Wi-Fi6Eとは何か~新時代のWi-Fi規格を徹底解説

  • 2021年1月30日
  • by.ssisdk

WiFi6Eで6GHz対応

普段、お店や公共施設・自宅で何気なく使用しているWi-Fiは人知れず世代交代が行われており、日々進化を遂げています。

これから普及していくWi-Fiの名称は「Wi-Fi 6E」と呼ばれており、2019年~2020年に発表されたばかりの、まさに新時代のWi-Fi規格です。

今回はWi-Fi 6Eの概要やWi-Fi 6との違い、Wi-Fi 6Eならではのメリット等をまとめているので、是非ご一読下さい。

Wi-Fi 6Eの特徴
  • 2.4GHz・5GHzに6GHzの帯域が使える
  • Wi-Fi 6は2.4GHzと5GHzのみ使える
  • Wi-Fi 6の拡張版が6E
  • 帯域数増加により通信品質向上
  • 6GHz帯域は日本未承認なので今後に期待

トップ画像引用元:Wi-Fi CERTIFIED 6 Wi-Fi Alliance

Wi-Fi6Eとは

Wi-Fi6Eで使えるヘルツイメージ

画像引用元:Wi-Fi CERTIFIED 6 Wi-Fi Alliance

Wi-Fi 6Eを一言でまとめると「Wi-Fi 6の拡張版」、即ちWi-Fi 6から機能をより改善した通信規格と見て差し支えありません。

Wi-Fi 6は2020年に登場したばかりの新世代Wi-Fiです。

前世代からの大幅な通信機能の向上ということで注目を集めましたが、登場からあまり日を置かずに機能がアップデートされた6Eは驚かざるをえません。

拡張版というだけあってWi-Fi 6から更に通信速度の向上や同時接続が多数でも快適に通信できたり、まさに次世代通信規格と言っても過言ではないでしょう。

まずWi-Fi6とは何か

Wi-Fi 6Eの詳細を語る前に、Wi-Fi 6Eのベースとなった通信規格「Wi-Fi 6」についても簡単におさらいしておきましょう。

Wi-Fi 6は2020年から普及が始まったWi-Fi規格です。

正式名称は「IEEE 802.11ax」、第1世代の「IEEE 802.11a」から数えて第6世代のWi-Fi規格となっています。

Wi-Fi 5と比較すると約4~10倍近く通信のスピードアップ、更に接続性能も上がっています。

そのため、店舗や施設の公衆無線Wi-Fiで利用できればユーザーの利便性は大幅に改善すると期待されています。

2.4GHz帯と5GHz帯の併用が可能

Wi-Fi 6の1世代前であるWi-Fi 5では2.4GHz帯の帯域幅を使用しませんでしたが、Wi-Fi 6では2.4GHz帯の帯域幅も使えるようになりました。

2.4GHz帯は電波が遠くまで届く一方で他の電波の影響を受けやすく、逆に5GHz帯は障害物に弱いものの安定した高速通信ができるという特徴を持っています。

Wi-Fi 6は2つの帯域幅を併用できるようになった事、データ変調方式が「256QAM」から「1024QAM」に変わったので、無線でも速度向上と安定性といった通信の品質は格段に上がるようです。

既にWi-Fi 6対応機器も発売中

2020年のWi-Fi 6普及開始と時を同じくして、スマホやモバイルルーター等、様々なWi-Fi 6対応デバイスが発売され始めています。

2020年秋にリリースされたiPhone 12シリーズもその1つ、公式サイトの通信方式は「2×2 MIMO対応Wi‑Fi 6(802.11ax)」と記載されており、今後のスマホはWi-Fi 6対応モデルも続々出てくるでしょう。

中にはWi-Fi 6E対応を見越して6GHz帯に対応したルーターを発売するASUSのようなメーカーもあるので、これからのWi-FiルーターはWi-Fi 6に対応しているかということも選ぶ基準になりそうです。

Wi-Fi6Eとは~Wi-Fi6の拡張版(Extended)

Wi-Fi 6EはWi-Fi 6の拡張版(Extended)であり、2.4GHz帯・5GHz帯・6GHz帯の3つの帯域を使用できるのが最大の違いです。

ただし、Wi-Fi 6Eの基本的な仕様はWi-Fi 6と同じです。

6GHz帯が使える以外に違いは無く、Wi-Fi 7という新しいナンバリングではない点からもあくまでマイナーチェンジになります。

2021年は日本でWi-Fi 5からWi-Fi 6へ移行して、一部地域や施設ではWi-Fi 6E利用可能…となっていくでしょう。

Wi-Fi 6Eの目玉「6GHz帯」は日本ではまだ未承認

Wi-Fi 6Eは既存の帯域幅に6GHz帯を広げて通信を行う規格ですが、肝心の6GHz帯の承認が日本ではまだ取れていない(2021年1月時点)のが現状です。

しかし、既にWi-Fi Allianceの母国であるアメリカでは米国連邦通信委員会(FCC)により免許不要で使用できる事が決定しており、日本でも手続きを進めています。

Wi-Fiの経済価値は2023年には3兆4,700億ドルにまで増加するという試算があり、また増大する通信量に対してWi-Fi 6Eが有効な対抗策であるのは変わりありません。

日本でも今後Wi-Fi 6Eが普及していく確率は非常に高いと見て良いでしょう。

Wi-Fi 6Eとは一体何か
  • 次世代Wi-Fi規格「Wi-Fi 6」の拡張版
  • 2.4GHz・5GHz・6GHzの3つの帯域が使える
  • 6GHz帯以外はWi-Fi 6と同じ仕様
  • 6GHzの使用は日本では未承認
  • 今後の日本で普及する可能性は高い
Wi-Fi(ワイファイ)ってなに?いまさら聞けない初心者のための解説

Wi-Fi6Eは何が違う?

Wi-Fi-6E

画像引用元:Wi-Fi CERTIFIED 6 | Wi-Fi Alliance

次世代通信規格が発表されてまもなく発表された「Wi-Fi 6E」、Wi-Fi 6との違いは使用できる帯域が1つ増えたというだけです。

「6GHz帯が使えるだけの1点だけか…」と思う人もいるかもしれませんが、これはかなり大きなメリットになる可能性を孕んでいます。

まだ日本で導入されるかは未確定ですが、既にWi-Fi 6E対応デバイスを発売する動きもあるので、これから目が離せないWi-Fi規格です。

対応周波数に6GHz帯が追加

Wi-Fi 6Eでは2.4GHzと5GHzに加えて6GHzという周波数帯が利用できる…これは既に伝えた通り、Wi-Fi 6E対応デバイスは3種の帯域を併用して使っていくようになります。

帯域が変わると電波の質も大幅に変わり、環境によっては2.4GHz帯は使えないが、5GHz帯や6GHz帯で通信を行うというフォローも可能です。

Wi-Fi 5では5GHz帯のみ使える規格だったので、使える帯域数を比較すればWi-Fi 6Eなら3倍に増えたという訳です。

もちろん、全ての帯域が使える環境ならより高速通信、安定した通信が可能なので、現状の仕様ではWi-Fi 6EはWi-Fi 6の上位互換と見て良いでしょう。

遠方まで届いて障害物に強いが速度の遅い2.4GHz

Wi-Fiによる周波数帯域の中でもポピュラーな2.4GHz帯は、通信速度は遅いものの周波数帯の低さを生かして1台のルーターで遠方まで届き、更に障害物にも強いという特性を持っています。

少しの壁程度なら挟んでいても通信できるほど遠方に届いてくれるので、通信速度より安定性を求める飲食店や公共施設で設置される傾向が多いです。

通信速度が遅いとは言っても、スマホの4Gに劣ることはほぼないので、超高画質な動画を見たりしない分には快適に利用できるでしょう。

一方で2.4GHz帯は電子レンジやBluetoothでも使われる帯域なのでお互いに干渉しやすく、場所によっては切断や通信速度低下が起こる可能性もあります。

Wi-Fi専用で速度は速いが障害物に弱い5GHz

5GHz帯ではWi-Fi専用周波数帯というメリットを生かして高速・低干渉な通信が可能です。

他の家電や無線機器と共有する2.4GHz帯と違い、5GHzはWi-Fi専用周波数帯なので、他の機器が原因で電波の衝突や干渉が起こったり、通信速度の低下や切断が起きにくいのはメリットです。

ただし、障害物に弱いのが弱点で、壁などを挟んでしまうと極端に速度が低下したり切断してしまう事も多いのが5GHz帯の明確なデメリットでした。

前世代のWi-Fi 5は5GHz専用だった為、2.4GHzにも対応してほしいという声も少なくなかったようです。

2.4GHz・5GHzに更に追加された6GHz

Wi-Fiで20年以上に渡って長らく使われてきた2.4GHzと5GHz、それに追加で6GHzが追加される事で、Wi-Fi Allianceでは高画質動画のストリーミングやVRアプリもより身近に利用できるとしています。

2.4GHzは元々他の家電とも共有する帯域ですし、5GHz帯もWi-Fi専用周波数帯とは言え、年々増加する通信量により混雑を起こすこともあります。

しかし、6GHz帯という選択肢が増えれば、6GHz対応デバイスは快適に通信できますし、2.4GHz・5GHzの混雑の解消にもつながります。

米国では既にWi-Fi 6E対応デバイスも出ているので、日本でも早期に6GHz帯を早期解禁して通信環境の改善に期待したい所です。

トータル1.2GHzの周波数帯域が利用可能

Wi-Fi 6Eで使える周波数帯は正確に表すと5,935MHz~7,125MHz帯となり、正確には1.2GHz分使える帯域が増加する計算になります。

Wi-Fi 6Eでは160MHzの超ワイドチャネルを最大7本提供すると公式YouTube動画で語っているので、データ伝送速度の高速化や接続の安定性を向上させるようです。

2020年になって接続数やトラフィックの増加の他、IoTやVR等、大容量データ通信が必須の場面も増えているので、Wi-Fi 6Eの周波数帯域増加はこれからのインフラを支えるには必須となるでしょう。

最大通信速度はWi-Fi 6と同じ9.6Gbps

ユーザー側として最も気になる部分と言える通信速度ですが、これはWi-Fi 6と同じ最大9.6Gbpsという点で変化はありません。

元々Wi-Fi 6EとWi-Fi 6の違いは6GHzの周波数帯域が使えるか否かの1点のみなので、理論上の通信速度は変わらない仕様です。

ただWi-Fi 6Eの方が使える周波数帯域が増えており、その分つながりやすい点を考慮すると、体感ではWi-Fi 6Eの方が速く感じる場面も出てくるかもしれません。

遅延もWi-Fi 6と同じ

「Wi-Fi 6Eなら遅延も少なくなる?」と疑問に思う方も少なくありませんが、遅延も通信速度と同じWi-Fi 6とWi-Fi 6Eでは理論上違いがありません。

Wi-Fi 6でゲームを遊んだ時はWi-Fi 5と比較すると快適になる可能性はかなりあるでしょう。

しかし、有線接続と互角の通信品質になるかと言われると現状では厳しいでしょう。

ゲームの中にはコンマ数秒未満(フレーム単位)の差が勝敗を決する物もあるので、Wi-Fi 6やWi-Fi 6Eになったら有線回線は不要!となることはないでしょう。

Wi-Fi 6Eと過去のWi-Fiの違い
  • 従来の帯域に6GHz帯を追加がWi-Fi 6E
  • 6GHz帯を使わないのがWi-Fi 6
  • 2.4GHz・5GHz・6GHzの3つの帯域を使う
  • 160MHzのワイドチャネルを7本提供予定
  • 通信速度や遅延はWi-Fi 6と同じ
一人暮らしのためのWi-Fi全書|必要か否か・おすすめのWi-Fiとは

Wi-Fi6・Wi-Fi6Eを使うメリット

WiFi6Eで通信を快適に利用するイメージ

画像引用元:Wi-Fi CERTIFIED 6 Wi-Fi Alliance

Wi-Fi 6やWi-Fi 6Eという新たなWi-Fi規格が策定された時のメリットを一言で言うと、現状のWi-Fiによる通信の品質が大幅に改善されるので通信が大きく快適になります。

これは新たにWi-Fi 6やWi-Fi 6Eのルーターを購入したユーザーだけに限った話ではなく、長い目で見ればWi-Fiを利用する全てのユーザーへの恩恵と言っても過言ではありません。

勿論Wi-Fi 6・Wi-Fi 6Eを使う人にも恩恵はありますので、基本的にWi-Fi 6やWi-Fi 6Eへ世代交代が進む事は良い事であると思っても良いでしょう。

高速な通信が可能になる

Wi-Fi 5の理論上最大通信速度は6.9Gbpsに対して、Wi-Fi 6は9.6Gbpsと約1.4倍高速な通信が利用可能です。

勿論この数値は理論値なので実際の数値は下がりますが、それでも現行のWi-Fi 5と比較すると高速通信ができるのは間違いないでしょう。

従来のWi-Fiルーターではネットが混み合い始める夕方以降の時間帯には4K動画の視聴が厳しい時もありましたが、Wi-Fi 6なら読み込み時間がほぼなしで高画質動画も楽しめるようになるでしょう。

Wi-Fi 6Eなら通信品質はより向上

Wi-Fi 6Eは通信の安定性や高速通信が利用できるメリットがあります。

Wi-Fi 6は高速通信が可能になったものの、2.4GHzと5GHzの従来の2帯域を切り替え・併用する通信ですが、Wi-Fi 6Eなら専用の6GHz帯が使用可能です。

言うなれば6GHzはWi-Fi 6Eだけに許された専用道路です。

未承認のために日本で今すぐ利用できる訳ではありませんが、Wi-Fi 6Eならではのメリットと言えるでしょう。

混雑に強い

Wi-Fi 6は1回の通信で複数台のデバイスを接続する直交周波数分割多元接続(OFDMA)を採用しています。

そのため、大勢のデバイスをルーターに接続しても混雑が起こりにくくなっています。

Wi-Fi 5では1回の通信で1台のデバイスのみ通信しており、1台のルーターに複数台接続すると通信速度の低下や切断といった悪影響が目に見えていました。

Wi-Fi 6なら1回の通信で複数台とやり取りし合うので効率化となり、結果的に混雑に強い回線となっています。

イベント会場等の混雑する場面でも期待される

Wi-Fi 6は同時接続台数が増えても効率的に通信できるので、イベント会場や夜間の駅前など混雑する場面でも快適に通信できると期待されています。

今まで大規模なイベント会場ではドコモ・au・ソフトバンク等の移動型基地局が出っ張って通信を中継する事も珍しくありませんでした。

Wi-Fi 6がどこまで対応できるかは未知数ですが、混雑の度合いによってはWi-Fi 6のみで人でごった返す場所でも快適に通信できるかもしれません。

省エネ

Wi-Fi 6はWi-Fiルーターと接続先のデバイスが通信を行うタイミングを最適化させる機能、TWT(Target Wake Time)をサポートしています。

これによりWi-Fi 6搭載のルーターは従来のルーターと比較すると省電力化が進み、据え置き型ルーターなら電力料金の節約につながります。

また、接続先のデバイスとも頻繁に通信を行わなくなれば、バッテリー持ちも改善するでしょう。

モバイルルーターのバッテリー持ちが改善か?

Wi-Fi 6対応モバイルルーターならTWTによる通信タイミング最適化によって、無駄なバッテリー消費が減る可能性を秘めています。

バッテリー消費が減れば結果的に長時間駆動も可能になるので、外出先でバッテリー切れに悩まされる場面が減ってくるでしょう。

外出先でのバッテリー切れは致命的なので、Wi-Fi 6対応でバッテリー持ちの改善に期待したいところです。

セキュリティも強化

Wi-Fi 6を利用するにはWi-Fi 6機器向け認証プログラム「Wi-Fi CERTIFIED 6」が必要で、この認証プログラムを得るには最新のセキュリティー規格WPA3の対応が必須です。

必然的にセキュリティ機能が強化されるので、Wi-Fi 6が使える通信環境なら従来と比較すると安心して利用できます。

フリーWi-Fiは誰でも利用できる反面、セキュリティの脆弱性を指摘される事も多かったので、フリーWi-FiがWi-Fi 6対応になれば恩恵は大きいです。

Wi-Fi 6・6Eのメリット
  • 帯域数増加により通信速度向上
  • 混雑に強い
  • 効率化により省エネ
  • セキュリティ機能強化

Wi-Fi 6Eは現在は利用不可だが今後の規制解除に期待

WiFi6ライセンスデバイスで通信

画像引用元:Wi-Fi CERTIFIED 6 Wi-Fi Alliance

通信品質の向上や省エネ、セキュリティ機能の強化などWi-Fi 6は過去のWi-Fiから機能が大幅に向上しています。

しかし、6GHzの周波数帯域はアメリカでは利用できるようになったものの、日本では規制解除の動きすら無く、後塵を拝していると言わざるを得ません。

Wi-Fi 6だけでもメリットは多数ありますが、やはり真の魅力は6GHzが使えるWi-Fi 6Eです。

そのため、今後日本国内で6GHzが承認されるかに期待です。

Wi-Fi 6Eの特徴
  • 2.4GHz・5GHzに6GHzの帯域が使える
  • Wi-Fi 6は2.4GHzと5GHzのみ使える
  • Wi-Fi 6の拡張版が6E
  • 帯域数増加により通信品質向上
  • 6GHz帯域は日本未承認なので今後に期待
Wi-Fiルーターを徹底比較!おすすめモデムから選び方まで
この記事を書いた人
ssisdk
あと少しで平成生まれだった、昭和61年誕生のライター。 幼い頃からアーケードゲームにどっぷりハマり、攻略サイトやWikiの編集に手を出した結果、いつの間にやらライターとして活動することになった男。 高校時代に契約したauを長年利用していたが、料金の安さに目がくらみ格安SIMにあっさり乗り換え。 自分で開発環境を組む程のAndroid派…だったが、仕事で触れたiPhoneの使いやすさで鞍替えするなど、割とこだわりがない人間。 現在もお得なサービスがあれば即利用してやろうと息巻く日々。