜しい点はバッテリー容量です。
「Galaxy S8+」のように3,500mAh程度あると1日の使用で残量を心配する必要もありません。
しかし、「HTC U11」の3,000mAhでは使い方次第では自宅に帰るまでバッテリーがもたないといった懸念も出てきます。
もちろん、急速充電に対応しているので急速充電に対応した充電器を持ち歩けば、わずかな時間で十分なチャージは可能です。
比較した3機種の中ではワイヤレス充電に対応しているのは「Galaxy S8+」のみです。
接続端子への負担がないワイヤレス充電は今後主流となることが期待されている機能となっています。
「HTC U11」では接続端子を「USB Type-C」のみに限定し、イヤホン端子を排除していますので、継続的な使用による接続端子への負担が気になります。
また、「Xperia XZ Premium」「Galaxy S8+」ではイヤホン接続端子が別に搭載されています。
ちなみに後継モデルの「HTC U12 Plus」でもワイヤレス充電には対応しておりません。
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1-3 HTC U11のCPU・メモリ・通信速度
今回比較した3機種に搭載されているプロセッサは共通して「Snapdragon 835」となっており、どの機種においてもストレスのない使用感を実感できます。
RAM4GBを搭載し、メモリに負担の大きい3Dゲームも快適なプレイが可能となっています。
内蔵メモリも64GBと大容量で外部メモリーカードと合わせれば静止画や動画保存において十分な容量が確保されています。
通信速度はドコモによる高速通信サービスに対応している「Xperia XZ Premium」「Galaxy S8+」が優位となっています。
しかし、「HTC U11」もauとソフトバンクが提供している高速通信サービスに対応し、ストレスのないインターネット利用が可能です。
また、テレビの視聴が可能なフルセグ及びワンセグに対応していないのは残念です。
Bluetoothはバージョン4.2が搭載されており、現在最も汎用性が高いため、他2機種に搭載されている5.0よりも使い勝手の良さでは高いといえます。
1-4 HTC U11のディスプレイ
画像引用元:HTC U11 | HTC 日本
「HTC U11」のディスプレイサイズは今回取り上げた「Xperia XZ Premium」と同じで、5.5インチです。
2機種とも太い枠が上下にあり、表示領域をより拡大させるための狭額縁化(ベゼルレス)は図られていません。
しかし、ベゼルレスよりもベゼル(枠)があった方が手で持った時に指を置くスペースがあるなど、スマホを横にして動画を見る際には都合が良いといった意見が多いのも事実です。
1-4-1 解像度の比較
解像度では、「Xperia XZ Premium」は4Kパネルを搭載し、HDRコンテンツに対応することで他社製スマホに大きく差をつけています。
しかし、常時4K表示ではバッテリー消費が大きすぎるために、通常はフルHD表示となっています。
「Galaxy S8+」は4Kパネルではないものの、クアッドHD(QHD)を搭載し、フルHDよりも高解像度のパネルを搭載し、HDRコンテンツに対応しています。
パネルは有機ELディスプレイで他2機種が採用している液晶ディスプレイに比べ省エネ性能が高いのが特徴です。
他の2機種に搭載されたディスプレイに比べ、「HTC U11」のディスプレイはワイドクアッドHD(WQHD)パネルにより、多くのスマホで採用されているフルHDパネルに比べ格段に解像度が高いです。
しかし、HDRコンテンツには対応しておらず、ハイエンドモデルのディスプレイとしてはやや平凡な印象となっています。
1-5 HTC U11のサウンド・マイク性能
「HTC U11」は「HTC Uソニック・ハイレゾ」を採用し、専用のイヤホンが同梱されています。
「HTC Uソニック・ハイレゾ」とは、人によって異なる耳の構造を音の反響によって解析し、最適な音量と音域でサウンドを提供してくれる技術です。
他2機種でもハイレゾに対応し、高音質で音楽を楽しむことができます。
「Xperia XZ Premium」では「DSEE HX」の技術により、高圧縮された音源をハイレゾ相当の高解像度音源にアップスケーリングできる機能を備えています。
しかし、高音質な音が出力されることよりも、ユーザーの状況に最適な音を自動的に調整し出力してくれる機能の方が使い勝手が良いとの意見もあります。
1-5-1 アクティブ・ノイズキャンセレーション
画像引用元:HTC U11 | HTC 日本
「HTC U11」にはノイズキャンセレーション機能も搭載されており、周囲の状況に合わせて音を調整し、ノイズを排除するなど最適な音場を作り出すのに一役かっています。
1-5-2 本体スピーカー「BoomSound」
画像引用元:HTC U11 | HTC 日本
「Galaxy S8+」はモノラルスピーカーですが、「Xperia XZ Premium」と「HTC U11」はフロントの上下にスピーカーが搭載され、ステレオ仕様となっているので、臨場感の高い音を楽しめます。
さらに「HTC U11」では独自のスピーカー仕様である「BoomSound」を「HTC 10」に続いて搭載し、高い音質とクリアなサウンドにこだわった仕様となっています。
2 HTC U11のカメラ機能は発売当時は世界最高と評されていた
画像引用元:HTC U11 | HTC 日本
「HTC U11」のカメラはセルフィー向けとなっていて、メインカメラの画素数が1,200万画素に対してフロントカメラは1,600万画素となっています。
他2機種と比べてもフロントカメラの画素数が高く設計されているのが分かります。
動画撮影では、3機種とも現行のハイエンドモデルとしての必須条件ともいえる4K動画の撮影に対応しています。
また、スマホ業界では有名なカメラ評価機関である「DxOMark」の評価では「HTC U11」のカメラ性能は歴代過去最高得点の90点を獲得しました。
そして、2017年の発売当初では世界一のカメラを搭載したスマホとして注目されました。
2-1 HTC U11はF値1.7の明るいレンズを搭載
1,200万画素のメインカメラはF値1.7で、暗い場所でも明るい写真を撮ることができます。
さらにフルセンサーオートフォーカス技術を採用し、一眼レフに匹敵するほどの速度で対象物にフォーカスを合わせることが可能となっています。
2-2 HTC U11の手ぶれ補正機能
「多軸制御光学手ぶれ補正」を搭載し、夜間での撮影など、手ぶれが予想される撮影環境でも安定した撮影ができるように設計されています。
2-3 HTC U11の360度全方位マイク/音声フォーカス技術
「HTC U11」では端末に設置されている4つの360度全方位マイクにより、臨場感のある音声録音が可能です。
さらに「音声フォーカス」技術により、動画撮影時に対象物(対象者)にズームインすると周りの音を抑え、対象物から出される音を増幅し記録することも可能です。
2-4 HTC U11はHDR撮影に高速対応
画面内の暗い部分と明るい部分の調整をカメラで行い、バランスの取れた写真を撮影することを可能とするのがHDR機能です。
HTC U11 の「オートHDRブースト」機能では瞬時に影部分、ハイライト部分の調整を行い、理想的な写真をシャッターラグ無く撮影することが可能になっています。
2-5 HTC U11のハイスペックなフロントカメラ
セルフィー撮影を頻繁に楽しむユーザーにとっても「HTC U11」はおすすめの機種といえます。
1,600万画素という高解像度に加え、メインカメラ同様「HDRブースト」とノイズ除去機能を搭載し理想的な写真、動画共に撮ることができます。
3 HTC U11の特徴的機能のエッジ・センス
画像引用元:au動画ガイド
「HTC U11」の最も特徴的な機能は「エッジ・センス」です。
「押す」「フリック」「シェイク」といったスマホを操作するアクションに新たに「握る」を加えました。
シャッターチャンスの場面に遭遇した場合には、通常のスマホでは
- ポケットから取り出す
- ロック解除する
- カメラアプリを立ち上げる
- シャッターを押す
という手順でしたが、「HTC U11」では、
- 握った状態でポケットから取り出す
- もう一度握る
というこれだけの動作で写真を取ることが可能となっています。
他にも設定次第で「お気に入りのアプリを立ち上げる」「メッセージを送る」といった機能を「握る」だけで行うことが可能です。
さらに「短く握る」と「長く握る」の2パターンの動作が感知可能となっていて、複数の機能を振り分けることも可能です。
4 HTC U11の価格
スペックを比較した2機種も合わせて各キャリアでの販売価格をまとめました。
HTC U11 | Xperia XZ Premium | Galaxy S8+ | |
---|---|---|---|
ドコモ | 取り扱いなし | 【機種変更】 機種代金総額: 93,960円 割引後の実質負担額: 39,528円(1,647円×24回) 【新規・MNP】 一括払い: 15,552円 分割払い: 648円×24回 | 【機種変更】 機種代金総額: 58,968円 実質負担額: 58,968円(2,457円×24回) 【新規・MNP】 一括払い: 15,552円 分割払い: 648円×24回 |
ソフトバンク | 機種代金総額: 70,320円 割引後の実質負担額: 16,320円(340円×48回) 25ヶ月目に機種変更する場合 実質負担額: 8,160円(340円×24回) | 取り扱いなし | 取り扱いなし |
au | 機種代金総額: 86,400円 アップグレードプログラムEX: 390円×24回 分割支払金: 43,200円(1,800円×24回) ※アップグレードプログラムEXに加入し、25ヶ月目に機種変更した場合 【月々の支払い】 1,800円+390円=2,190円/月 | 取り扱いなし | 取り扱いなし |
5 HTC U11の総評
画像引用元:HTC U11 | HTC 日本
3機種で比較をしてきましたが、どの機種も一長一短があるものの、「HTC U11」では新たな機能であるエッジ・センスやストレスなく高速でHDR撮影が可能なカメラ機能など魅力的な機能が特徴となっています。
- 角度によって変わるボディ色
- 高性能セルフィー対応カメラ
- 高度なサウンド性能
- エッジ・センスが面白い
カメラ機能にこだわりたいユーザーには操作モードの少なさなど、若干物足りなさを感じさせる部分もあります。
しかし、カメラ機能だけではなく、サウンド機能をとってもユーザー自ら操作する必要なく快適な状態で設定をしてくれるというのがこの機種のおすすめポイントです。