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2019年4月15日、ドコモは「最大4割値下げ」と謳う新プランを発表しました。ドコモ新料金プランの提供は2019年6月1日からです。
一方、従来のプランやサービスの多くが新プラン提供と同時に新規受付終了することも決まりました。そのため、新プランは本当に従来プランよりお得なのか、といった疑問を持つ方も多いようです。
このページでは、ドコモ新料金プランについて、主に従来のプラン・サービスが終了してしまうという観点から、デメリットについて考察していきます。
トップ画像引用元: 料金シミュレーション | 料金・割引 | NTTドコモ
1 ドコモ新料金プランは「分離プラン」
画像引用元:これからはシンプル2択。ギガホ、ギガライト | 料金・割引 | NTTドコモ
2019年6月1日から提供されるドコモ新料金プランは、なんといっても「分離プラン」であることが目玉です。
分離プランとは、通信料金と機種代金を完全に切り離して考える料金体系のことです。
これまでのドコモのプランは、通信料金と機種代金を混ぜこぜにして、一体何にいくらかかっているのか、実際は月々いくら払うことになるのかが非常に分かりにくいと指摘されてきました。
また、詳しくは後述しますが、従来のプランは定期的に新機種を購入するユーザーが優遇され、それ以外のユーザーが不公平さを感じていたことも大きな問題となっていたのです。
そこで、わかりにくさと不公平さを一気に解決する方法として総務省が要請していたのが、今回の分離プランなのです。
分離プラン=普段のお買い物と同じ料金体系
「分離プラン」と口にすると難しそうですが、日常の買い物はむしろ「(あえて言うなら)分離プラン」であることが普通です。
例えばエアコンなら、エアコンという製品の代金と、家の電気代は別々に支払っていますよね。車とガソリンにしても同じです。
「携帯電話の通信料金は通信料金として、また機種代金は機種代金として、別々に扱うようにしましょう」というのが、分離プランの最大の特徴です。
1-1 従来のプラン・サービスは新規受付終了
2019年6月1日からの分離プラン提供に伴い、いくつかのプラン・サービスが2019年5月31日に新規受付を終了します。
終了するものは以下のとおりです。
- 月々サポート
- 端末購入サポート
- 機種変更応援プログラム
- 機種変更応援プログラムプラス
- docomo with
- ウェルカムスマホ割
ドコモは分離プランによって最大4割安くなると言っていますが、これだけのプラン・サービスが一気になくなるわけですから、心配になるユーザーがいるのは当然でしょう。
特に懸念されているのが「月々サポート」「端末購入サポート」「docomo with」の廃止によって、逆に値上げになるのではないかという点です。
本記事では、主にこの点について考察していきます。
2 分離プランのせいで機種代金が高くなるって本当?
画像引用元:キャンペーン・特典詳細(月々サポート) | ドコモオンラインショップ | NTTドコモ
「月々サポート」「端末購入サポート」「docomo with」というのは、いずれも何らかの形で機種購入を促すサービスでした。
特に「月々サポート」「端末購入サポート」が廃止されることによって、機種代金が高くなるのではないかと現状では懸念されています。
2-1 月々サポートとは
月々サポートとは、機種ごとに通信料金の割引額を設定し、新しく機種を購入すれば毎月の通信料金が安くなるというサービスです。
ちょっと悪い言い方をすれば「通信料金の割引」を「機種代金の割引」に置き換えて「実質負担額」をアピールする商法を支えていたサービスでもあります。
このサービスでは、割引回数が24回だったことから、ユーザーにとっては「2年縛り」であるのと同時に「25ヶ月目以降も同じ機種を継続して使うのは損になる」という状況も生んでいました。
そのため、きっちり2年ごとに新機種を買い直すユーザーは常に恩恵を受けられる一方、ひとつの機種を長く大切に使いたいユーザーは、25ヶ月目以降に割引のない高い通信料金を払う羽目になっていたのです。
良くも悪くも、従来のドコモの「一体型プラン」の象徴であると言えるでしょう。
2-2 端末購入サポートとは
端末購入サポートとは、機種代金を割引するサービスです。縛りも1年間で済みます。
ただし、月々サポートとの両立はできないため、実際にドコモに支払う料金(機種代金+通信料金)は月々サポートと比較してプラマイゼロになることも多いものでした。
2-3 docomo withとは
画像引用元:キャンペーン・特典詳細(docomo with) | ドコモオンラインショップ | NTTドコモ
ドコモが指定する対象機種の購入および使用を条件に、月々の料金が1,500円割引されるというサービスです。
対象機種を使用している間は、ずっと割引期間であるということが大きな特徴。docomo withの対象となった機種の売れ行きは好調だったようです。
なお、docomo withも月々サポートや端末購入サポートとの併用はできません。
2-4 「機種代金が高くなる」は誤解
docomo withは少し毛色が異なりますが、月々サポートと端末購入サポートに関しては、せっかくだから新しい機種に買い替えようと強く思わせるサービスだったことは間違いありません。
しかし、この機種購入による割引が分離プラン導入によってなくなるわけです。
新機種を買う動機が弱くなるのはもちろん「機種代金が高くなる」と認識するユーザーが出てきても、何ら不思議ではないでしょう。
ただ先ほど解説した通り、月々サポートとdocomo withでは、機種代金の割引は一切していません。
よって「分離プランのせいで機種代金が高くなる」というのは誤解です。
3 実際、ドコモの分離プランは安いのか?
画像引用元:報道発表資料 : 新料金プラン「ギガホ」「ギガライト」を提供開始
月々サポートのような、従来の割引サービスの新規受付を終了してまで登場する分離プラン。実際のところ、本当に安くなるのでしょうか。
ドコモが発表したプランは「ギガホ」と「ギガライト」の2つで、料金体系は以下のようになっています。
新料金プランの通信量と料金
プラン名 | 月に使える データ量 | 月額料金 | 内容 |
---|---|---|---|
ギガホ | 30GB | 6,980円 | データを30GBまで使用できる定額制。 30GB超えた後も通信速度は最大1Mbps。 |
ギガライト | ~7GB | 5,980円 | データを使った分だけ料金が加算される従量課金制。 |
~5GB | 4,980円 | ||
~3GB | 3,980円 | ||
~1GB | 2,980円 |
新料金プランの通話と料金
オプション名 | 料金 | 内容 |
---|---|---|
なし | 0円 | 家族間国内通話:無料 上記以外の国内通話:30秒につき20円 |
5分通話無料 オプション | 700円 | 1回5分以内の国内通話:無料 1回5分以上の家族間国内通話:無料 1回5分以上の家族以外への国内通話: 30秒につき20円 |
かけ放題 オプション | 1,700円 | 国内通話無料 |
上の通信量と通話の料金の合算が月の支払いとなります。新しい機種を購入したかどうかや、どの機種を購入したかは利用料金に関わってきません。
一方、従来のプランは次のようになっています。
旧料金プランの通信量と料金
従来のプラン名 | 対象ユーザー | 月額料金 |
---|---|---|
ウルトラシェアパック100 | 家族向け | 25,000円 |
ウルトラシェアパック50 | 16,000円 | |
ウルトラシェアパック30 | 13,500円 | |
ベーシックシェアパック | 6,500円~ 15,000円 |
|
ウルトラデータLLパック | 単体向け | 8,000円 |
ウルトラデータLパック | 6,000円 | |
ベーシックパック | 2,900円~ 7,000円 |
旧料金プランの通話と料金
プラン名 | 月額料金 | 内容 |
---|---|---|
シンプルプラン | 980円 | 家族間国内通話:無料 上記以外の国内通話:30秒につき20円 |
カケホーダイ ライトプラン | 1,700円 | 1回5分以内の国内通話:無料 1回5分以上の家族間国内通話:無料 1回5分以上の家族以外への国内通話:30秒につき20円 |
カケホーダイプラン | 2,700円 | 国内通話無料 |
新旧プランの概要を表にまとめてみましたが「これだけ見せられても困る!」という方が大半かと思います。
そこで次の章では、さらに詳しく分離プラン VS 従来プランの料金を比較していきます。
3-1 毎月の通信量は3~5GB、通話時間は0秒のケース
もう少し具体的に料金の比較を行ってみましょう。
例えば毎月の通信量は3~5GBで、通話時間は0秒のユーザーであれば、新プランと旧プランでは以下の差が出てきます。
項目 | 旧料金プラン | 新料金プラン | 新・旧プラン の差額 |
---|---|---|---|
データプラン料金 | 5,000円 | 4,980円 | - |
通話プラン料金 | 980円 | 0円 | - |
オプション料金 | 500円 | 0円 | - |
インターネット 接続サービス | 300円 | 0円 | - |
月額合計 | 6,780円 | 4,980円 | -1,800円 |
年額合計 | 81,360円 | 59,760円 | -21,600円 |
旧プランは「ベーシックパック(3~5GB)」、新プランは「ギガライト(3~5GB)」での比較です。
結果、同じ利用状況にもかかわらず、分離プラン「ギガライト」のほうが月額で1,800円、年額だと21,600円も安くなることがわかりました。
ただし、これは月々サポートもdocomo withも適用されていないケースでの比較です。
docomo withはこのケースで適用されても分離プランに勝てません。しかし、1,800円以上の月々サポートが適用されていれば、分離プランより安くなるでしょう。
ちなみに、iPhone XS(64GB)を購入すると、毎月2,457円×24回の月々サポートが適用されるので、従来のプランのほうが安くなります。
3-2 毎月の通信量は20GB、通話時間は0秒のケース
今度は「ギガホ」と従来のプランを比較してみましょう。「ウルトラデータLパック(20GB)」VS「ギガホ」です。
ギガホは2019年9月30日までに申し込むと、最大6ヶ月間にわたり毎月1,000円が割引される「ギガホ割」を利用できます。今回はこのギガホ割を適用して計算しました。
項目 | 旧料金プラン | 新料金プラン | 新・旧プラン の差額 |
---|---|---|---|
データプラン料金 | 6,000円 | 5,980円 7ヶ月目以降: 6,980円 | - |
通話プラン料金 | 980円 | 0円 | - |
オプション料金 | 500円 | 0円 | - |
インターネット 接続サービス | 300円 | 0円 | - |
月額合計 | 7,780円 | 5,980円 7ヶ月目以降: 6,980円 | -1,800円 7ヶ月目以降: -800円 |
年額合計 | 93,360円 | 77,760円 | -15,600円 |
なんと、ギガホ割適用期間中は新プランのほうが毎月1,800円、ギガホ割がなくても毎月800円ほど安くなる結果に。
ただし、これも月々サポートまたはdocomo withが適用されていないケースでの比較です。ギガホ割適用期間が過ぎたら、docomo with(-1,500円)には負けてしまいます。
3-3 結局、分離プランは損なの?
ここまでの比較を見れば「分離プランにしない方が安いのでは?」と感じますよね。
実際、上でも記したように、iPhone Xs(64GB)を購入するようなケースであれば、分離プランのメリットは実感しにくいでしょう。
特に、これまで2年ごとに機種変更してきたユーザーにとっては、月々サポートの受付終了は痛手になってしまうかもしれません。
でも機種代金って高いよね……
月々サポートやdocomo withを使えば、月々の利用料金が分離プランより安くなるケースは確かに存在します。しかし、「だから分離プランは損だ」と考えるのは早計です。
なぜなら、月々サポートやdocomo withを適用するには、ドコモからスマホを購入しなくてはいけないからです。
iPhone XS(64GB)を購入すれば、毎月2,457円×24回の月々サポートが受けられます。しかしそもそもiPhone XS(64GB)を買うのに128,952円の費用がかかりますよね。
対して、分離プランなら機種を購入しなくても料金が安くなるのです。同じものを長年使い続けてもいいですし、誰かのお下がりをもらっても良いでしょう。
従来の月々サポートなどの割引額は確かに大きいものです。一方で、割引を受けるために新しいスマホを買わなくてはいけないというのは、改めて考えてみればおかしな構図とも言えます。
「分離プランのせいで機種代金が高くなる」のは誤解であると先に述べましたが、そもそも分離プランなら機種代金を気にする必要がありません。
新しい端末を持つことにこだわらないのであれば、ユーザーは機種代金を「0円」で済ますこともできるのです。
4 結論を出すのはまだ早い!夏まで静観もあり!
以上、ドコモ新料金プランと、新規受付終了する従来のプラン・サービスとの比較でした。
今回の話をまとめると以下のようになります。
- 分離プランによって通信料金と機種代金は明確に分けられる。
- 通信料金だけで見れば、月々サポートやdocomo with適用時のほうが安いケースもある。
- しかし、それら割引サービスを受けるためには、ドコモから機種を買わなくてはいけない。
- 分離プランなら割引のために機種購入を強いられることはない。
- 定期的に新機種に買い替えたいユーザーにとってはデメリットかもしれない。
このように、ドコモの新旧プランについては、どちらが得でどちらが損と言い切れるものではなく、ユーザー個々の機種購入に対するスタイルで結論は変わってきます。
2年ごとにきっちり新機種に買い替えたいユーザーにとって、新プランの導入は痛手になり得ます。しかし、このようなユーザーはどちらかといえば、少数派でしょう。
よって、分離プランの導入は多くのユーザーに恩恵があると考えられます。
事実、分離プランを発表したドコモは、19年度は5,750億円もの減益を想定しているとも発表しています。つまり、分離プランによってそれだけの巨額がユーザーに還元されることになるというわけです。
駆け込み機種変更は本当にお得か?
すでにドコモ・吉澤社長は月々サポートなどに代わる端末購入補助の導入を予告しています。
詳細は夏の新機種の発表と同時に明かされる線が濃厚なので、この発表を待ってから機種変更を検討するのもアリでしょう。
月々サポートやdocomo withの新規受付終了前の駆け込みを勧める論調もありますが、本当にそのほうが得なのかは現状では断言できません。