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「スマホで月を撮影すると、白飛びしちゃう・・」
スマホで月を撮影するのはなかなか難しいものですよね。でも綺麗な月が出ていたら、写真に撮ってシェアしたいと思うもの。
そこで今回は、スマホで月を綺麗に撮影する方法と、月の撮影に最適なカメラアプリをご紹介します。
スマホで月が上手く撮れない原因とは
月は肉眼でははっきりと見えるのに、スマホで撮影すると、どういうわけだか白くボヤっと写ってしまいますよね。
何度撮ってもぼやけてしまい、「やっぱりスマホじゃ撮れないのかも」と諦めた方も少なくないはず。
このように、スマホで撮影した月がボヤっとしてしまう理由は、「カメラ」という道具の仕組みにあります。実は、カメラは「暗いものと明るいものを同時には認識できない」のです。
例えば、逆光で写真を撮ると、下の写真のように被写体が黒くつぶれてしまいますよね。
人の目は、逆光で陰になっている部分もはっきりと認識することが可能です。一方、カメラではそれができません。
上の写真は「空」に焦点が当たっているため、明るさの差が大きい飛行機の部分は黒くつぶれてしまっています。
もし、この写真を撮るとき、飛行機に焦点を合わせていれば、飛行機の姿をはっきりと写すことができたでしょう。しかし今度は、空の青くて明るい部分が白飛びしてしまったはずです。
月と夜空の明暗差は想像以上に大きい
月を撮影するときにも、上の写真と同様の現象が起きています。
人の目では月の模様まではっきり見えていても、夜空と月の明るさの差が大きいために、白飛びしてしまうのです。
では、そんな月を上手く撮影するためには、何をどうすればよいのでしょうか?
月の撮影のポイントは「光の量」の調節
月をカメラで上手く撮影するためには、月から受ける「光の量」を調整することがポイントです。
そもそも、月を上手く撮影できない原因は、カメラに取り込まれる光の量が多すぎることにあります。
ですから、カメラアプリで光量の調整さえできれば、白飛びすることなく、綺麗な月を撮影することが可能なのです。
ちなみに、この「カメラに取り込まれる光の量」のことを、カメラの専門用語では「露出」と言います。
カメラの露出を下げるには
では、この「露出」を下げるにはどうすればいいのでしょうか?
「露出」を下げるには、「レンズの絞り(F値)」と「シャッタースピード(露光時間)」、「ISO感度」の数値を調整する必要があります。
「え、なんだか面倒くさそう・・・」と思いますよね。
ただ、この3つについて勉強すれば、月を綺麗に撮れることはもちろん、写真撮影のスキルが1ランクアップしますよ!
レンズの絞り(F値)を大きくする
「レンズの絞り」とは、レンズから取り込む光の量を調整する部分のことです。見た目はドーナツ型で、穴の大きさを変えることで、取り込む光の量を多くしたり少なくしたりします。
「レンズの絞り」の表記例:F1.4、F2、・・・F16、F22、F32
F○○というF値(フォーカル・ナンバー)で表されます。
F○○の、○○の数値が大きいほどレンズは絞られ、取り込む光の量が少なくなります。
ですから、月を撮影するときには、このレンズの絞り(F値)の数値を大きくするようにしましょう。
シャッタースピード(露光時間)を小さくする
「シャッタースピード」とは、シャッターが開いている時間の長さのことを指します。
シャッタースピードの表記例:1秒、1/2秒、1/4秒・・・1/250秒、1/500秒
シャッターが開いている時間が長いと、たくさんの光が取り込まれます。
ですから、月の撮影時はシャッタースピードの数値を小さくして、取り込む光の量を少なくすることがポイントです。
ただ、あまりにもシャッタースピードが小さすぎると暗い写真になってしまいます。プレビューを見ながら調整してくださいね。
ちなみに、月の満ち欠けによって月の明るさも変わるので注意してください。満月の時が一番明るく、月が欠けるにしたがい暗くなっていきます。
月の満ち欠けと適切なシャッタースピードについては、以下を参考にしてください。
- 満月:1/250秒~1/500秒
- 半月:1/30秒~1/15秒
- 三日月:1/15秒~1/8秒
あまり明るくない三日月の時は、光の量をたくさん取り込めるようシャッタースピードを長く設定しましょう。
ISO感度を下げる
「ISO感度」とは、どのくら弱い光まで記録するかを表す数値です。
ISO感度の表記例:ISO200、ISO400、ISO800、ISO1600、ISO3200
このISO感度の数値が大きいほど、より弱い光を取り込めるようになります。
ですから、月を撮影するときは、光を取り込まないようにISO感度を最小限にすると良いでしょう。
露出補正を下げる
「露出補正」とは、「カメラが判断した適正露出から、画像全体の明るさを調整すること」です。
スマホはカメラが明るさを自動的に感知し、自動露出(AE)を行います。カメラが光の量を判断し、最適なレンズの絞り・シャッタースピード・ISO感度を決定するのです。
そして、このカメラが判断した適正露出が明るすぎたり暗すぎたりしたときに、露出補正が行われます。
露出補正の表記例:-1.0、-0.7、-0.3、・・・+1.0
-1.0にすると、カメラが決めた適正露出よりも1段階暗くなり、+1.0にすると画像全体の明るさが1段階明るくなります。
月を撮影するときは、画像を暗くする必要があるので、この適正露出を-の方向へ調整しましょう。
iPhone XS/XRの標準カメラアプリの全て|機能と設定を使いこなすiPhoneで月を綺麗に撮影する方法
iPhoneのカメラアプリでは、レンズの絞り(F値)・シャッタースピード・ISO感度を調整することはできません。
iPhoneのカメラでできる機能は、画像全体の明るさを調整する「露出補正」のみとなります。
「露出補正」を変えるだけでも、いつもとは違った写真になりますので、ぜひ試してみてくださいね。
iPhoneで露出補正しながら月を撮影する手順
- フラッシュをオフにする
- フォーカス(焦点)を月に合わせる
- 露出を下げる
では、ひとつずつ手順を確認してみましょう。
iPhoneのフラッシュをオフにする
まず、フラッシュが点灯しないよう、フラッシュをオフにします。
カメラアプリの左上に表示されている雷マークを押し、「オフ」をタップしてください。
雷マークに斜線が入っている状態になれば、フラッシュがオフになっています。
フォーカス(焦点)を月に合わせる
月にフォーカスを合わせましょう。フォーカスの合わせ方は、画面に映った月を「長押し」するだけです。画面上部に「AE/AFロック」と表示されればOK。
ちなみに「AE」とはオートマチック・エクスポージャーの略で、「露出を自動で行う機能」のことを指します。また、「AF」はオート・フォーカスの略で、自動的に焦点を定める機能です。
AE/AFロックをすることで、フォーカスと露出が固定されます。
カメラの露出を下げる
最後に、フォーカスした部分の右にある太陽のマークを下にスライドして、露出をマイナスに補正します。
露出を下げることで画像全体が暗くなり、月の明るさを抑えることが可能です。
この状態でシャッターを切りましょう。これで白飛びを抑えた月の写真を撮ることができますよ!
Androidで月を綺麗に撮影する方法
Android端末は、メーカーによってカメラの性能が大きく異なります。
「露出補正」が可能であれば、月を写すときに露出を-1~-3に設定してみてください。そうすることで、画像を暗くすることができ、月の明るさを抑えられるでしょう。
また、ハイスペックの端末の中には、「レンズの絞り(F値)」・「シャッタースピード」・「ISO感度」をそれぞれ調整できるものもあります。そのような場合は、
- プレビューを見ながらシャッタースピードを調整する
- ISO感度を最低レベルにする
- F値は大きいものを選択する
以上3つを設定して月を撮影してみてください。普通に月を写すよりもきれいに撮れるはずです。
露出を調整できるおすすめカメラアプリ
画像引用元:iOS 14 – Apple
iPhoneやAndroid端末自体のカメラアプリでも、月をある程度綺麗に映すことは可能です。しかし、他のカメラアプリを使うことで、より綺麗な写真を撮影できるようになります!
これからご紹介する2つのアプリでは、「ISO感度」や「シャッタースピード」の設定が可能です。
この2つの数値を使いこなせるようになれば、iPhone標準のカメラアプリよりもはっきりとした月の写真を撮影できますよ。
MuseCam
画像引用元:MuseCam-AppStore
写真を撮影したり編集したりするアプリ「MuseCam」。加工用のキットは有料で販売されていますが、利用料金は無料です。
シャッターやISO感度、ホワイトバランス、フォーカスを独立して制御でき、スマホのカメラをまるで一眼レフカメラのように利用できます。
このアプリで撮影すると、月面の模様までくっきりと撮れますよ。
月の写真を撮影する手順は次の通りです。
- ISO感度を最小値に設定する
- シャッタースピードを設定する
- 焦点を設定する
ISO感度を最小値に設定する
アプリをダウンロードしたら、さっそく月を撮影してみましょう。
カメラを起動し、左から3つ目にある「ISO」をタップ。スライダーが出ますので、ISO感度を最小に設定します。
シャッタースピードを設定する
次に、シャッタースピードを設定しましょう。
左から2つ目にある、シャッターのマークをタップします。月の満ち欠けに応じて、シャッタースピードを設定しましょう。>>目安値はこちら
シャッタースピードを調整すると、プレビューに写る月の明るさが変わります。ちょうどいい明るさになるように設定しましょう。
焦点を設定する
最後に、焦点距離を設定してピントを調整します。
一番左のマークをタップし、スライダーを動かしてピントを合わせましょう。
そして、真ん中の赤いボタンを押して撮影します。
最高に使える!人気のおすすめカメラアプリ11選【iPhone/Android対応】Lightroom CC
画像引用元:Adobe Lightroom CC-AppStore
Lightroom CCは、Photoshopで有名なAdobe社が提供している写真撮影・編集アプリです。
利用するにはFacebookアカウントかGoogleアカウント、アドビアカウントが必要ですが、無料で利用できます。
Lightroom CCを使って月を撮影する手順は、次のとおりです。
- ファイル形式をJPGへ変更(2回目以降不要)
- モードをプロフェッショナル変更(2回目以降不要)
- ISOを最低値にする
- シャッタースピードを調整する
- フォーカスを合わせる
ファイル形式をJPGへ変更
Lightroom CCは、保存ファイル形式を、
- DNG
- JPG
の2種類から選べます。
DNGとはRAWファイルの一種で、未圧縮のファイル形式です。加工に向いている反面、ファイルサイズが非常に大きくなってしまいます。
通常のカメラとして使うのであれば、保存ファイル形式をJPGに変更しておきましょう。
上のバーの「DNG」をタップして変更してください。
モードをプロフェッショナルへ変更
次に、カメラのモードを「プロフェッショナル」へ変更しましょう。「プロフェッショナル」にしないと「ISO感度」や「シャッタースピード」の調整ができないからです。
シャッターボタンの左側の「HDR」をタップして変更します。
ISO感度を最低値にする
続いて、ISO感度を最低値にしましょう。左から3つ目の「ISO」をタップし、スライダーを最低値に合わせます。
シャッタースピードを調整する
ISO感度を設定したら、シャッタースピードを調整します。左から2番目の「Sec」をタップしてスライダーを動かしましょう。
月を映しながら、ちょうどいい明るさになるところに合わせてください。
フォーカスを合わせる
最後にフォーカスを合わせましょう。左から5つ目の「+」マークをタップします。
月をタップし、ピントを調整してください。その後、シャッターボタンを押せば綺麗に撮影できます。
iPhoneカメラやAndroid端末で月を綺麗に撮影する方法について、よくある質問
iPhoneカメラやAndroid端末で月を綺麗に撮影する方法について、よくある質問に回答しました。
スマホで月を綺麗に撮影するコツを知りたい
月の撮影には「光の量」の調節が重要です。
iPhoneやAndroidのカメラアプリで光量の調節ができれば、白飛びすることなく綺麗な月を撮影できます。
iPhoneで月を綺麗に撮影するにはどうしたらよいか
iPhoneのカメラでは、画像全体の明るさを調整する「露出補正」機能で月を綺麗に撮影します。
具体的な方法は記事をご覧ください。
Androidで月を綺麗に撮影するにはどうしたらよいか
Android端末は、メーカーによってカメラの性能が大きく異なります。
具体的には「露出補正機能」・「レンズの絞り(F値)」・「シャッタースピード」・「ISO感度」などを調整することになります。
具体的な設定は記事をご覧ください。
月を綺麗に撮影できるカメラアプリを知りたい
カメラの機能でなく、カメラアプリを使うことで月を綺麗に撮影できます。
記事ではおすすめアプリを紹介しましたので、ぜひ記事をご覧ください。
月を大きく撮影したいなら双眼鏡を使おう
双眼鏡とスマホを一緒に使えば、月をさらに大きく撮影することができます。
撮影方法はシンプルで、双眼鏡のピントを合わせた後、接眼レンズにiPhoneのレンズを合わせてシャッターを切れば良いだけ。
つまり、双眼鏡をスマホの望遠レンズとして利用するということです。
双眼鏡とスマホがブレないように注意して合わせてくださいね。
もし本格的に月を大きく撮影したいのであれば、スマホ用の外付け望遠レンズを使うと良いでしょう。三脚も一緒に用意すれば、より安定したブレのない写真を撮影できるはずです。
手持ちのスマホで月の撮影にチャレンジしよう!
今回の記事を読んで、「スマホのカメラで月を綺麗に撮るのは大変なんだなぁ」と思われた方も多いはず。
確かに簡単な工程ではありませんが、今回解説した内容は、月以外の被写体を撮影するときにも応用できるものばかりです。
しっかりマスターすれば、写真撮影の腕が確実にアップしますよ!
ぜひスマホで月の撮影にチャレンジして、素敵な写真をSNSなどでシェアしてくださいね。