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2020年6月ではテレワークやオンライン授業の対応、スマホの通信量削減の為に、自宅にWi-Fiルーターを設置する家庭は珍しくありません。
しかし、広い敷地や階層をまたぐと電波が入らない事もあってもどかしい思いをすることがあります。
「自室ではWi-Fiルーターの電波が入らない」という現象を改善する為には、Wi-Fi中継器を使用して電波強度の上昇と電波範囲の拡大を目指すのがポピュラーです。
今回はWi-Fi中継器を使ってWi-Fiの電波が入りやすくなり、状況を改善する方法とおすすめのWi-Fi中継器を3つ紹介します。
- 今使っているWiFiの「WPS対応の有無」「使用電波帯」を確認
- 使用電波帯にあったWi-Fi中継器を選ぶ
- Wi-Fiから遠すぎず・近すぎずの位置に中継器を設置
トップ画像引用元:TL-WA850RE | 300Mbps 無線LAN中継器 | TP-Link 日本
そもそもWi-Fi中継器とは何か?
画像引用元:今のWi-Fiエリアを中継して拡げる!中継機特集 | バッファロー
一般的にWi-Fiルーターはよく知られている機器ですが、Wi-Fi中継器はあまりメジャーではないのでご存じでない方も少なくありません。
まずは、「Wi-Fi中継器とはどんな機械なのか」「どういった用途で利用されるのか」を紹介します。
コンセントに挿してWi-Fiの電波を中継する機器
Wi-Fi中継器とは文字通りWi-Fiの電波を中継する機器の事で、中継された際には電波強度を強く・電波範囲の拡大が期待できるものです。
大きさはとてもコンパクトなサイズで、スティックタイプのUSBドライブ程度の物もあればHDDドライブ程の大きなサイズもあります。
Wi-Fi中継器は、基本的にコンセントにつないで給電するので「どこに設置するか?」が重要で、上手くWi-Fiの電波を中継できるかはセンスが問われます。
敷地が広い、階層を隔てると一気に電波が悪くなる際に利用される
Wi-Fi中継器は敷地の広い家屋や複数階の建造物で、Wi-Fi電波の届く範囲を広げる為に利用されています。
Wi-Fiから発する電波は距離が離れると電波強度が弱くなり、更にコンクリート等で反射させられるとうまく受信できません。
そこでWi-Fi中継器を用いて電波を再強化させて電波を届く範囲を広げていく、という機能を持っているのです。
Wi-Fi中継器を利用して電波強度を強く・電波範囲を拡大させるポイント
Wi-Fi中継器を利用すると今まで以上に電波が届く範囲を広げられますが、利用する前に以下の3点は抑えておいた方が無難です。
- 親機のWi-FiルーターがWPSに対応しているか
- Wi-Fi中継器のWi-Fi電波帯が対応しているか
- 範囲の広いWi-Fi中継器を選ぶ
各項目について詳しく説明していきます。
親機のWi-FiルーターがWPSに対応しているか調べる
まず、現在使っている親機となるWi-FiルーターがWPS(正式名称:Wi-Fi Protected Setup)に対応しているか否かをWi-Fiルーターの取扱説明書で調べておきましょう。
WPS対応だと、親機とWi-Fi中継器をワンプッシュで簡単に接続できるメリットがあります。
WPSに対応している場合は以下の名称で設定されている事が多いようです。
- WPSボタン
- 機能ボタン
- 無線設定ボタン
- らくらくスタート(Atermシリーズに多い)
- AOSSボタン(AirStationシリーズに多い)
WPSに対応している場合は下記のプッシュボタン方式の設定方法となります。
- Wi-Fi中継器のWPSボタンを押下
- Wi-FiルーターのWPSボタンを押下※
- 約2~5分程待つ
- Wi-Fi中継器側で接続確認できて完了
※タッチパネル式モバイルルーターならWPSボタン押下対応の操作
機器によっては1と2の手順が逆になる事もありますが、概ね以上の手順でWi-Fi中継器を接続できます。
WPSは共通規格なので、親機と子機のメーカーが異なっていても両方がWPSに対応しているなら理論上接続可能です。
Wi-FiルーターはほとんどがWPS対応なのであまり気にする点ではありません。
WPSに対応していないWi-Fiルーターの場合は、手動でWi-Fi中継器と接続するようになります。
Wi-Fi中継器のWi-Fi電波帯が対応しているか調べる
下記は2020年の時点で主流のWi-Fi電波帯です。
自分が現在使っているWi-FiルーターがどのようなWi-Fi電波帯に対応しているのかも調べておきましょう。
無線規格 | 周波数帯 | 最大通信速度 |
---|---|---|
IEEE.802.11n | 2.4GHz/5GHz | 600Mbps |
IEEE 802.11ac | 5GHz | 6.9Gps |
802.11.acは2014年1月、802.11.nは2009年9月に策定されたWi-Fiの規格なので2020年時点ではほぼ対応していると思われます。
ただ、あまりに古いWi-Fiルーターだと規格が合っていない可能性もありますので、万が一の為にもWi-Fiルーターの対応電波帯も上記2つに対応しているか調べておきましょう。
こちらもWPS同様に取扱い説明書や機器の本体に記載されています。
ルーターが次世代Wi-Fi規格のWi-Fi 6(IEEE 802.11ax)に対応しているか確認しよう
現在使用しているWi-Fiルーターが、次世代Wi-Fi規格のWi-Fi6(IEEE 802.11ax)に対応しているか調べておくのもおすすめです。
Wi-Fi 6はWi-Fi 5と比較すると電波強度が強く、通信速度も速くて省エネで電気代も節約できるメリットを持っています。
Wi-Fi 6対応のルーターとWi-Fi 6対応の中継器とデバイスをセットで運用するだけでも、通信環境の大幅改善が期待できるでしょう。
Wi-Fi 6は2020年1月に提供され始めたので、それ以降に購入したWi-Fiルーターであれば気にしなくても問題ありません。
パソコンもWi-Fi 6に対応しているか確認しよう
Wi-Fiルーターを使ってパソコンの通信環境を改善したいなら、パソコンもWi-Fi 6(IEEE 802.11ax)に対応しているか調べておくのもおすすめです。
Wi-Fi 6対応のパソコン・ルーター・中継器の3つが揃えば、パソコンの通信環境が改善できるので調べておいて損はありません。
仮にWi-Fi 6に対応していなくても現行のWi-Fi 6対応ルーターは、Wi-Fi 5に引き続き対応しています。
パソコン買い替えを検討しているならWi-Fi 6対応ルーターや中継器もセットで購入しても良いでしょう。
Wi-Fi 6に対応しているスマホもある
中継器を介してスマホをWi-Fiルーターに接続したい人は、下記のWi-Fi 6対応スマホを使っているか調べてみましょう。
- iPhone 11/11 Pro/11 Pro Max
- iPhone SE(第2世代)
- Galaxy S20シリーズ
- Galaxy S10シリーズ
- Galaxy Note 10+
- AQUOS R5G
- Xperia 1 II
- arrows 5G
上記のスマホ・Wi-Fi 6対応ルーターと中継器を用意すれば次世代のWi-Fi通信でスマホゲームやSNS、動画視聴などが可能です。
予算に余裕があるならWi-Fi 6対応の一式で揃えた方が改善しやすく、また通信の品質もあがるのでおすすめです。
範囲の広いWi-Fi中継器を選ぶ
画像引用元:今のWi-Fiエリアを中継して拡げる!中継機特集 | バッファロー
Wi-Fi中継器と一口で言っても様々な形状があり、中にはアンテナが付いていたり電波強度の強い機種や電波範囲を拡大する機種もあります。
どのWi-Fi中継器を選ぶべきか迷うかもしれませんが、WPSに対応しておりWi-Fi電波帯に合っているWi-Fi中継器なら電波範囲の広いものを選びましょう。
モデルやメーカーによっては、届く範囲を記載しているWi-Fi中継器もあるのでそちらを参考にするのもおすすめです。
Wi-Fi中継器の設置場所にも気を付けよう
Wi-Fi中継器で電波範囲を広げるには、設置する場所にも気を付けなければいけません。
Wi-Fi中継器はコンセントに差し込むタイプがほとんどです。
そのため、設置できる場所は必然的にコンセントのある場所になります。
延長コードを使って範囲を伸ばす事は可能ですが、延長コードが長すぎると親機のWi-FiからWi-Fi中継器に電波が届かなくなることもあるので注意が必要です。
Wi-Fi中継器でカバーできるのは約30mの電波範囲が目安
電波範囲はWi-Fi中継器にもよりますが、半径30m以内をカバーできるタイプが多く見受けられます。
中継器によっては30m以上のものもあれば、別表記として2部屋分のカバーや1つの階であればカバーできる、と記載されている物もあります。
基本的に電波範囲の広いWi-Fi中継器を選ぶのがベターですが、電波範囲が広ければその分価格も上昇する傾向にあるのでその辺りはお財布と要相談です。
効率よく設置できる位置を探すのも大事
Wi-Fi中継器を設置する場所が大事ですが、1台のWi-Fi中継器でWi-Fiの電波を届けるには効率を重視して設置しましょう。
1つの設置場所の目安としては「Wi-FiルーターとWi-Fiの電波の届かない地点の中間地点にWi-Fi中継機器」を設置する方法があります。
中間地点の近くにコンセントを探して設置し電波状況が改善すれば良し、電波強度が弱いか接続がプツプツと切れるなら以下の方法を試してみましょう。
- 延長コードを設置してWi-Fi中継機器の距離を調整
- Wi-Fi中継器のアンテナの向きを調整(アンテナがある場合のみ)
- Wi-Fi中継器の設置場所を変更
Wi-Fi中継器はWi-Fiルーターから近過ぎず、遠過ぎずの位置に設置するのがコツです。
広い家屋や複数階に分かれている建物だと設置場所に少し頭を捻るかもしれません。
次の章では、Wi-Fi中継器の価格はいくらぐらいか、ということを紹介します。
Wi-Fi中継器の価格はいくらぐらいか?
これからWi-Fi中継器の購入を考えている方に、Wi-Fi中継器はどのくらいの価格で購入できるのかを紹介していきます。
今回はIT機器を多く販売しているELECOMを例に、Wi-Fi中継器の価格と届く電波範囲の目安を見てみます。
Wi-Fi中継器の価格と範囲一覧(例:ELECOM)
モデル | 価格(税抜) | WiFi中継器の届く範囲目安 |
---|---|---|
最大867Mbpsモデル | 7,040~7,690円 | マンションなら2部屋分 戸建てなら2フロア |
最大4330Mbpsモデル | 6,400円 | マンションなら2部屋分 戸建てなら1フロア |
最大300Mbpsモデル | 3,190~4,860円 | マンション1部屋分 戸建てなら1フロア |
ELECOMが2020年6月時点で発売しているWi-Fi中継器の価格と、電波範囲の一覧は上記のようになります。
基本的に価格が高くなれば、電波強度の強くなる事も見込めるのでWi-Fiの電波を届けたい地点が遠いなら高価なモデルを検討するようになります。
Wi-Fi中継器でも解決が見込めない原因は?
画像引用元:今のWi-Fiエリアを中継して拡げる!中継機特集 | バッファロー
Wi-Fi中継器を利用して電波強度の強化と電波範囲の拡大する方法について、ここまで紹介してきました。
ただし、Wi-Fi中継器は決して万能な機械ではなくWi-Fi中継器を用いても解決できない、改善の見込みが薄いパターンももちろんあります。
Wi-Fi中継器を購入する前に、下記のパターンではないか確認してみて下さい。
Wi-Fiルーターに届く電波が非常に弱い時
Wi-Fi中継器は、あくまで親機のWi-Fiルーターに届いた電波を再強化し、より遠くの場所に飛ばす機械という扱いです。
Wi-Fiルーターに届く電波自体が弱ければ、いくらWi-Fi中継器でも電波強度の強化や範囲拡大は難しいと言わざるをえません。
Wi-Fiルーターのすぐ側で通信速度が極端に遅いか接続が度々切断されるのであれば、Wi-Fiルーターの故障かWi-Fiに入る電波自体が弱いと見られます。
Wi-Fiルーターの電波自体が弱いならまずは提供元に連絡
Wi-Fiルーターの提供元や回線業者によっては、電波状況が悪い事を公式ホームページや電話等で連絡すると電波状況の改善や、宅内アンテナの設置を行ってくれる業者もあります。
UQ WiMAXでは無料で宅内アンテナの提供をしているので、Wi-Fi中継器を購入する前に提供元の業者に確認してみるのがおすすめです。
Wi-Fiルーターに故障の可能性がある
Wi-Fiルーターの故障や不調が原因で、Wi-Fiの電波強度の低下や電波範囲の縮小が起きている可能性もゼロではありません。
- 今までは滞りなくWi-Fiが利用できていたのに急に利用出来なくなった
- 周囲の環境や建物内の家具の移動などもしていない
- Wi-Fiルーターと接続できない場所では他のスマホ等もWi-Fi接続できない
これらの条件を満たすとWi-Fiルーター自体の故障の可能性もあるので、修理交換を申し込み改善するか試してみるのも大事です。
おすすめWi-Fi中継器を3つ紹介!
画像引用元:TL-WA850RE | 300Mbps 無線LAN中継器 | TP-Link 日本
Wi-Fi中継器でWi-Fi環境を改善したい!と思っても、Wi-Fi中継器は星の数ほどありますのでどれを選ぶか迷う所です。
そこで、今回は以下のポイントで、3つのWi-Fi中継器をピックアップしました。
- 価格
- サイズの小ささ
- Wi-Fi6対応
今後、購入を考えている方は是非参考にしてみてください。
価格の安さが魅力の「TL-WA850RE」
画像引用元:TL-WA850RE|TP-Link 日本
価格の安いWi-Fi中継器が欲しいなら、TP-Link製のTL-WA850REがおすすめです。
製品名 | TL-WA850RE |
---|---|
メーカー名 | tp-link |
サイズ | 243×160×32mm |
重量 | 286g |
対応通信規格 | IEEE802.11n |
Wi-Fi 6対応可否 | × |
WPS対応可否 | ○ |
有線LANポート有無 | 有/1口 |
発売時期 | 2016年7月 |
価格 | 2,200円 (Amazon参考) |
特徴 | 価格が安い WPS対応で設定が簡単 本体表面のLEDライト最適な中継位置を見つけられる |
発売時期が2016年で少し古く、また5GHz帯に対応していませんが、2千円台で購入できる価格の安さは非常に魅力です。
WPSにも対応しているのでルーターのボタンを押して、2分以内にWPSボタンを押せば接続と簡単に接続出来ます。
本体表面のLEDライトで電波状況が分かるので、最適な設置場所を見つけやすいのもメリットでしょう。
コンパクトサイズが魅力の「WEX-1166DHPS」
画像引用元:WEX-1166DHPS |バッファロー
「コンセントに挿しても他のプラグに当たらないコンパクトな中継器が欲しい!」そんな人にはWEX-11660HPSがおすすめです。
製品名 | WEX-1166DHPS |
---|---|
メーカー名 | BURRALO |
サイズ | 65×95×40mm ※本体のみ(突起部除く) |
重量 | 138g |
対応通信規格 | IEEE802.11a/ac/g/b |
Wi-Fi 6対応可否 | × |
WPS対応可否 | ○ |
有線LANポート有無 | 有/1口 |
発売時期 | 2017年12月 |
価格 | 7,260円 |
特徴 | 本体サイズが小さい 2×2アンテナで離れた場所にも電波が届く スマホアプリで最適な設置場所が分かる |
WEX-11660HPSは本体サイズが非常に小さめなので、コンセントに挿しても他の差込口に干渉することはほとんどありません。
コンパクトサイズですが5GHzと2.4GHzのアンテナを2本ずつ備えているので、通信速度やつながりやすさでは他のWi-Fi中継器と一線を画しています。
価格は7,260円と高めなものの、発売時期が3年近く前なので家電量販店等で安価で販売されていることも珍しくないのでセールで見かけたら購入がおすすめです。
Wi-Fi 6で高速・安定した接続を求めるなら「RE505X」
画像引用元:RE505X| TP-Link 日本
「Wi-Fi 6で安定した次世代通信環境を構築したい!」という方はRE505Xがおすすめです。
製品名 | RE505X |
---|---|
メーカー名 | tp-link |
サイズ | 74.0×46×124.8 mm |
重量 | 408g |
対応通信規格 | 5GHz帯:IEEE 802.11a/n/ac/ax 2.4GHz帯:IEEE 802.11b/g/n |
Wi-Fi 6対応可否 | ○ |
WPS対応可否 | ○ |
有線LANポート有無 | 有/1口 |
発売時期 | 2020年3月 |
価格 | 6,436円 (Amazon参考) |
特徴 | Wi-Fi6の対応で高速・低遅延の通信が可能 Wi-Fi 5にも対応・従来のWi-Fiルーターと中継可能 ブリッジモード内蔵 |
日本で初めてWi-Fi 6対応中継器を発売したのがTP-LinkのRE505Xで、Wi-Fi 6対応のルーターとデバイスを用意すればWi-Fi 6で通信が可能です。
Wi-Fi 6は低遅延、更にRE505Xの5GHz帯なら最大1,200Mbps(2.4GHz帯は300Mbps)で通信ができます。
これで通信速度の上昇が見込めるのは嬉しい点でしょう。
また、現在主流のWi-Fi 5にも引き続き対応しているので、今後Wi-Fi 6対応のパソコン・ルーターの購入を考えている人は、先んじて購入しておくのもおすすめです。
Wi-Fi中継器を設置するなら場所選びが最も大事
画像引用元:RE505X | AX1500 Wi-Fi 6 中継器 | TP-Link 日本
Wi-Fi中継器を設置する場合、ほとんどのWi-FiルーターはWPSに対応しておりWi-Fi規格もWi-Fi中継器と共通なので大事なポイントは設置場所になります。
- 今使っているWiFiが「WPS対応の有無」「使用電波帯」を確認
- 使用電波帯にあったWi-Fi中継器を選ぶ
- Wi-Fiから遠すぎず・近すぎずの位置に中継器を設置
あまり距離が離れていない場所なら適当に設置場所を選んでも電波強度が強くなり、Wi-Fiの電波が届きます。
しかし、距離が離れているなら尚のこと設置場所は重要です。
Wi-Fi中継器はコンセントが必要なので設置場所は限られますが、距離が足りない時は延長コード等でフォローすると良いでしょう。