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2023年5月時点で、日本国内にはドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイルの大手4キャリアが存在します。
それぞれ競争しつつ通信サービスを日々改善しているので、今どのキャリアが人気なのか気になる方も多いのではないでしょうか?
そこで、今回は4キャリアの中からソフトバンクをピックアップしてシェア率とこれまでの推移を紹介します。
なお、本記事の内容は2023年3月24日に総務省が公表した「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表(令和4年度第3四半期(12月末))」を参考にしています。
- 2022年12月末時点のソフトバンクシェア率は20.9%(前回比 -0.1%)
- MVNOを含めるとソフトバンクシェア率は25.7%(前回比 +0.4%)
- 契約数に直すと約4,336万契約
- ソフトバンクのシェア率は、2021年以降は横ばい
トップ画像引用元:ソフトバンク
【2022年12月末】ソフトバンクのシェア率は20.9%
画像引用元:新料金プラン・メリハリ無制限 | スマートフォン・携帯電話 | ソフトバンク
総務省が発表した「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表(令和4年度第3四半期(12月末))」によると、2022年12月末時点のソフトバンクのシェア率は以下の通りです。
- MVNOを除く: 20.9%
(前回比 -0.1%、前年同期比 ±0%) - MVNOを含む: 25.7%
(前回比 +0.1%、前年同期比 +0.4%)
この数値は、ソフトバンク株式会社が提供している「メインブランド契約」「オンラインブランド(LINEMO)契約」「サブブランド(ワイモバイル)」契約を合算した数値です。
ソフトバンク回線の内訳
ソフトバンクには、前述した「メインブランド契約」「オンラインブランド(LINEMO)契約」「サブブランド(ワイモバイル)」の3ブランドがありますが、詳しいシェア率の内訳は発表されていません。
ただ、2021年第1四半期決算で、ワイモバイルの契約数が約700万契約、LINEMOが50万契約未満と発表されています。
それ以降のワイモバイル契約数およびLINEMOの正確な契約数は公開されていないため、2023年現在の実数は不明です。
ワイモバイルおよびLINEMOの契約者数が大きな変動をしていないと仮定すると、各ブランドの移動体通信全体に対するシェア率は概ね以下のようになります。
- メインブランド: 約17.28%
- ワイモバイル: 約3.3%
- LINEMO: 約0.24%
依然としてメインブランドであるソフトバンクが強いことがわかります。
ワイモバイルも比較的好調とはいえ、スマホシェア全体ではそこまでのシェアを獲得していないことがわかります。
ちなみに、ソフトバンク回線のMVNO(格安SIM)のシェア率は4.8%で、前年同期と比較して0.4%シェアを伸ばしています。
ドコモ/au/楽天モバイルのシェアと比較
次に、他キャリアとシェア率を比較してみましょう。
2022年12月末時点におけるシェアは以下の通りです。
MNO | MVNOを除く | MVNOを含む |
---|---|---|
ソフトバンク | 20.9% | 25.7% |
ドコモ | 36.1% | 41.7% |
au | 27.0% | 30.4% |
楽天モバイル | 2.2% | - |
4キャリアのうち、最もシェアが低いのは楽天モバイルです。
楽天モバイルはサービスインしたのが2020年4月と新しいキャリアなので、この結果はある意味当然です。
それ以外の3キャリアの中ではソフトバンクのシェアが最も低いものの、極端に低いわけではありません。
ソフトバンクの契約件数は約4,336万件
画像引用元:製品情報 | スマートフォン・携帯電話 | ソフトバンク
携帯電話業界の状況を掴むにあたり、シェア率はとても分かりやすい指標になります。
しかし、実際にどれくらいの人がその会社と契約しているのかを知るには、シェア率から実際の契約数を計算しなければなりません。
そこで、ここではソフトバンクの契約数を計算してみましょう。
ソフトバンク回線全体の契約数
2022年12月末時点の携帯電話契約数は、総務省「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表(令和4年度第3四半期(12月末))」によると、およそ2億747万契約でした。
この数字にソフトバンクのシェア率である20.9%をかけると、約4,336万契約であることがわかります。
MVNOを含めた場合は25.7%になるため、約5,331万契約です。
ブランド別の契約数は非公開
先程、決算説明会でワイモバイルが700万契約、LINEMOが50万契約であることに触れましたが、これは2021年の決算説明会で言及された数値です。
ソフトバンクは契約者数に関する数値を原則非公開としており、それ以降の契約数については公表されていません。
「改めて公表するほど大きく変動していない」と仮定すると、オンライン専用ブランドとして登場したLINEMOは、契約者数が伸び悩んでいるのかもしれません。
ソフトバンクのシェア率の推移
次に、ソフトバンクのシェア率がこれまでどのように推移してきたかをチェックしていきましょう。
今回は、総務省が発表した資料に基づいて2018年3月~2022年12月にかけてのシェア率の推移を紹介します。
シェア率の推移を示したグラフは以下の通りです。
画像引用元:総務省|報道資料|電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表 (令和4年度第3四半期(12月末))
この資料からソフトバンクのシェア率をチェックしていきましょう。
2021年以降は大きな変動なし
- 2018年3月: 22.0%
- 2019年3月: 21.9%
- 2020年3月: 21.2%
- 2020年9月: 21.0%
- 2020年12月: 21.0%
- 2021年3月: 20.8%
- 2021年12月:20.9%
- 2022年3月:21.1%
- 2022年6月:21.2%
- 2022年9月:21.1%
- 2022年12月:20.9%
楽天モバイルがサービスインした2020年でシェア率を若干落としましたが、2021年以降は概ね21%前後で横ばいです。
2018年から比較すると微減しましたが、ここ数年はシェアに大きな変動はありません。
ドコモ・auは横ばい
続いて、ドコモ/auのシェア率推移もチェックしましょう。
時期 | ドコモ | au |
---|---|---|
2018年3月 | 39.4% | 27.9% |
2019年3月 | 38.5% | 27.6% |
2020年3月 | 37.7% | 27.9% |
2020年9月 | 37.2% | 27.8% |
2020年12月 | 37.1% | 27.6% |
2021年3月 | 37.0% | 27.2% |
2021年12月 | 36.6% | 27.1% |
2022年3月 | 36.3% | 27.1% |
2022年6月 | 36.4% | 26.8% |
2022年9月 | 36.3% | 27.0% |
2022年12月 | 36.1% | 27.0% |
ドコモやauもソフトバンクと同様に、楽天モバイルが参入した2020年にシェア率を落としました。
しかし、それ以降はドコモもauも横ばいとなっています。
キャリアが失ったシェアは楽天モバイルへ
ドコモ・au・ソフトバンクの3キャリアは、2020年の楽天モバイル参入でシェア率を若干落としました。
一方で楽天モバイルのシェアは以下の通りになっており、サービスインから2022年3月までシェアが増加しています。
- 2020年9月: 0.6%
- 2020年12月: 0.8%
- 2021年3月: 1.5%
- 2021年6月: 1.9%
- 2021年9月: 2.1%
- 2021年12月:2.2%
- 2022年3月:2.4%
- 2022年6月:2.3%
- 2022年9月:2.2%
- 2022年12月:2.2%
一方、2020年3月~2021年12月のドコモ・au・ソフトバンクのシェア推移は以下の通りです。
- ドコモ: -0.7%
- au: -0.5%
- ソフトバンク: -0.9%
全キャリアの変動率を合計すると-2.1%で、2021年12月時点の楽天モバイルの市場シェア2.2%とほぼ一致します。
したがって、楽天モバイルサービス開始に伴い、2020年代は主に3キャリアから楽天モバイルに乗り換える人が多かったとわかります。
なお、2022年6月以降は「1GB未満0円」の終了に伴い、無料運用目当てのユーザーが乗り換えてシェア率が若干低下しています。
多くのユーザーが重視するのは通信品質
画像引用元:SoftBank 5G | スマートフォン・携帯電話 | ソフトバンク
ここまでに紹介したシェアをチェックすると、以下のような傾向があることがわかります。
- 楽天モバイルはしばらくシェア増加したが2%台とまだ少ない
- 3キャリアのシェアは楽天モバイルで若干下がって以降は横ばい
- MVNOは微増
これらを総合的に考慮すると、料金の安さを重視している人には楽天モバイルやMVNOが選ばれています。
しかし、ここ数年は3キャリアのシェアが横ばい傾向にあることから、通信品質が高いドコモ・au・ソフトバンクを選ぶユーザーがほとんど減っていないことがわかります。
実際にショップで受付けていると、「価格重視で乗り換えたけど、遅くてイライラするから戻る」というケースもかなり見受けられます。
以上のことから、多くのユーザーは通信品質を重視していると考えていいでしょう。
楽天モバイルは2023年後半にシェアを伸ばす可能性あり
楽天モバイルは2022年12月末のシェア率が2.2%ですが、2023年後半には一気にシェアが伸びる可能性があります。
というのも、楽天モバイル最大の弱点である「プラチナバンドがない」デメリットが解消される可能性があるからです。
- 2023年後期にプラチナバンド獲得の噂
- auローミングエリアも無制限になる「最強プラン」リリース
※従来はauエリアは5GBまで
楽天モバイルは「最強プラン」でauローミング中の制限がなくなります。
さらに、噂通りプラチナバンドを獲得すれば、料金的にはかなりお得感があるサービスとなります。
2023年9月・12月のシェア率は激変する可能性もゼロではないので、今後は楽天モバイルの動向をチェックしておいた方がいいかもしれません。
オンライン専用プラン「LINEMO」は要注目
画像引用元:LINEMOの料金プラン
ドコモ・au・ソフトバンクの3キャリアは、いずれもオンラインで販売・サポートすることを条件にした「オンライン専用プラン」をリリースしています。
ソフトバンクのオンライン専用プランはLINEMOで、他社のオンラインブランドと比較すると以下のような特徴があります。
- 料金プランが3GB・20GBの2つ
- LINEギガフリーに対応
うまく活用すれば、ソフトバンク回線の通信品質はそのままにしつつ料金を大幅に節約できます。
通信料金を抑えたい人は、ぜひ検討してみてください。
料金プランが3GB・20GBの2つ
項目 | スマホプラン | ミニプラン |
---|---|---|
月額基本料 | 2,728円 | 990円 |
データ通信容量 | 20GB | 3GB |
通信方式 | 4G・5G | |
速度制限時の通信速度 | 最大1Mbps | 最大300kbps |
音声通話 | 30秒22円 |
LINEMOでは、上記のようにプランが2つ用意されています。
データ通信量が3GB/月のプランなら月額990円と、一般的な格安SIMの3GBプランと同じ月額料金でソフトバンク回線が利用できます。
一方で、20GB/月のプランは月額2,728円とドコモ・auのオンライン専用プランと同等の料金設定です。
しかし、どちらのプランも1回5分通話無料の「通話準定額(月額550円)」が1年間無料で使えるメリットがあります。
ソフトバンクショップのサポートが受けられないデメリットが問題ないなら、積極的にLINEMOを検討していいでしょう。
LINEギガフリーに対応
LINEMOでは、どちらの料金プランでも「LINEギガフリー」の対象になります。
これによってLINEアプリを使用したメッセージや音声通話、ビデオ通話にかかる通信量は、月間通信量としてカウントされません。
通信制限がかかった状態でも通常の速度で利用できるので、LINEをよく利用する人にとってはうれしいポイントです。
通常の電話アプリもLINE通話も利用するなら、LINEMOがピッタリなプランとなるでしょう。
LINEMOの詳しい情報については以下でも解説しているので、ぜひあわせて参考にしてみてください。
ソフトバンクはここ数年ずっと21%前後のシェアを維持
今回は、ソフトバンクの契約者数・シェア率について解説しました。
総務省の統計では、2022年12月末のソフトバンクのシェアは、ドコモ・auに続いて第3位です。
今回チェックしたことを振り返ると、以下の通りです。
- 2022年12月末時点のソフトバンクシェア率は20.9%(前回比 -0.1%)
- MVNOを含めるとソフトバンクシェア率は25.7%(前回比 +0.4%)
- 契約数に直すと約4,336万契約
- ソフトバンクのシェア率は、2021年以降は横ばい
2020年は楽天モバイルが市場に参入で3キャリアのシェアが若干減少しました。
しかし、2021年以降は楽天モバイルのシェア率は伸び悩み、ソフトバンク含め3キャリアのシェア率はほぼ横ばいになっています。
実務上、楽天モバイル・MVNOからキャリアへの出戻りも多いことから、現時点では通信品質の高さでキャリアを選ぶ傾向が強いといっていいでしょう。
また、ドコモ・au・ソフトバンクのオンライン専用プランがお得に使えることも、キャリアのシェア率を支える要になっていそうです。
2023年後半は楽天モバイルのプラチナバンド獲得が噂されており、シェア率が動くかもしれません。
業界動向が気になる人は、ぜひ定期的にチェックしてみてください!