
「WiMAX」は工事不要で持すぐに使えるというとてもお手軽なWi-Fiルーターとして人気があります。
通信速度の速さに定評があるWiMAXですが、果たして快適にオンラインゲームで遊べるほどのスペックがあるのでしょうか。
そこで今回は、WiMAXでオンラインゲームを快適に遊べるのかを解説します。
あわせてWiMAXをオンラインゲームで利用する時の注意点なども解説しますので、ぜひお読みください。
- WiMAX2+なら最大下り1.2Gbpsの通信速度が出る
- RPGやブラウザゲームなら推奨速度を大幅に超えているので問題はない
- FPSの場合はPing値(レスポンス速度)が不安
- ホームルーターの利用など工夫をして通信性能を上げるのがおすすめ
WiMAXでオンラインゲームのプレイは可能か?
画像引用元:WiMAX 2+対応のデータ端末一覧|【公式】BIGLOBEのWiMAX 2+(ワイマックス)
最近ではPCやスマホゲームはもちろん、PS4やNintendo Switchなどのゲーム機器もネットに繋いでオンラインで楽しむことがほとんどです。
そのため、ゲームをプレイするためにもネットが必要不可欠な時代となりました。
WiMAXは工事不要で持ち運び可能、契約後すぐに使えるため、非常に人気があります。
しかし、オンラインゲームも快適に楽しめるほどのスペックがあるのでしょうか?
WiMAXでもオンラインゲームは快適にプレイ可能!
結論から言うと、WiMAXでオンラインゲームを快適にプレイすることは可能です。
WiMAXに接続してスマホゲームやオンラインで楽しむRPGなどをプレイしている人は実際にいます。
またゲームに求められる通信速度の基準も、簡単にクリアしています。
「ゲームのためにネット回線が欲しいけど工事とか大がかりなのはちょっと…」という人にとっても、WiMAXは工事不要で手軽に手に入るネット回線だといえます。
WiMAXを固定回線と比較した場合
WiMAXでも快適にオンラインゲームが遊べると言っても、その根拠がわからないと不安だと思います。
そこで、WiMAXと他社の固定回線の下りの最大通信速度を比較してみましょう。
回線 | 最大通信速度(下り) |
---|---|
フレッツ光 | 1Gbps |
ドコモ光 | 1Gbps |
NURO光 | 2Gbps |
WiMAX2+ | 1.2Gbps |
光回線のフレッツ光や、そのフレッツ光の回線を利用しているコラボ光回線とWiMAX2+の最大通信速度はほぼ変わりません。
むしろ、フレッツ光やドコモ光と比べて若干通信速度が速いという結果になりました。
そのため、通信速度に関してはオンラインゲームをプレイする上でまったく問題ないことがわかります。
光回線のおすすめ8つ厳選!失敗しない自宅の固定回線の選び方を解説WiMAXの通信制限問題
一方で、固定回線にはないWiMAXの通信制限について知っておく必要があります。
- ギガ放題:
直近3日間で10GB使うと翌日18時から2時頃まで1Mbps程度に低速化 - 7GBプラン:
月間で7GB使うと月末まで128Kbpsに低速化 - au 4G LTE(ハイスピードプラスエリアモード)利用時:
月間で7GB使うと月末まで128Kbpsに低速化※ギガ放題モードに切り替えても同じ
このように、データ量使い放題の「ギガ放題」だとしても通信速度が制限されてしまう可能性があります。
制限がかかる時間帯を避けてオンラインゲームをプレイすれば問題ありません。
しかし、大体の人は仕事終わりや寝る前の時間帯に遊ぶので、制限がかかると困ることになります。
そのため、オンラインゲームでWiMAXを使いたいのであれば、できるだけWiMAXで動画や音楽のストリーミングを行うことは避けましょう。
つまりゲームのためにデータ量を温存しておくべきだと考えられます。
WiMAX回線とau 4G LTEの両方が使える「ハイスピードプラスエリアモード」については7GB制限となっています。
1ヶ月間で7GBの制限を超えた後に使い放題のモードに切り替えても、同じ制限がかかっています。
通信制限には気をつけましょう。
WiMAXの通信速度とPing値
この章では、WiMAXの通信速度とPing値について詳しく解説します。
WiMAXの通信速度は固定回線と同等レベルで、オンラインゲームをプレイする分には問題ないと前章にて述べました。
しかし、オンラインゲームで遊ぶにあたってPing値も重要です。
Ping値について、オンラインゲームをする上でどの程度必要なのかを検証します。
重要なのは安定性と応答速度(Ping値)
通信速度ももちろんですが、よりゲームをプレイする上で求められるのはサーバーからのレスポンスの速さです。
ゲームでプレイヤーがアクション操作した時に実際に画面に反映されるまでの速度などは、サーバーからの応答速度の速さによって左右されます。
応答速度が遅いと、操作と画面反映の間に時差が生じ、カクカク動いたり、弾が当たらないような状態になってしまいます。
Ping値とは
Ping値とは、応答速度を示す数値のことです。
単位は「ms」であり、この数値が少なければ少ないほどサーバーからのレスポンスが速いといえます。
オンラインゲームをプレイする上での一般的な推奨値は50ms以下といわれており、WiMAXは35~45msがほとんどです。
そのため、一般的に必要とされるPing値はWiMAXでも大丈夫だといえるでしょう。
しかし、WiMAXは無線ルーターなので、他の電波の干渉を受けやすく、環境によっては通信が安定しません。
その点、固定回線はWiMAXよりも安定性の面で優れており、WiMAXは不利です。
オンラインゲームを快適に遊べる通信速度
オンラインゲームを快適にプレイするために必要とされる通信速度は5Mbps程度だといわれています。
前章の通り、WiMAX2+は最大1.2Gbpsの下り通信速度が出るので、通信速度に関しては問題ないでしょう。
ただ、前述で解説したように固定回線と比べると安定性は劣ります。
通信速度も時間帯や環境によってバラつきが見られるのは否めません。
ベストエフォートは実効速度ではない
前章の比較表にある最大通信速度はベストエフォート方式と呼ばれる、「障害物等が一切ない最高の状態」で測定されている通信速度です。
つまり、あくまで理論上利用可能な通信速度ということになります。
実効速度を示すものではないので、固定回線やWiMAXの通信速度を比較する時は参考程度に見ておくことをおすすめします。
- 安定して5Mbps程度の通信速度があれば問題なくプレイできる
- Ping値(サーバーからのレスポンスの速さ)は50ms以下
- WiMAXの下り最大通信速度は1.2Gbpsなので問題ないが不安定になる可能性がある
- Ping値についても35~45msが大半だが安定性に欠けるのがネック
実際にFPSをプレイしてみた
画像引用元:スマホ版バトロワ!|荒野行動 公式サイト
今人気の「荒野行動」や「Apex Legends」などのゲームは「FPS」と呼ばれるジャンルに分類されます。
FPSとは「First Person Shooter」の略称であり、1人称視点で他のプレイヤーを倒すシューティングゲームです。
スマホ版のゲームも多く出ているので国内外を問わず高い人気を誇ります。
今やRPGと並んでとてもメジャーなゲームジャンルだといえます。
筆者もポケットWi-FiでFPSをプレイしましたが、いつの間にか倒されたり、一体どこで倒されたのかわからことが多々ありました。
FPSジャンルには注意!
いつの間にか倒されてゲームオーバーになる理由は色々ありますが、理由の中に応答速度の遅さが含まれることもあります。
FPSをプレイする上では通信速度よりもPing値を重視し、いかに速くサーバーからのレスポンスを受けられるかが重要となります。
FPSはたった数秒で戦況が大きく変わるゲームなので、応答速度が速くないと他のプレイヤーの動きについて行くことができません。
そして知らない間に倒されてしまったという現象に繋がるのです。
環境などで安定性が異なるWiMAXでは、FPSをプレイすると他のプレイヤーよりも不利になってしまう可能性があります。
最近ではスマホ版のアプリも多く、スマホ回線でプレイしている人も多いです。
ただベテラン勢だとネット環境から使用する端末の性能まで重視することも少なくありません。
実際にRPGをプレイしてみた
画像引用元:ファイナルファンタジーXIV フリートライアル | SQUARE ENIX
RPGもオンラインでプレイするゲームが多く、他のプレイヤーと一緒にダンジョンを攻略したり、高難易度の敵を倒すなど、さまざまな楽しみ方があります。
RPGの推奨通信速度
ゲーム | 推奨速度 |
---|---|
FF14 | 下り1.5Mbps程度 |
ドラゴンクエスト10 | 下り3Mbps程度 |
GTAオンライン | 下り3Mbps程度 上り1Mbps(最低0.5Mbps) |
代表的なRPGで推奨される通信速度は上記の通りですが、思ったよりも少ないと感じた人も多いのではないでしょうか。
最大1.2GbpsのWiMAXではまず問題なく楽しむことができます。
筆者もFF14をプレイしており、引っ越しでネット回線がなかった時はWi-Fiルーターやスマホのテザリングを使ってプレイしていました。
特に支障があったわけでもなく、いつも通り遊ぶことができました。
ただし、新パッチ実装などプレイヤーが殺到する時期は敵の攻撃がワンテンポ遅れたり、自分のアクションが遅れて反映されることもありました。
こういったことから、応答速度の安定性という面ではやはり、固定回線が1番だといえます。
【2020年最新】契約期間縛りなしで解約違約金0円の光回線おすすめ6つ実際にブラウザゲームをプレイしてみた
画像引用元:刀剣乱舞(とうらぶ) – 公式 – DMM GAMES
ブラウザゲームはスマホの普及もあり、据え置き型のゲーム機に次いでかなり人気の高いゲームジャンルです。
スマホやPCで気軽にプレイできるのがメリットであり、艦これやマギアレコード、刀剣乱舞などが代表的です。
筆者も友人に勧められて刀剣乱舞をスマホ回線でプレイしていたことがあります。
結果、通信速度の制限がかかっていない限り問題なく遊べました。
スマホ回線でサクサク進んだので、WiMAXはまず問題ないでしょう。
ブラウザゲームはWiMAXとの相性がいい
ブラウザゲームはWiMAXでも快適にゲームをプレイするには充分だといわれています。
ゲームのアップデート時には一時的に大容量通信が必要になりますが、他のRPGやFPSなどのオンラインゲームと比べると小容量なので、WiMAXでも問題ないでしょう。
- FPS:
Ping値が最も重視されるゲームなのでWiMAXだとやや他のプレイヤーと比べて不利かも - RPG:
快適にゲームをプレイする最低のラインが5Mbps以下なので問題なくプレイできる - ブラウザゲーム:
最も求められる通信速度・容量が少ないためWiMAXでも快適にプレイが可能
WiMAXで快適なオンラインゲームをプレイするコツ
次に、WiMAXを使って快適にオンラインゲームを遊ぶためには、どのような工夫が必要なのか解説していきます。
- 自宅用のWiMAXのホームルーターを使って通信速度を安定させる
- WiMAXとゲーム端末を有線接続する
- アンテナ付きクレードルを使って通信性能をアップ
- 窓際など自宅で1番電波の良い位置に置く
これまでの解説の通り、WiMAXでオンラインゲームをプレイするにあたって1番懸念すべきは通信の安定性です。
通信速度はもちろん、応答速度の安定性に不安が残るため、ホームルーターやアンテナ付きのクレードルを使用して通信の性能を上げるなどの工夫を行いましょう。
電波の良い場所に置いておくだけでもかなり違います。
最新端末での契約は必須
最大1.2Gbpsの高速通信を利用するには、ハイスピードプラスエリアモードを使う必要があります。
ただし、最大1.2Gbpsの通信速度に対応しているのはWiMAX端末の「W06」のみです。
「w06」以外のWiMAX端末は440Mbps程度と最大通信速度がかなり下がります。
他の端末でも問題なく使えますが、より快適に遊びたいなら最新の端末でWiMAXを利用するべきでしょう。
今使っているWiMAXの端末が古い場合は、機種変更を検討することもおすすめします。
最大速度は一部の都市圏のみ?
最大1.2Gbpsに対応しているのは、残念ながら全国ではありません。
- 北海道
- 宮城県
- 東京都
- 神奈川県
- 埼玉県
- 千葉県
- 愛知県
- 大阪府
- 京都府
- 兵庫県
- 福岡県
上記の都道府県の都市部を中心に最大通信速度に対応しており、他のエリアでは867Mbps程度になります。
867Mbpsでも十分高速ですし、オンラインゲームをプレイする上では問題ありません。
ハイスピードプラスエリアモードを使う場合は、必ずデータ量が7GB超えないように注意しましょう。
WiMAXでオンラインゲームをプレイすることについて、よくある質問
WiMAXでオンラインゲームをプレイすることについて、よくある質問に回答しました。
WiMAXでオンラインゲームは遊べるか
ブラウザゲームやRPGであればほぼ問題なく遊べます。
WiMAXでFPSをプレイしたい
FPSはPing値が安定しないため、おすすめできません。
WiMAXでオンラインゲームを快適にプレイしたい
自宅用のWiMAXルーターを使うこと、ゲーム端末をWiMAXと有線接続すること、アンテナ月クレードルを使うことをおすすめします。
WiMAXでゲームをプレイするのにおすすめの端末はあるか
最大1.2Gbpsの通信速度に対応している「W06」をおすすめします。
安定性には劣るがWiMAXでも十分プレイ可能
最後に、WiMAXでオンラインゲームが遊べるのかどうかについてまとめます。
- WiMAX2+なら最大下り1.2Gbpsの通信速度が出る
- RPGやブラウザゲームなら推奨速度を大幅に超えているので問題はない
- FPSの場合はPing値(サーバーのレスポンスの速さ)が不安
- ホームルーターの利用など工夫をして通信性能を上げるのがおすすめ
WiMAXは通信速度・Ping値共に、オンラインゲームで必要とされている数値は問題なくクリアしています。
一方で無線Wi-Fiルーターという性質上、他の電波の干渉を受けやすいため安定性に欠けるのがネックです。
また、3日間10GBなどの通信制限もあるので、利用するデータ量には十分気をつける必要があります。
RPGやブラウザゲームであれば問題なく利用できると思いますが、FPSでは他のプレイヤーと比べて少し不利になるかもしれません。
アンテナ付きのクレードルやホームルーターを使ったり、有線接続するなど通信の性能を上げるために工夫できることはたくさんあります。
ご自身の環境に合わせて本記事で紹介した方法を試してみてください。