
ドコモは2020年6月1日、5G対応のモバイルWi-Fiルーター「Wi-Fi STATION SH-52A」を発売しました。
この記事では、Wi-Fi STATION SH-52Aの価格やスペックを紹介し、実際にどういった使い方ができるのかも解説しています。
またこのWi-Fi STATION SH-52Aがいま「買い」なのかも解説しています。
- 5Gにも対応したドコモ史上最速ルーター
- 税込68,904円
- 有線LAN接続もできる
- もう固定回線はいらないかも
トップ画像引用元:Wi-Fi STATION SH-52A | データ通信製品 | 製品 | NTTドコモ
Wi-Fi STATION SH-52Aのスペック
画像引用元: Wi-Fi STATION SH-52A | データ通信製品 | 製品 | NTTドコモ
Wi-Fi STATION SH-52Aは、5Gにも対応したドコモ史上最速ルーターです。
5Gでの通信速度は、なんと下り最大4.1Gbps。
光回線のドコモ光が最大1Gbps、NURO光でも最大2Gpbsであることを考えたら、まさに常識を覆す速さと言えます。
4Gでの通信速度も下り最大1.7Gbpsと非常に速いです。
ドコモのPREMIUM 4Gの速度が2020年3月から最大1.7Gbpsになったことに対応しています。
- 5G下り最大:4.1Gbps
- 5G上り最大:480Mbps
- 4G下り最大:1.7Gbps
- 4G上り最大:131.3Mbps
「下り」はダウンロード時の速さ、「上り」はアップロード時の速さです。
例えばYouTubeで動画を視聴するのは「下り」の速度、動画をアップロード(投稿)するのは「上り」の速度が関係します。
Wi-Fi STATION SH-52Aのスペック
Wi-Fi STATION SH-52A | |
---|---|
サイズ | 高さ:84mm 横幅:157mm 厚さ:16mm |
重量 | 約268g |
通信 | 5G 4G |
無線LAN規格 最大伝送速度 | IEEE802.11a/54Mbps IEEE802.11b/11Mbps IEEE802.11g/54Mbps IEEE802.11n(Wi-Fi 4)/300Mbps IEEE802.11ac(Wi-Fi 5)/867Mbps IEEE802.11ax(Wi-Fi 6)/1201Mbps 2.4GHz帯/5GHz帯対応 |
有線LAN | IEEE802.3bz(2.5GBASE-T) IEEE802.3ab(1000BASE-T) IEEE802.3u(100BASE-TX) |
同時接続台数 | 18台 (Wi-Fi:16台、有線LAN:1台、USB:1台) |
かんたん接続機能 | WPS、QRコード接続 |
バッテリー容量 | 4000mAh |
本体付属品 | USBケーブル A to C |
連続通信時間 | 5G:約290分 PREMIUM 4G:約280分 LTE:約400分 |
LTE連続待受時間 | 約200時間 |
WORLD WING | LTE 3G |
USBテザリング | 対応 |
Wi-Fi 6に対応
画像引用元:Wi-Fi STATION SH-52A | データ通信製品 | 製品 | NTTドコモ
Wi-Fi STATION SH-52Aは、最新のWi-Fi規格「Wi-Fi 6」にしっかり対応しています。
Wi-Fi 6は、現在主流のWi-Fi 5と比べて最大通信速度が約1.4倍です。
項目 | Wi-Fi 6 | Wi-Fi 5 | Wi-Fi 4 |
---|---|---|---|
利用できる周波数帯 | 2.4GHz・5GHz | 5GHz | 2.4GHz・5GHz |
最大通信速度 | 9.6Gbps | 6.9Gbps | 300Mbps |
スループット上限値 | 1Gbps以上 | 800Mbsp | 150Mbps |
MU-MIMOでの接続可能台数 | 8台 | 4台 | 0台 |
策定年 | 2019年 | 2014年 | 2009年 |
Wi-Fiの規格は大体5年に一度新しいものが出ます。
よって今Wi-Fi STATION SH-52Aを買っておけば、2024年か2025年頃までは困らないでしょう。
有線LANポート内蔵
画像引用元:Wi-Fi STATION SH-52A | データ通信製品 | 製品 | NTTドコモ
Wi-Fi STATION SH-52Aは、ドコモのモバイルWi-Fiルーターとして初めて有線LANポートを内蔵しています。
そのため、Wi-Fiではなく有線接続も可能です。
一般的に有線LAN接続は、Wi-Fi接続よりも回線が安定する傾向があります。
Wi-Fi接続は、リアルタイムのオンライン対戦ゲームなどで差が出ることもあります。
例えばラグが発生してゲームプレイに影響することも珍しくありません。
しかしWi-Fi STATION SH-52Aならば、LANケーブルさえあればいつでも有線でインターネットに繋ぐことができます。
そのためWi-Fi STATION SH-52Aは安定したインターネット回線が必要な方にも向いているルーターです。
Wi-Fi STATION SH-52Aの価格
画像引用元:Wi-Fi STATION SH-52A
Wi-Fi STATION SH-52Aは、ドコモオンラインショップにて税込68,904円で発売中です。
ハイスペックルーターのため、モバイルWi-Fiルーターとしては高い価格です。
4GまでのモバイルWi-Fiルーターと価格比較
ドコモでは、他に4GまでのモバイルWi-Fiルーターを2機種発売中です。
- 2019年3月8日発売
- 価格は税込26,136円
- 下り最大1,288Mbps
- 上り最大131.3Mbp
- 2019年11月1日発売
- 価格は税込27,720 円
- 下り最大988Mbps
- 上り最大75Mbps
2機種とも3万円未満で買えるので、やはり68,904円のWi-Fi STATION SH-52Aは特別高いことがわかります。
ただし、通信速度にもきちんと差が出ています。
高いだけの価値はある?ない?
それではWi-Fi STATION SH-52Aは、果たして68,904円で買うだけの価値があるのでしょうか。
正直に言うと、記事を作成している2020年6月初旬時点では、結論を出すのは難しいところです。
- 5G対応エリアが少なすぎて実質まだ使えない
- 他社の競合製品が出揃っていない
やはり、肝心の5Gがまだまだ使える状況でないことが大きいです。
5G対応エリアが広がらない限り、5G対応端末は真価を発揮できません。
また、まだ5G対応モバイルWi-Fiルーターの存在自体が珍しいため、他社製品と比較できないことも評価を難しくしています。
相場と言えるものがないので、68,904円が高いのか安いのか判断できないのです。
ただスペックが高いのは確かで、納得の価格ではあります。
ドコモの5G対応エリア
画像引用元:NTTドコモ 5G
5G対応エリアが少ないために、Wi-Fi STATION SH-52Aに対する正当な評価が難しいです。
ではドコモの5G対応エリアが現在どうなっているのか見てみましょう。
ドコモは2020年5月末に5G通信が行える施設・スポットを更新しました。
よく5G対応エリアは「都心を中心に拡大」などと言われることから、東京はほぼ全域使えると思われがちです。
しかし資料を見ると、東京でも「オリンピックアクアティクスセンターの観客席」など、現在は5Gを使える場所は極めて局所的です。
- オリンピックアクアティクスセンターの観客席
- 東京スタジアムの観客席と入場ゲート付近
- 東京スカイツリーのスカイアリーナ周辺とソラマチひろば周辺とPLAY5G
- ドコモショップ北千住店などの店舗内
ドコモショップなどに出向いて5Gを「体験」することができるという程度で、実際の生活ではまだまったく使えません。
5Gを使える場所が局所的なことは、auやソフトバンクでも同様です。
5Gの普及は5年後?
5Gが今の4Gのように普及するには、あと5年程度はかかるという予想もあります。
ちなみに4Gの時は、以下のような普及ペースでした。
- 2010年12月:ドコモは「Xi」としてサービス開始
- 2011年3月末:人口カバー率8%
- 2012年3月末:人口カバー率30%
- 2013年3月末:人口カバー率75%
- 2014年3月末:人口カバー率97.5%
- 2015年3月末:人口カバー率100%
ここでは3.9GやLTEもすべて含めて4Gとしています。
4Gの時も人口カバー率100%までは5年近くかかっていると分かります。
100%のカバー率でなくても、4Gを普段の生活で身近に使えるようになったのは、4G登場から2年以上経った2013年です。
これを考えると、5Gもまだまだ普及に時間がかかるという予想は妥当です。
Wi-Fi STATION SH-52Aのような5G対応端末が必要とされるかどうかは、5Gを扱うキャリアの努力にかかっていることは間違いありません。
Wi-Fi STATION SH-52Aがあれば固定回線はいらない?
画像引用元:Wi-Fi STATION SH-52A | データ通信製品 | 製品 | NTTドコモ
ここまで、Wi-Fi STATION SH-52Aのスペック・価格・5Gの普及について解説してきました。
さて5Gのスペックを考えると「Wi-Fi STATION SH-52Aがあれば、もはや固定はいらないのではないか?」という考えも浮かびます。
実際のところはどうなのでしょうか。
PREMIUM 4Gがすでに光回線より速い
画像引用元:PREMIUM 4G | 通信・エリア | NTTドコモ
5Gが使えなくても、通信速度で困ることはないと思われます。
なぜなら、ドコモのPREMIUM 4Gが2020年3月から下り最大1.7Gbpsと、ドコモ光の最大1Gbpsを超える速さになっているからです。
速さだけなら、すでに固定回線にこだわる必要はありません。
またPREMIUM 4Gに対応しているモバイルWi-Fiルーターでも、2019年3月に発売されたWi-Fi STATION HW-01Lは最大1,288Mbpsに留まります。
PREMIUM 4Gを最大限活かせるルーターは、現状Wi-Fi STATION SH-52Aだけです。
ドコモの「5Gギガホ」がデータ無制限で使える
画像引用元:データ量無制限キャンペーン | キャンペーン・特典 | NTTドコモ
ドコモは現在、5Gギガホに対して「データ量無制限キャンペーン」を実施しており、月額7,650円(税抜)で使い放題になっています。
5Gギガホ
5Gギガホ | ||
---|---|---|
月額料金 | 7,480円 | dカードお支払割 適用時 |
7,650円 | 上記非適用時 | |
利用可能 データ量 | 100GB | 通常時 |
無制限 | データ量無制限 キャンペーン中 |
|
国内通話料 | 家族間通話無料 家族以外への通話30秒あたり20円 |
|
SMS送信料 | SMS送信料(国内) 1回あたり3円~ (受信 無料) |
|
国際SMS 1回あたり50円~ (受信 無料) |
キャンペーンが終了したら本来の100GBに戻ってしまいますが、キャンペーン終了日は未定です。
速度も、データ容量も問題ないなら、キャンペーンが続く限り他に回線を契約する必要はないですよね。
ルーター単体契約も、スマホとのシェア契約もできる
画像引用元:5Gデータプラス | 料金・割引 | NTTドコモ
5Gギガホはルーターで単体契約して利用することも、スマホで契約してそのデータ容量をルーターにシェアすることも可能です。
シェアの形を取る場合は、月額1,000円(税抜)の「5Gデータプラス」に加入する必要があります。
加入すれば合計8,650円(税抜)でスマホもモバイルWi-Fiルーターも使い放題となります。
安い金額ではありませんが、ドコモの高速回線が安定して使える点は大手キャリアならではの魅力です。
5Gが普及したらすぐに使える
Wi-Fi STATION SH-52Aを持っていれば、いち早く最新の高速回線を使えます。
また5GはVR・AR、ドローン、自動車の自動運転、遠隔医療などでの活用が期待されています。
そのため今後5Gでないと利用できないサービスの登場が予想されますし、これをいち早く利用できるようになるでしょう。
固定回線いらず?ドコモの最強モバイルWi-Fiルーター
画像引用元:Wi-Fi STATION SH-52A | データ通信製品 | 製品 | NTTドコモ
以上、2020年6月1日に発売したWi-Fi STATION SH-52Aについてでした。
- 5Gにも対応したドコモ史上最速ルーター
- 税込68,904円
- 有線LAN接続もできる
- もう固定回線はいらないかも
有線LAN接続まで可能など、スペック上の弱点が見当たりません。
ただ5G通信は普及していないため、その真価を発揮するのはまだ先の話になりそうです。
ただドコモの5Gギガホが現在はキャンペーンによりデータ無制限で使えます。
キャンペーンが続き、Wi-Fi STATION SH-52Aさえあれば、固定回線はいらなくなるかもしれません。
そして本体価格は税込68,904円と高額ですが、本機はスペック的に十分納得できるモバイルWi-Fiルーターです。
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