
キャリアの方は、公式のオンラインショップを利用すれば事務手数料が不要で通常のショップよりお得に購入できます。
本記事では、2021年12月に公開されたデータを元に、4キャリアの契約者数ランキングをまとめています。
楽天モバイルの参入やオンライン専用ブランド/プランの誕生によって、2021年は契約者数にも大きな動きがありました。
「おすすめランキング」などとはまた違った客観的なランキングですので、通信業界の動向そのものに関心のある人にとっては、特に面白い記事だと思います。
トップ画像引用元:NTTドコモ ホーム
携帯キャリア契約者数ランキング【2022年最新】
MMD総研が2021年11月15日~11月17日の期間、18歳~69歳の36,006人の男女を対象とした「2021年12月通信サービスの利用動向調査」を実施したところ、4キャリアの契約者数ランキングは次のようになりました。
- 1位:NTTドコモ(メイン利用率35.2%)
- 2位:KDDI(メイン利用率26.2%)
- 3位:ソフトバンク(メイン利用率21.5%)
- 4位:楽天モバイル(メイン利用率7.8%)
NTTドコモのメイン利用率はドコモとahamoを合わせた数字です。
同様に、KDDIのメイン利用率はauとpovo、UQモバイルを、ソフトバンクのメイン利用率もソフトバンクとLINEMO、ワイモバイルを合わせた数字になります。
つまり、すでにオンライン専用ブランド/プランや、いわゆるサブブランドも含まれた上でのランキングです。
それでも1位はNTTドコモでした。従来のイメージ通りといえばイメージ通りな結果になっていますね。
なお全部合わせても90.7%にしかならないのは、残りの9.3%がキャリアではなくMVNO(いわゆる格安SIMの会社)だからです。
本ブランド限定の契約者数ランキング
各社の本ブランドであるドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルに絞った場合、メイン利用率のランキングは次のようになります。
- 1位:ドコモ(メイン利用率30.9%)
- 2位:au(メイン利用率19.9%)
- 3位:ソフトバンク(メイン利用率12.5%)
- 4位:楽天モバイル(メイン利用率7.8%)
本ブランドではNTTドコモのドコモが2位のauに10ポイント以上の差をつけています。
一方、ソフトバンクと楽天モバイルの差が4.7ポイントしかないなど、楽天モバイルが急速に契約者数を獲得していることも伺えます。
本ブランド以外の契約者数ランキング
各社の本ブランドであるドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルを除いた場合、メイン利用率のランキングは次のようになります。
- 1位:ワイモバイル(メイン利用率8.3%)
- 2位:UQモバイル(メイン利用率4.5%)
- 3位:ahamo(メイン利用率4.3%)
- 4位:povo(メイン利用率1.8%)
- 5位:LINEMO(メイン利用率0.7%)
ソフトバンクのワイモバイルが圧倒的です。
本ブランドのソフトバンクが12.5%ですから、そのうちワイモバイルがソフトバンクの中で1番になってしまいそうな気配すらありますね。
2位はKDDIのUQモバイルですが、3位のNTTドコモのオンライン専用ブランド/プラン・ahamoが猛追しています。
KDDIとソフトバンクのオンライン専用ブランド/プランはいずれも苦戦しており、特にLINEMOのメイン利用率は1%にも達していません。
すでにワイモバイルやUQモバイルを契約してる人たちにとって、わざわざpovoやLINEMOに乗り換えるほどの魅力はないということなのでしょうか?
携帯会社を選ぶならどこがいい?それぞれの特徴を解説
ここまで、4キャリアの契約者数ランキングを紹介してきました。
- 1位:NTTドコモ(メイン利用率35.2%)
- 2位:KDDI(メイン利用率26.2%)
- 3位:ソフトバンク(メイン利用率21.5%)
- 4位:楽天モバイル(メイン利用率7.8%)
しかし、なぜ1位はNTTドコモなのでしょうか。
この順位になっている理由はなんなのでしょうか。
考察を交えながらそれぞれのキャリアを紹介します。
NTTドコモの特徴
NTTドコモの最大の特徴は、なんといっても元は日本電信電話公社(電電公社)という国営企業だったことでしょう。
そのためもっとも長く通信サービスを提供してきており、良くも悪くも国との結びつきが強いです。
総務省への違法接待も2021年には発覚してしまいましたね。
歴史が長く権威もあるため、消費者からすると「なんだか1番良さそう」という(漠然とはしていますが)安心感があります。
実際、今でも山などではもっとも繋がりやすいといわれることが少なくありません。
とりあえず選んでおけば間違いないというイメージが契約者数にも現れているのだと思います。
KDDIの特徴
KDDIは、2000年に第二電電、ケイディディ、日本移動通信が合併して発足した会社です。
NTTドコモに次ぐ歴史を持ったキャリアとなります。
現在も「2番手」なのは、やはりそのイメージが強いからでしょう。
NTTドコモとKDDIの契約者数は、「よくわからないから昔から変えてない」という消費者にも支えられていることは間違いないはずです。
また、繋がりやすさもNTTドコモと並んで評価されることが多いです。
ソフトバンクの特徴
ソフトバンクは2005年にキャリアとして参入した会社です。
日本で初めてiPhoneを販売した通信会社でもあります。
NTTドコモやKDDIとは違って「新興企業」のイメージがまだあることや、グループ全体としては通信事業以外にも柱となる事業がいくつもあるのが特徴です。
しかしそのためか、通信事業者としてはNTTドコモやKDDIに劣るイメージもないわけではありません。
両者と比べたら繋がりにくいといわれることが度々あります。
人口カバー率は99%以上なんですけどね。
楽天モバイルの特徴
楽天モバイルは、2020年にキャリアとして参入したばかりの会社です。
NTTドコモ・KDDI・ソフトバンクが価格競争をせずに、消費者から「談合3兄弟」などと批判を受けていた現状を打破するため、第4のキャリアとして参入が認められました。
そして他社なら1万円近くはする無制限プランを3,278円で提供し、市場に大きな衝撃を与えました。
その後に各社が値下げを発表したり、ahamoのようなオンライン専用ブランド/プランが誕生したりしたのは、楽天モバイルのおかげだと評価されています。
今でも楽天モバイルを上回る安さのところはありません。
しかし繋がりやすさでは3社と比べて明らかに劣っており、個人的にはシェア率7.8%という数値は「予想よりも高い」と感じました。
筆者も契約してはいますが、メイン利用ではなくサブ利用に留めています。
携帯キャリアを選ぶ時のポイントは?
NTTドコモ・KDDI・ソフトバンクに関しては、シンプルに安さで選べば良いと思います。
一般の消費者に力説するほどの違いが、キャリア単位では正直ありません。どこも人口カバー率99%以上ですから。
「ガソリンスタンドを選ぶ時のポイントは?」と聞かれているようなものです。「なんだっていいけどなるべく安いところ」と多くの人が思うでしょう。
ちなみに安さという点でおすすめなのは、基本料金0円から使えるKDDIのpovoですね。
ただし、携帯回線を固定回線の代わりに使おうとしている場合は、ドコモの5Gギガホ プレミアを強くおすすめします。
au・ソフトバンクの無制限プランと違い、テザリングでも無制限に使えるからです。
楽天モバイルもプランはとてもおすすめなのですが、なんといっても繋がりにくさが気になります。
繋がりさえすれば1番おすすめなので、自身の生活圏で繋がるのかどうかを確認した上で契約しましょう。
- NTTドコモ・KDDI・ソフトバンクは安さで選んでいい
- KDDIのpovoがその中だともっとも安い
- 固定回線の代わりにしたいならドコモの5Gギガホ プレミア一択
- 繋がりさえするなら楽天モバイルもおすすめ
それぞれのキャリアがおすすめな人の特徴
最後に、それぞれのキャリアがおすすめな人の特徴を紹介します。
「どのキャリアを契約しようか迷っている」という方は、ぜひ参考にしてください。
NTTドコモがおすすめな人
NTTドコモがおすすめなのは、繋がりやすさで不便を覚えたくない人です。
今でもNTTドコモが1番繋がりやすいという評判は少なくありません。
もちろん中には「他社だと繋がるけどNTTドコモでは繋がらない場所」もあるでしょう。
が、そういう時でも「NTTドコモで繋がらないなら仕方ないか」と納得しやすいと個人的には思います。
楽天モバイルで繋がらなかったら「やっぱり楽天モバイルはダメだな」となってしまいそうですが。
また、ドコモの5Gギガホ プレミアは、現状では唯一本当に制限のない無制限プランです。
月額は7,315円と安くはないものの、固定回線の代用としても期待できます。
ただしオンライン専用ブランド/プランのahamoは3Gに非対応なので要注意です。
本ブランドのドコモでは繋がる場所でも、ahamoでは繋がらない場面があるかもしれません。
- 繋がりやすさに不便を覚えたくない人
- 5Gギガホ プレミアを固定回線の代わりにしたい人
KDDIがおすすめな人
KDDIがおすすめなのは、povoを契約したい人です。
povoは基本料金0円から使え、データ通信したい時は必要な分だけその都度トッピング(追加購入)するという、他にはない個性的なオンライン専用ブランド/プランです。
トッピングの料金も安いので、povoに乗り換えるだけで大幅な節約になる人は多いことでしょう。
330円で24時間データ使い放題のトッピングも非常に好評です。
ただしpovoはオンライン専用ブランド/プランのため、auショップなどの店舗ではサポートを受けられません。
- データ使い放題:330円(24時間)
- 1GB:390円(7日間)
- 3GB:990円(30日間)
- 20GB:2,700円(30日間)
- 60GB:6,490円(90日間)
- 150GB:12,980円(180日間)
- povoを契約したい人
- オンライン専用で構わない人
ソフトバンクがおすすめな人
ソフトバンクがおすすめな人は、ワイモバイルを契約したい人です。
ワイモバイルはオンライン専用ブランド/プランではないので、よくソフトバンクショップと一緒にワイモバイルショップも展開されています。
ショップのお世話になることが多い人には、オンライン専用ブランド/プランよりおすすめです。
料金もドコモ・au・ソフトバンクよりずっと安いですし、月額508円のYahoo!プレミアム会員に無料でなれるという特典もあります。
この特典はソフトバンクでも受けられるものではありますが。
- 3GB:2,178円
- 15GB:3,278円
- 25GB:4,158円
- ワイモバイルを契約したい人
- Yahoo!プレミアム会員に無料でなりたい人
楽天モバイルがおすすめな人
楽天モバイルがおすすめなのは、自身の生活圏で楽天モバイル回線が繋がる人です。
楽天モバイルは繋がりさえするなら最強のキャリアです。
プランは毎月使った分だけ支払う従量課金制で、1GB以下の月はなんと0円。
逆にどんなに使っても3,278円で済みます。
また楽天モバイルを契約すると、楽天市場でのポイント還元率が1%アップします。
- ~1GBの月:0円
- 1~3GBの月:1,078円
- 3~20GBの月:2,178円
- 20GB~の月:3,278円
- 自身の生活圏で楽天モバイル回線が繋がる人
- 楽天市場をよく使う人
自分の用途やニーズに合ったキャリアを選ぼう!
以上、2021年12月に公開されたデータを元にした、4キャリアの契約者数ランキングでした。
- 1位:NTTドコモ(メイン利用率35.2%)
- 2位:KDDI(メイン利用率26.2%)
- 3位:ソフトバンク(メイン利用率21.5%)
- 4位:楽天モバイル(メイン利用率7.8%)
今でも1位はNTTドコモです。
あまり意外性がないので、キャリア単位で見るとそこまで面白みのないランキングかもしれません。
しかし細かく見ると、楽天モバイルやahamoが下から猛追していることがわかります。
楽天モバイルが参入してからもうすぐ2年が経ちますが、やはり通信業界に与えている影響は大きいといえそうですね。
今後楽天モバイル回線のエリアが広まれば、間違いなくまた契約者数を伸ばすことでしょう。
その時に他社にまた動きがあるのかなど、引き続き通信業界の動向に注目していきたいですね。
本記事内でご紹介したデータは、MMD研究所からの引用です。
調査に関する詳細まで知りたい場合は、引用元であるMMD総研の以下の記事も合わせてご覧ください。
» 激化する通信業界の動向と今後の展望
» 2021年12月通信サービスの利用動向調査