
今月おすすめのポケット型WiFiはこちら!
ポケットWiFiも浸透し、ネット固定回線を自宅に引く代わりにポケットWiFiサービスを利用する家庭も増えてきました。
そんな中、最近話題の「クラウドWiFi」というものをご存知でしょうか?
通常のWiFiとは違い、「SIMカードの入れ替えなしに1台だけで国内や世界各国で使える」という便利さから注目を浴びているポケットWiFiサービスです。
クラウドWiFiとは何なのか、そして通常のWiFiとの違いやメリットとデメリットを解説します。
本記事では大容量の2023年おすすめポケット型WiFiを中心に、月額料金や特徴などを比較・紹介します。 現在、容量無制限で使えるポケット型WiFiは少なくなり、100GB〜300GBの大容量ポケット型WiFiが中心となりました。 […]
クラウドWiFi5つのメリットと2つのデメリット
まずは、クラウドWiFiの5つのメリットと2つのデメリットを簡単にまとめました。
- 1台の端末で世界各地のキャリアが使える
- 面倒な設定やレンタル手続きが必要ない
- 現在地で最も繋がりやすい回線が使える
- 通常のポケットWiFiとしても使用可
- 海外利用時はオンにした日のみ利用料発生
- 渡航先によってはSNSなどが使えないことも
- 通信速度が遅い
クラウドWiFiとは何なのかという点やメリットデメリットについてはこの後詳しく解説していきます。
クラウドWiFiとは?通常のWiFiとの違い
クラウドWiFiとは、「クラウドSIM」という次世代型通信技術が使われているポケットWiFiのことを指します。
通常のポケットWiFiは、回線の契約情報が記録されたSIMカードを端末に直接差すことで、その回線のインターネットが使えるようになります。
一方、クラウドWiFiでは端末ではなく、クラウドサーバー上で世界各地のキャリアのSIMカードが管理されています。
端末にはクラウドサーバーに現在地を知らせる役割を果たすSIMカードが装着されており、その現在地の情報を基に、クラウドサーバーが最適なSIMカードの情報を端末に送ることで、世界各国でインターネットが可能になります。
クラウドWiFiのメリット
クラウドWiFiを使うことで具体的にどんなメリットがあるのか解説していきます。
1台の端末で世界各地のキャリアが使える
クラウドWiFiの1つ目のメリットは、先にも紹介した通り、1台の端末だけで世界中の様々な地域でインターネットを利用できるようになることです。
通常のポケットWiFiだと、国を移動する度に現地のSIMカードを購入し差し替える必要があります。
また、レンタルポケットWiFiサービスを利用する場合でも、複数の国にまたがって利用する場合は1国ごとに1台のポケットWiFiをレンタルしないといけません。
その点、クラウドWiFiなら色々な国を移動する際も、複数のSIMカードやレンタルポケットWiFiを用意する時間や手間が必要ありません。
面倒な設定やレンタル手続きが必要ない
クラウドWiFiでは、どの国でどのSIMカードを使うのかはクラウドサーバー側で自動的に選択し、割り当ててくれます。
ユーザー側は、使いたい時に端末の電源をオンにするだけでOKです。
海外に行く際も購入したSIMカードのようにAPN設定をする必要はありませんし、端末のレンタル手続きも必要ありません。
また、海外に行く前にプランの変更や申請手続きをしなくても良いクラウドWiFiサービスもあります。
現在地で最も繋がりやすい回線が使える
現在地で複数の回線が利用できる場合、クラウドWiFiでは自動的に「最も電波が強い=繋がりやすい」回線のSIMカードを割り当てます。
例えば、日本国内ならドコモとauが利用できるエリアでドコモの方が繋がりやすい状態なら、自動的にドコモの回線に繋がるようにしてくれます。
海外でも同様に、一番電波状況の良い回線を自動で選んでくれるので、慣れない海外の回線の中から自分で選ぶ手間はありません。
これにより、1つの回線だけが使えるサービスよりも快適に使えるエリアが広くなります。
通常のポケットWiFiとしても使用可
クラウドWiFiを利用するのに、SIMカードを装着しなくても良いと紹介しました。
しかし中には、SIMカードスロットを備えた端末もあり、そうした端末は格安SIMやプリペイドSIMカードを差し込んで通常のポケットWiFiのように使用することもできます。
普段は格安SIMのモバイルルーターとして使用し、海外に行く時だけクラウドWiFiを使うというような使い方も可能です。
海外利用時はオンにした日のみ利用料発生
多くのクラウドWiFiでは、月額料金の他に、海外で利用した日数分だけ海外利用料が追加で請求されることになります。
海外WiFiレンタルサービスに似ていますが、少し違います。
というのは、多くの海外WiFiレンタルサービスは日本で端末を借りた日から返却するまでの日数分費用が発生しますが、クラウドWiFiでは海外でオンにした(=海外の回線に繋いだ)日分しか費用が発生しないためです。
例えば、7日間海外に行って4日しかクラウドWiFiを使わなかった場合は、「月額料金+海外利用料×4日」が請求されることになります。
海外で長期滞在する場合は、使わない日はオフにしておけば、レンタルサービスよりも費用を節約できます。
クラウドWiFiのデメリット
色々とメリットを書いてきたクラウドWiFiですが、もちろんデメリットもあります。
次は、通常のWiFiや海外レンタルサービスと比較した時のクラウドWiFiのデメリットを見てみましょう。
渡航先によってはSNSなどが使えないことも
クラウドWiFiは現地のSIMカードの情報を適用するため、中国などのインターネットに規制をかけている国ではGoogleやLINE、Facebookなどが使えないことがあります。
海外でクラウドWiFiを利用する際は、日本にいる間に現地のインターネットに関する規制について調べた上で、注意して利用しましょう。
通信速度が遅い
2019年8月現在、クラウドWiFiで使用できる端末は、WiMAXやソフトバンクで扱っているポケットWiFiよりも最大通信速度(理論値)が遅いものばかりです。
また、クラウドWiFiの端末は、回線が混雑しやすい2.5GHz帯の「IEEE802.11b/g/n」の電波帯にしか対応しておらず、回線が混雑しにくい5GHz帯の「IEEE802.11ac/a/n(5GHz)」は利用できません。
理論上の通信速度がそのまま回線の速度に表れるわけではありませんが、通信速度を何より重視する方はクラウドWiFiの利用はあまりおすすめできません。
次の章では、クラウドWiFiの例として、『どんなときもWiFi』と『Y!mobile Pocket WiFiプラン2+海外データ定額』の2つのクラウドWiFiを紹介します。
人気のクラウドWiFi2社
クラウドWiFiの例として、2019年8月現在で人気のクラウドWiFi2社を紹介します。
どんなときもWiFi
画像引用元:【公式】どんなときもWiFi | 通信制限無しモバイルWi-Fi
2019年3月に提供開始された新しいクラウドWiFiです。
月額3千円程度で日本国内でドコモ・au・ソフトバンクの3回線が容量無制限に使えるという、これまでになかった便利さとお得さから今最も注目を集めているクラウドWiFiになります。
1台で海外107ヶ国での利用もOKなので、国内で日常的に使いつつ急な海外出張や旅行にも対応できます。
SIMスロットを2つ備えているので、格安SIMやプリペイドSIMカードを入れて状況に合わせて使い分けることもできます。
- 国内ではドコモ・au・ソフトバンクの3回線全てが1台で使える
- 3つの回線のうち最も繋がりやすい回線を自動で選択
- 容量無制限で利用可
- 手続きや操作もなく海外107ヶ国でも使える
- 格安SIMを入れて通常のモバイルWiFiとしても使える
Y!mobile Pocket WiFiプラン2
画像引用元:レンタル手続き不要で海外・国内で使えるWiFiルータ!国世界中で気楽にネットが楽しめる、海外データ定額。Pocket WiFi 701UC |Y!mobile – 格安SIM・スマホはワイモバイルで
なるべくよく知っている企業のサービスを使いたいという方におすすめなのが、Y!mobileが提供する「Pocket WiFiプラン2+海外データ定額」(以下、Y!mobile Pocket WiFiプラン2)というプランです。
月額料金は3,980円、海外利用料は100ヶ国以上で使えて1日90円という驚異の安さを誇ります。
しかも、データ容量はひと月に「日本国内7GB + 海外7GB」と分けられているので、国内でたっぷり使った後も海外出張や旅行で活躍してくれます。
日本国内では、どんなときもWiFiのようにドコモ・au回線が使えたり、容量無制限だったりというメリットはありませんが、海外旅行や出張によく行く方ならおすすめです。
- Y!mobile提供のクラウドWiFi
- 1台で日本国内のソフトバンク回線と海外100ヶ国のキャリアが利用可能
- 海外利用料は1日90円
- データ容量は国内用と海外用で7GBずつ
クラウドWiFiと通常のWiFi比較
ここからはクラウドWiFiと通常のWiFIを、以下の4つで徹底的に比較してみます。
- どんなときもWiFi
- Y!mobile Pocket WiFiプラン2
- WiMAX
- イモトのWiFi
利用できる回線と通信可能な国
まずは、国内で利用できる回線の種類と1台の端末で海外何ヶ国利用できるのかを比較しました。
利用できる回線 | 国内で 利用できる回線 | 通信可能な 国や地域 |
---|---|---|
どんなときもWiFi | ドコモ au ソフトバンク | 1台で世界107ヶ国 |
Y!mobile | ソフトバンク | 1台で世界100ヶ国以上 |
UQ WiMAX | au WiMAX 2+ | - |
イモトのWiFi | - | 指定した国・地域のみ |
クラウドWiFiであるどんなときもWiFiとY!mobile Pocket WiFiプラン2は、1台の端末で日本国内も含めた世界100以上の国々で使えます。
また、どんなときもWiFiの方は、国内で使う場合はドコモ・au・ソフトバンク全ての回線が利用できる点も魅力です。
WiMAXは、WiMAX 2+回線に加え、auの4G LTE回線も使えますが海外では利用できません。
イモトのWiFiでは、世界200以上の国・地域向けのレンタルを行っていますが、1台のポケットWiFiでは申し込み時に指定した国・地域でしか利用できません。
そのため、イモトのWiFiを2ヶ国以上で使いたい時はあらかじめ「世界周遊」「ヨーロッパ周遊」などの広い地域が対象になるプランに申し込む必要があります。
次の章でも、クラウドWiFiと通常のWiFi比較を引き続き行います。
国内と海外のデータ容量
続いて、データ容量を比較しました。
データ容量 | 国内 | 海外での利用時 |
---|---|---|
どんなときもWiFi | 無制限 | 1GB / 日 |
Y!mobile | 7GB / 月 | 7GB / 月 |
UQ WiMAX | 無制限 / 月 ※10GB / 3日 の制限あり | - |
イモトのWiFi | - | 通常:400MB / 3日 大容量:500MB / 日 ギガ:1GB / 日 |
どんなときもWiFiは、国内利用時はデータ容量無制限、海外利用時は「1日で1GB」のデータ容量となっています。
WiMAXのような「3日間で10GB」といった制限もないため、毎日動画を楽しみたい方も安心して使えます。
公式サイトによると「著しくネットワークを占有するレベル」の使い方をすると制限されることもあるとそうですが、一般的な使い方をしている分には気にしなくても大丈夫でしょう。
もう1つのクラウドWiFiである、Y!mobile Pocket WiFiプラン2は、「国内利用時7GB + 海外利用時7GB」でひと月に国内と海外合わせて14GB利用できるようになっています。
WiFi端末のスペック
今度は、各サービスで利用できる端末の違いを比較しました。
端末 | どんな ときも WiFi | Y! mobile | UQ WiMAX | イモトの WiFi |
---|---|---|---|---|
端末名 | D1 | Pocket WiFi 701UC | W06 | MKI Wi-Fi 4G LTE |
サイズ W×H×D | 127×65.7 ×14.2mm | 126.5×65 ×19mm | 128×64 ×11.9mm | 100×63.5 ×14.6mm |
重さ | 151g | 240g | 125g | 107g |
バッテリー | 3,500 mAh | 5,350 mAh | 3,000 mAh | 3,000 mAh |
通信 速度 下り (※1) | 150 Mbps | 72 Mbps | 1.2 Gbps | 150 Mbps |
通信 速度 上り (※1) | 50 Mbps | 37.5 Mbps | 75 Mbps | 50 Mbps |
WiFi | IEEE 802.11 b/g/n (2.4GHz) | IEEE 802.11 b/g/n (2.4GHz) | IEEE 802.11 a/b/g/n/ac | IEEE 802.11 b/g/n (2.4GHz) |
SIM スロット | 標準SIM ×1 microSIM ×1 | - | 指定のSIM装着 | 指定のSIM装着 |
同時 接続 台数 | 5台 | 5台 | 16台 | 5台 |
USB ポート | Micro USB 2.0 | Micro USB 2.0 | USB Type-C | Micro USB 2.0 |
※1 理論上の最大通信速度になります。実使用速度は使用する環境や回線の混雑状況により変わります。
端末の最大通信速度は、UQ WiMAXが最も速いという結果になりました。
また、5GHz帯が利用できるのもUQ WiMAXの端末のみになります。
他の3社はそれほど差がありませんが、唯一、Y!mobile Pocket WiFiプラン2の「Pocket WiFi 701UC」はバッテリー容量が5,350mAhと抜きんでています。
連続通信時間も18時間ということで、海外で使用する時も頼もしい電池持ちです。
なお、どんなときもWiFiには、格安SIMやプリペイドSIMカードを装着できるSIMスロットが付いており、通常のポケットWiFiとして使うことも可能です。
月額料金と海外利用料
次は、それぞれのサービスの月額料金を見てみましょう。
レンタルサービスであるイモトのWiFiは、渡航先やプラン、レンタル日数で料金が変わるため表には入れていません。
国内の 月額料金 | プラン | 月額料金 | 契約 期間 |
---|---|---|---|
どんなときも WiFi | クレジットカード | 3,480円 | 2年 |
口座振替 | 3,980円 | 2年 | |
Y!mobile | Pocket WiFi プラン2 +海外データ定額 (さんねん) | 3,980円 | 3年 |
UQ WiMAX | UQ Flatツープラス ギガ放題(3年) | 4,380円 ※3ヶ月間 3,696円 | 3年 |
通常時の月額料金は、どんなときもWiFiのクレジットカード払いが最安です。
ただし、UQ WiMAXは、プロバイダ次第でキャッシュバックや月額料金割引を受けられることがあるので、月額料金の点で差はそれほどないと言えます。
参考までに、イモトのWiFiのレンタル料金も記載しています。
海外利用料比較 | 利用地域 | 利用料 / 日 |
---|---|---|
どんなときもWiFi | アジア オセアニア ヨーロッパ 北米 | 1,280円 |
中東 南米 アフリカ | 1,880円 | |
Y!mobile | 世界100ヶ国 | 90円 |
イモトのWiFi(※1) | 韓国 | 1,580円 |
アメリカ | 1,880円 | |
サウジアラビア | 1,580円 | |
ヨーロッパ周遊 | 2,080円 |
※1 4G / LTEギガプランを利用した場合
海外利用料で見ると、1日90円で使えるY!mobile Pocket WiFiプラン2が圧倒的に安い結果となりました。
どんなときもWiFiとイモトのWiFiのどちらがお得かは、国によって違います。
ただし、1度の渡航で2ヶ国以上巡る場合は、どんなときもWiFiの方が安くなります。
また、イモトのWiFiはレンタルサービスなので借りた日から返却日まで毎日利用料がかかりますが、どんなときもWiFiとY!mobile Pocket WiFiプラン2は海外で利用した日のみ海外利用料が請求されるという違いもあります。
端末価格と端末返却が必要か
利用するWiFi端末の価格についても比較します。
端末価格 | 価格 | 解約・終了時返却 |
---|---|---|
どんなときもWiFi | 0円 | 必要 |
Y!mobile | 37,800円 (1,050円 × 36回) | 不要 |
UQ WiMAX | 3,800円 | 不要 |
イモトのWiFi | 0円 | 必要 |
レンタルサービスのイモトのWiFiは当然として、どんなときもWiFiも解約時に端末の返却が必要になる点に注意しましょう。
どんなときもWiFiの契約解除時は、解約月の翌月5日までに指定された宛先に端末を返却しないと、機器損害金18,000円が請求されることがあります。
Y!mobileでは端末価格37,800円となっていますが、契約翌月から36ヶ月に渡り月額割引1,440円(税込)が受けられるため、実質負担額は0円になります。
解約金
最後に、万が一、最低利用期間中に解約することになった時のことを考えて、解約金についてチェックしておきましょう。
解約金 | 1年目 | 2年目 | 3年目以降 (解約月除く) |
---|---|---|---|
どんなときもWiFi | 19,000円 | 14,000円 | 9,500円 |
Y!mobile | 9,500円 | 9,500円 | 9,500円 |
UQ WiMAX | 19,000円 | 14,000円 | 9,500円 |
解約金は、Y!mobile Pocket WiFiプラン2が最も安いという結果になりました。
どんなときもWiFiは最低利用期間が2年と短めですが、解約金はUQ WiMAXと同額です。
なお、イモトのWiFiはレンタルサービスのため解約金はありませんが、利用期間を過ぎると延滞料2,000円/日が発生します。
クラウドWiFiで国内も海外も通信がお得に
最後に、クラウドWiFiのメリット・デメリットをもう1度振り返ってみましょう。
- 1台の端末で世界各地のキャリアが使える
- 面倒な設定やレンタル手続きが必要ない
- 現在地で最も繋がりやすい回線が使える
- 通常のポケットWiFiとしても使用可
- 海外利用時はオンにした日のみ利用料発生
- 渡航先によってはSNSなどが使えないことも
- 通信速度が遅い
クラウドWiFiは、クラウドサーバー上でSIMカードを管理し端末に最適なSIMカード情報を送ることで、1台の端末で世界中のキャリアの回線が使えるようになる画期的なWiFiです。
デメリットもいくつかありますが、その点さえ気をつけていれば、国内・海外問わず手間や時間をかけずにインターネットを快適に使えるようになります。
急な海外出張や1度に何ヶ国も巡る海外旅行が好きな方は、ぜひ自分に合うクラウドWiFiがないかチェックしましょう!