
ソフトバンク・au・ドコモの方は、公式のオンラインショップを利用すれば事務手数料が不要で通常のショップよりお得に購入できます。
この記事では、デュアルSIMの使い方や、デュアルSIM対応のおすすめスマホなどを紹介します。
iPhoneが2018年発売のiPhone XSから対応したり、最近になってXperiaやAQUOSがSIMフリー版で対応したりするなど、にわかに盛り上がりを見せているデュアルSIM。
筆者も実際にiPhone 12 ProをデュアルSIMで使っていて、電話番号を1台で2つ持っています。
- スマホ1台で2つのSIMを使うこと
- スマホ2台持ちの必要がなくなる
- 1台で電話番号が2つ持てる
- データ通信専用SIMで節約も可能
デュアルSIMとは
デュアルSIMとは、1台の端末に2つのSIMを入れて使うことです。
通常は、1台の端末に1つのSIMしか入れられないので、電話番号も通信回線も1台につき1つしか使えません。
そのため、電話番号を2つ持ちたい時には、スマホの2台持ちが必要になってしまいます。
しかしデュアルSIM対応の端末なら、電話番号も通信回線も1台で2つ使えるようになります。
スマホ2台持ちではなく1台にまとめられるので、携帯するのが楽になりますし、そもそも2台目を購入する必要もなくなります。
デュアルSIMの種類
デュアルSIMには、4つの種類があります。
もっとも使い勝手が良くておすすめできるのは「DSDV」です。
- DSSS
- DSDS
- DSDV
- DSDA
DSSS(Dual SIM Single Standby)
DSSSでは、SIMを2つ入れることができますが、実際に待ち受けするのは指定したどちらかのSIMのみとなります。
例えば電話番号を2つ持っていても、待ち受けするのは1つだけなので、もう片方の電話番号にかかってきても繋がりません。
待ち受けするSIMの切り替えは手動で行います。SIMカードを抜き差しして入れ替えることに比べれば楽です。
しかし、これならスマホ2台持ちのほうが良いでしょう。
DSDS(Dual SIM Dual Standby)
電話番号を2つ持っていたら、どちらにかかってきても繋がります。
しかし「4G+3G」の組み合わせでしか使えません。3Gなんて今さらな現在だと、実用性に乏しいと言えるでしょう。
ちなみに片方の電話番号で通話中の時は、もう片方にかかってきても繋がりません。
DSDV(Dual SIM Dual VoLTE)
DSDVは、DSDSの進化版です。「4G+4G」の組み合わせで使えます。
4Gなのは当たり前の現在において、今からデュアルSIMを使うならDSDV一択と言えます。iPhoneが対応しているのもDSDVです。
DSDA(Dual SIM Dual Active)
DSDAでは、片方のSIMが通信中であっても、もう片方のSIMも問題なく通信できます。
例えば片方のSIMの電話番号で通話中に、もう片方のSIMの電話番号にも着信があったとしましょう。
この時、DSDA以外ではもう片方のSIMの電話番号には繋がりません。しかしDSDAなら繋がります。
では、DSDAがもっとも優れているのかというと、それは違うので要注意。
DSDAは「4G+3G」の組み合わせでしか使うことができません。また、これに対応した端末は極めて珍しいので、実際に使うのはあまり現実的ではありません。
デュアルSIMのメリット
デュアルSIMのメリットは、スマホを2台持ちしなくて良くなることに集約されます。
スマホ1台で2つの電話番号を持てますし、音声通話付きSIMとデータ通信専用SIMを1台の中で使い分けることもできます。
具体的な有用な使い方については後述します。
デュアルSIMのデメリット
デュアルSIMのデメリットは、スマホ2台持ちのほうが便利な場面もあることです。
例えばDSDA以外のデュアルSIMでは、片方のSIMで通信中の時には、もう片方のSIMは通信できません。
しかしスマホ2台持ちならば、例えば片方で通話中の時、もう片方に着信があっても、(同時に通話するかは別にして)何かしら対応することができますよね。誰かに代わりに出てもらうこともできます。
このように、2台持ちだからこそ便利ということもあるのです。
またiPhoneの場合は、デュアルSIM中は5Gが使えないという問題もあります。
デュアルSIMは、「通信費が安くなる」と宣伝されたり解説されたりすることも多いのですが、2つのSIMを契約するわけですから、何も考えずに使えば支払い額は増えます。
ただ片方のSIMを格安プランにするなど、工夫ができるのは事実です。
デュアルSIMの使い方
それではデュアルSIMは、どのように組み合わせて使うのでしょうか。
デュアルSIMの有用な用途として一般的なのは、以下のような使い方です。
- 音声通話付きSIM+音声通話付きSIM
- 音声通話付きSIM+データ通信専用SIM
音声通話付きSIM+音声通話付きSIM
1台のスマホで2つの電話番号が持てるという、もっともシンプルな使い方です。
スマホを2台持つ必要がなくなるので、携帯性が高まります。
例えば、プライベート用の電話番号と仕事用の電話番号を分けつつ同時に携帯できるので、「仕事用のスマホは家に置いてきてしまった」なんて事態を防げます。
音声通話付きSIM+データ通信専用SIM
「デュアルSIMで安くなる」と宣伝・解説されるのは、主にこの使い方です。
さらに踏み込むと音声通話付きSIMは大手ブランドのまま、データ通信専用の格安SIMを契約する使い方がよく推奨されています。
「ドコモ・au・ソフトバンクは高いから不満だけど、解約するのは心配……」という人にうってつけです。
auと契約したまま節約する例
具体的に、以下の状況を想定してシミュレートしてみましょう。
- auでデータMAX契約中
- 料金が高くて不満
- 毎月10GB程度しか使っていない
- ピタットプランだと少なくてちょうどいいプランがない
- でもauを解約するのは不安
auのデータMAXプランは、月額7,650円で無制限に使えるプランです。
「毎月10GBくらいは使っているが、そのために7,650円は高い……。でもauを解約まではしたくない……」
その悩みは、auの料金プランをピタットプランに変更しつつ、データ通信専用の格安SIMを契約することで解決できるかもしれません。
auのピタットプランの料金は以下のようになっています。
ピタットプラン | |||
---|---|---|---|
容量 | ~1GB | ~4GB | ~7GB |
月額料金 (2年契約N適用時) | 3,150円 (2,980円) | 4,650円 (4,480円) | 6,150円 (5,980円) |
~1GBなら3,150円で使えます。
これに加えて、月額2,380円で使えるイオンモバイルのデータ通信専用12GBプランを契約し、auとイオンモバイルのデュアルSIMで使うとしましょう。
すると合計で5,530円になります。データMAXとの差額は2,120円です。
使えるデータ量はデータMAXより少なくなりますが、毎月10GB程度しか使っていないなら問題ありません。
筆者の使い方
筆者は現在、LINEモバイルの音声通話付き3GBプランと、楽天モバイルの音声通話付き無制限プランのデュアルSIMで使っています。
楽天モバイルは現在1年間無料キャンペーンが適用されていますが、ここでは元の料金で計算します。
楽天モバイルの料金プラン
Rakuten UN-LIMIT V | |||
---|---|---|---|
利用可能 データ量 | 無制限 | 1日10GBまで | |
月額料金 | 2,980円 | ||
国内通話料 | 通話30秒あたり20円 | Rakuten Link利用なら無料 | |
SMS送信料 | SMS送信料(国内) | 70文字あたり3円 (受信 無料) |
|
国際SMS | 無料 | Rakuten Linkでのみ 送信可能 |
LINEモバイルが月額1,480円、楽天モバイルが月額2,980円なので合計4,460円。
普段は楽天モバイルのほうでデータ通信するように設定しているので、この価格で無制限にデータ通信できます。しかも電話番号2つ持ち。
楽天モバイルが思った以上に快適なため、LINEモバイルは月額1,180円の500MBプランにすることも検討しています。そうすれば合計4,160円に。
楽天モバイルはまだエリアが狭くて心配という問題も、デュアルSIMなら解決できます。
筆者の場合は、楽天モバイル回線やパートナー回線(au回線)が繋がらない場所でも、LINEモバイルのソフトバンク回線がありますので。
デュアルSIMで最強の組み合わせはこれだ!
画像引用元:IIJmio eSIMサービス データプラン ゼロ | IIJmio
デュアルSIMで現状最強だと思える組み合わせを、「音声通話付きSIM+音声通話付きSIM」と「音声通話付きSIM+データ通信専用SIM」とに分けて紹介します。
「1つ目のSIM」はそれほどこだわらなくて良いかもしれまんが、「2つ目のSIM」は今なら楽天モバイルかIIJmioがおすすめです。
その理由は、楽天モバイルとIIJmioはeSIMに対応しているため、iPhoneでもデュアルSIMが使えるからです。
逆に言うとiPhoneでは、楽天モバイルかIIJmioを絡ませないとデュアルSIMにできません。
- イオンモバイル×楽天モバイル
- 大手ブランド×IIJmio
イオンモバイル×楽天モバイル
音声通話付きSIM+音声通話付きSIMで最強と考えられるのは、イオンモバイルと楽天モバイルの組み合わせです。
イオンモバイルが月額1,130円で500MB、楽天モバイルが月額2,980円で無制限。合計4,110円で、無制限の通信と電話番号2つ持ちが叶います。
筆者が実際に使っているLINEモバイル×楽天モバイルと似ていますが、ここでイオンモバイルを紹介するのは、そっちのほうが50円安くできるからです。
- イオンモバイル:月額1,130円で500MB
- LINEモバイル:月額1,180円で500MB
- IIJmio:月額1,180円で500MB
- mineo:月額1,310円で500MB
大手ブランド×IIJmio
どうしても音声通話付きSIMはドコモ・au・ソフトバンクを使いたい場合は、データ通信はIIJmioに任せて通信料を節約しましょう。
IIJmioはデータ通信専用のeSIMプラン「データプラン ゼロ」を提供しており、現状ではeSIMが使える唯一の格安SIMです。
IIJmioのeSIMプランは、使った分だけ支払う従量課金制。全く使わなかった月は150円、~1GBだと450円、~2GBでは900円……という具合に上がっていき、10GBまで使えます。
- 基本料金:月額150円
- ~1GBまで:300円追加
- ~2GBから:1GBごとに450円ずつ追加
- 最大10GB:最大月額4,500円
格安SIMの中ではむしろ高い部類ではありますが、eSIMに対応している唯一の格安SIMなので、iPhoneユーザーなら意識しておきたいところです。
デュアルSIM対応のおすすめiPhone
iPhoneでは、2018年に発売したiPhone XSからデュアルSIM(DSDV)に対応しています。
ただし、iPhoneに入れられる物理SIMカードは1枚だけ。そのため、物理SIM+eSIMという形でしかデュアルSIMにできません。
筆者も楽天モバイルはeSIMにすることでデュアルSIMにしています。
- iPhone 12
- iPhone 12 mini
- iPhone 12 Pro
- iPhone 12 Pro Max
- iPhone SE(第2世代)
- iPhone 11
- iPhone 11 Pro
- iPhone 11 Pro Max
- iPhone XS
- iPhone XS Max
- iPhone XR
eSIMの性能はどれも変わらないので、どれでも大丈夫です。
しかし今から買うのであれば、せっかくなのでiPhone 12シリーズか、最安のiPhone SE(第2世代)がおすすめです。
iPhone 12シリーズ
iPhone 12シリーズは、全モデルが有機ELディスプレイになった点が、iPhone 11シリーズ以前との大きな差です。
iPhone 5s以前のフラットデザインになったのも好評で、iPhone XSやiPhone 11をスルーしてきた層も、今回ついに買い替えるという声が少なくありません。
SoCが最新のA14 Bionicのため、動作もこれ以上にないほど快適。全スマホの中でもトップクラスの処理能力を誇ります。
iPhone SE(第2世代)
iPhone SE(第2世代)は、iPhone 8の型を使いつつ、iPhone 11シリーズと同じA13 Bionicを採用したモデルです。
Apple Storeで販売中の現行モデルでは最安でもあり、44,800円~購入できます。
顔認証ではなく指紋認証という点もポイントで、コロナ禍のせいでマスク着用が半ば義務化している現代においては、顔認証より断然便利だと評判です。
iPhone 12 Proを使っている筆者からしても、iPhone SE(第2世代)のように指紋認証があったらなあと外では常に感じています。
ソフトバンク・au・ドコモの方は、公式のオンラインショップを利用すれば事務手数料が不要で通常のショップよりお得に購入できます。
デュアルSIM対応のおすすめスマホ
画像引用元:ソニー公式サイト
AndroidスマホならデュアルSIM対応のものは少なくありませんが、ここでは特に人気の高いものを紹介します。
- AQUOS sense4
- Xperia 1 Ⅱ
- OPPO A5 2020
格安SIMの会社やメーカー公式ストアからだけでなく、ヨドバシカメラやビックカメラなど家電量販店でも購入できます。
いずれもSIMフリー版の話であり、ドコモ・au・ソフトバンクで販売されているものは別なのでご注意ください。
AQUOS sense4
画像引用元:AQUOS sense4 SIMフリーの特長|AQUOS:シャープ
AQUOS sense4のSIMフリー版は、デュアルSIM(DSDV)対応です。物理SIMを2枚入れられます。
ドコモでも売られていますが、それはシングルSIMなので注意。
ヨドバシカメラでは税込39,490円で発売中(記事作成時点)。
AQUOS sense4はSnapdragon 720を搭載したミドルレンジモデルで、重たいゲームをしないのであれば動作も十分に快適です。
防水・防塵でFeliCa(≒おサイフケータイ)にも対応と、比較的安価な価格で必要十分なスペックと使い心地を誇ります。
Xperia 1 II
画像引用元:Xperiaでスマホ改革 ソニーストアが、はじめます! | Xperia(TM) スマートフォン | ソニー
Xperia 1 IIもSIMフリー版のみデュアルSIM(DSDV)対応です。物理SIMを2枚入れられます。
ヨドバシカメラでは税込136,400円で発売中(記事作成時点)。
Xperia 1 IIはSnapdragon 865を採用したハイエンドモデルで、iPhone 12 Proにも負けないトップクラスのカメラ性能を有しています。
もちろん防水・防塵にFeliCa(≒おサイフケータイ)対応。
さらにドコモ・auで売られているものはRAM 8GB/ROM 128GBなのに対して、SIMフリー版はRAM 12GB/ROM 258GBとスペックが上がっています。
SIMフリーで入手できるデュアルSIM(DSDV)対応のAndroidスマホとしては、現状もっとも優れていると言えるでしょう。
OPPO A5 2020
画像引用元:OPPO A5 2020 – 超広角4眼カメラ | 5000mAhバッテリー | OPPO 日本
OPPO A5 2020もデュアルSIM(DSDV)対応で、物理SIMを2枚入れられます。
ヨドバシカメラでは税込24,800円、楽天モバイルでは税込22,020円で発売中(記事作成時点)。
防水・防塵ではありませんし、FeliCa(≒おサイフケータイ)にも非対応です。
SoCはSnapdragon 665なので、動作の快適さも最低限に留まります。少し重たいアプリなどではカクカクすることも多いでしょう。
だからこそ2万円台前半というお手頃価格で、デュアルSIMのお試し用としてもおすすめできます。
デュアルSIMで電話番号2つ持ち&節約!
以上、デュアルSIMについてでした。
- スマホ1台で2つのSIMを使うこと
- スマホ2台持ちの必要がなくなる
- 1台で電話番号が2つ持てる
- データ通信専用SIMで節約も可能
デュアルSIMにすることで、まずスマホ2台持ちの必要がなくなります。
また、大手ブランドの音声通話付きSIMは最安プランに変更しつつ、普段のデータ通信は格安SIMのデータ通信専用SIMに任せて節約という使い方も可能です。
ただiPhoneには物理SIMは1枚しか入れられないので、iPhoneでデュアルSIMにしたい場合は必ずeSIM対応の楽天モバイルかIIJmioを絡ませる必要があります。
デュアルSIMがより使いやすくなるよう、今後のeSIM普及にも期待です。
【1月最新】格安SIMキャンペーン比較|乗り換え・機種変更でお得な10社まとめ