
現在、日本中で光回線を使ったインターネットサービスは多数存在しますが、その中には格安MVNO業者のIIJmioが提供する『IIJmioひかり』があります。
しかし、世間での『IIJmioひかり』の評判はお世辞にも良いとは言えず、他の業者と比較するとあまり芳しくないというのが現状です。
今回は『IIJmioひかり』と他の業者の光回線サービスとを比較し、実際の評判はどうなのか検証してみました。
トップ画像参照元:IIJmioひかり公式ホームページ
1 IIJmioひかりの評判の3つのデメリット
IIJmioひかりが他の光回線サービスと比較してみて評判が悪い理由を調査したところ、以下3点のデメリットがありました。
- キャッシュバックが無い
- 割引がmio割のみ
- 回線速度は他事業者と同等
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
1-1 キャッシュバックが無い
IIJmioひかりが世間であまり高い評価になっていない大きな理由の一つに『キャッシュバックが無い』というのが挙げられます。
他の光回線業者が新規契約、他社からの乗り換え問わず手厚いキャッシュバックや料金の割引等を用意し、あの手この手を駆使して顧客確保に努めています。
しかし、IIJmioひかりは新規契約、乗り換え問わずキャッシュバックが存在せず、料金の割引も同じIIJmioが提供している格安スマホのIIJmioの割引のみです。
キャッシュバックや割引はユーザー側からするとお金や割引で還元されてお得になった方が嬉しいのが当然の心理です。
その為、「IIJmioひかりはどうしても魅力が薄れてしまう」と思ってしまう人がいるというのも実情です。
1-2 割引がmio割のみ
『IIJmioひかり』を契約して唯一受けられる割引は、IIJmioで契約しているSIMでの通信料金を600円割引される『mio割』のみです。
キャッシュバックや割引には複雑な条件を設定しているのも多い中、mio割は申込みをする必要がなく条件を満たした時点で自動で適用されるなどお手軽な割引サービスです。
格安MVNO業者であるIIJmioの通信料金が安くなるので、更に格安SIMがお得に使えるのがセールスポイントですが『IIJmioのSIMを利用している』のが割引の前提条件です。
そもそも、IIJmioの格安SIMを利用していないのであれば、適用される割引が存在せず料金面でIIJmioのアドバンテージがありません。
『IIJmioひかり』がキャッシュバックや料金の割引が弱いと呼ばれる所以は、ここにあるのです。
1-3 回線の速度は他事業者と同じ
IIJmioひかりの回線の速度は最大1Gbpsとなっており、これは他社の光回線サービスと比較しても同じぐらいで極端に早い回線速度ではありません。
後述する業者の中には1Gbps以上を大差ない料金で提供していたり、速度は同じでもキャッシュバックや料金の割引が充実しているサービスもあります。
この点は元々通信回線や施設を間借りするという事業の形態上、回線速度の上昇はIIJmioではいかんともしがたいという事業者側の都合もあります。
他社の光回線サービスに比べてIIJmioひかりの魅力が薄いので契約するのはあまりオススメできない…というのが世間での低評価になってしまっている現状です。
- キャッシュバックが無い
- 割引がIIJmioのSIMを利用している人のみ対象
- 速度も最大1Gbpsなので他と大差無し
2 IIJmio光と他の光回線サービスと比較してみよう
『IIJmioひかり』の評価が芳しくない事、その原因がキャッシュバックや割引が弱く回線速度が極端に優れている訳でもないということを紹介しました。
せっかくなので紹介した『IIJmioひかり』と他の通信事業者の光回線も一緒に比較してみましょう。
2-1 IIJmioひかりの料金と通信速度一覧
IIJmioひかりの基本料金と速度を一覧表にしてみると以下のようになります。
IIJmioひかりの料金一覧 | 金額 |
---|---|
戸建て向け基本料金 | 4,960円 |
集合住宅向け基本料金 | 3,960円 |
フレッツ光利用中の初期費用 | 1,800円 |
フレッツ光新規利用時の初期費用 | 800円 |
戸建て向けの工事費 | 18,000円 |
集合住宅向けの工事費 | 15,000円 |
機器レンタル料金 | 300円 |
最大通信速度 | 最大1Gbps |
このIIJmioひかりの基本料金と通信速度を基に、代表的な大手通信事業者の光回線サービスと比較してみます。
3 超速の光回線がセールスポイントのauひかり
画像参照元:auひかり公式トップページ
料金面では『IIJmioひかり』よりも若干高くなっていますが、回線の通信速度面やキャッシュバックがある点で優位に立っているのがauひかりです。
通信速度は基本となる、戸建て向けの『auひかり』と集合住宅向けの『auひかりマンション』は、通信速度は1Gbpsと『IIJmioひかり』と互角です。
しかし、関東地方の一部の戸建てのみとなりますが、
- auひかりホーム5ギガ
- auひかりホーム10ギガ
では、最大5Gbps~10Gbpsという圧倒的な通信速度です。
普段使いで便利なのはもちろん、圧倒的な通信速度から瞬時に操作を行う必要のある株のトレーダーやオンラインゲーマーから高い評価を受けています。
とにかく通信速度を早くしたい人、auのスマホを利用している人にオススメの光回線となっています。
3-1 auひかりの料金はやや高め
圧倒的な通信速度が特長のauひかりですが、反面料金は『IIJmioひかり』と比較して高めとなっています。
auひかりの基本料金 (プロバイダがau One net) | 金額 |
---|---|
標準プラン | 6,800円~ |
ギガ得プラン | 5,700円~ |
ずっとギガ得プラン | 5,600円~ |
3-2 auひかりのキャッシュバックはいくらなのか
auひかりのキャッシュバックは2018年12月現在では以下のものがあります。
- 他社からの乗り換え時に解約違約金相当額を最大30,000円
- auスマートバリュー新規申し込みでau契約回線1回線につき10,260円
- au one netの『ネットと電話』新規加入で10,000円
のキャッシュバックがあります。
これ以外にも取り扱いのプロバイダ等で独自のものがありますので要チェックです。
auひかりの料金を徹底ガイド|お得に使うためのポイントを確認
4 手厚いキャッシュバックと料金の安さが魅力のソフトバンク光
画像引用元:ソフトバンク光公式ホームページ
通信速度は『IIJmioひかり』と互角の最大1Gbpsですが、キャッシュバックや割引が非常に豊富な点をアピールしてお得感を打ち出しているのがソフトバンク光です。
料金は初年度であれば2,000円の割引が適用されてプロバイダ料金こみで、
- 戸建てで月額3,200円
- 集合住宅向けで月額1,800円
という基本料金が破格の安さなのも売りの一つです。
2年目以降は割引が無くなり戸建の場合は『IIJmioひかり』の方が安くなりますが、集合住宅の場合は2年目以降も引き続きソフトバンク光のほうが安くなっています。
集合住宅に住んでいて通信料金を安く利用したい人、キャッシュバックを受けてお得に利用したい人にはソフトバンク光がオススメです。
4-1 ソフトバンク光の料金
ソフトバンク光の基本料金も一緒に見てみましょう。
ソフトバンク光の基本料金 (プロバイダ料金込) | 金額 |
---|---|
戸建ての場合 | 初年度3,200円/2年目以降は5,200円 |
集合住宅の場合 | 初年度1,800円/2年目以降は3,800円 |
4-2 ソフトバンク光のキャッシュバックはいくらなのか
ソフトバンク光のキャッシュバックや割引は多数存在し、2018年12月時点で以下4つの割引やキャッシュバックをキャンペーンとしています。
- 2,000円割引を1年間で総額24,000円割引
- SoftBank光とSoft Bank Air同時申し込みで最大70,000円キャッシュバック
- 他社からの乗り換えは24,000円キャッシュバックか24ヶ月間1,000円割引
- 他社からの乗り換え時に違約金を最大10万円キャッシュバック
他の光回線業者と違い、とにかくキャッシュバック額の多さや割引の豊富さが魅力のソフトバンク光です。
ドコモ光 VSソフトバンク光 を徹底比較|キャリアの乗り換えならどちらが得?
次の章では、『IIJmio光』とドコモ光について利用料金やキャッシュバックについて比較してみます。
5 各種映像配信やdポイント還元のドコモ光
画像引用元:ドコモ光公式ホームページ
『IIJmioひかり』と、回線速度は互角の1Gbpsで料金もほぼ互角のドコモ光です。
ただし、料金については各種映像配信サービスとの提携や既にフレッツ光を利用中の場合は初期工事不要でプロバイダの変更も不要とポイントがあります。
元々フレッツ光を提供しているのが、ドコモと同じNTTなのでフレッツ光を利用している場合は解約金や工事の設定も必要無いので気軽に乗り換えやすいのが利点です。
またDAZN等の動画配信サービスとも提携しているので、別途加入の有料オプションとしても利用できるので映像配信サービスに興味のある人にオススメできます。
キャッシュバックもdポイントで還元されるので、dポイントを普段貯めている人にもドコモ光に適していると言えるでしょう。
5-1 ドコモ光の料金
ドコモ光の料金は戸建てタイプかマンションタイプか、また利用するプロバイダによって料金が変わってきますのでそれぞれの料金タイプは以下のようになります。
マンションタイプの場合
ドコモ光(マンションタイプ)タイプ別料金 | 金額 |
---|---|
タイプA 2年定期契約有/無 | 4,000円/5,000円 |
タイプB 2年定期契約有/無 | 4,200円/5,200円 |
タイプC 2年定期契約有/無 | 3,800円/4,800円 |
戸建てタイプの場合
ドコモ光の料金タイプ | 金額 |
---|---|
タイプA 2年定期契約有/無 | 5,200円/6,700円 |
タイプB 2年定期契約有/無 | 5,400円/6,900円 |
単独タイプ 2年定期契約有/無 | 5,000円/6,500円 |
ドコモ光ミニ 2年定期契約有/無 | 2,700円~5,700円/4,200円~7,200円 |
基本的に料金自体はドコモ光とIIJmioひかりの間に大きな差はありませんがキャッシュバックや割引、動画配信サービスとの提携でドコモ光の方が有利です。
5-2 ドコモ光のキャッシュバックはいくらなのか
ドコモ光のキャッシュバックは2018年12月時点では以下3つです。
- 新規申し込み且つ戸建てで派遣工事の場合は工事料最大18,000円割引
- ドコモ光新規申し込みでdポイントを10,000ポイントプレゼント
- フレッツ光や提携ケーブルTCから乗り換える場合はdポイントを5,000ポイントプレゼント
キャッシュバックがdポイントで還元される事や、フレッツ光の設備やプロバイダを流用出来る事から、どちらかというとフレッツ光からの乗り換えを検討している人向けです。
ドコモの料金プラン「ドコモ光 セット割」を最大限お得に乗り換える方法
6 IIJmioひかりは誰にオススメなのかを探ってみた
他の通信事業者が提供する光回線サービスとセールスポイントを整理して、比較するとやはり『IIJmioひかり』は苦戦していると言わざるをえません。
現状で「『IIJmioひかり』を契約するメリットはあるのか」と、言われるとmio割の対象になる人であればメリットはあるとしか言えない程度です。
料金が極端に安い訳ではなく、キャッシュバックや割引がたくさん充実している訳でもなく、回線速度も他の光回線と同じです。
- 回線速度を求める人ならauひかり
- キャッシュバックと割引でお得に使いたいならソフトバンク光
- 既にフレッツ光なら工事不要やdポイントでのためやすさでドコモ光
となってしまいます。
逆に言えば特に回線や契約にこだわりがなく、すでにIIJmioを契約している人ならIIJmioひかりが選択肢に挙げられるとも言えるでしょう。
7 今後のIIJmioひかりに期待
ここまで『IIJmioひかり』の金額や割引と速度、キャッシュバック等を他社のサービスを比較した結果とデメリットを紹介してきました。
- キャッシュバックが無く割引はmio割のみ
- 通信速度は1Gbpsと他の業者と大差無
- IIJmioのSIMを契約中なら一考の価値有
現状では『IIJmioひかり』は他社と比較すると弱い部分が多いので、『IIJmioひかり』の契約自体は相当なこだわりが無いとあまりオススメできません。
更にmio割による割引額が増額されていくか、他社が提供していないサービスを提供するなど差別化をしていかないと難しいでしょう。
今後のIIJmioひかりには更に他社にはない強みやサービスをどんどん打ち出していってほしいところです。