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VR元年と騒がれ、ポケモンGOの大ブームでARも広く認知された2016年の翌年、2017年6月に発売されたのが「ZenFone AR」でした。
最先端の技術を詰め込んだ、まさに「モンスタースペックスマホ」でしたが、発売当初はその先進性故にスペックを生かしきれなかった一面も。
「ZenFone AR」を取り巻く環境はどう変化しているのか?スペックを再検証し、レビューします。
TOP画像引用元:ZenFone AR | ASUS
1 ZenFone ARは価格もスペックもハイクラス
画像引用元:ASUS
SIMフリースマホ市場では2~4万円台のモデルが中心となる中、ZenFone ARは税込で10万円を超える価格で発売されました。
高価格となった理由は最先端の技術に見合った性能にあります。
1-1 ZenFone ARなぜここまでハイスペックなのか?
ZenFone ARの発売当初の価格は、
- RAM8GB、ROM128GBの上位モデル、ZS571KL-BK128S8が99,800円
- RAM 6GB/ROM64Gモデル、ZS571KL-BK64S6でも82,800円
となっていました。(税別価格)
4GBまでのモデルが主流だったSIMフリースマホの中でZenFone ARはまさに規格外で、特に上位モデルの8GBのRAMは世界初となりました。
なぜ、ここまでのスペックが必要かというと世界初で「DaydreamとTango両方に対応」という特徴からです。
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1-2 ZenFone ARはDaydream・Tango対応に必要な性能を持っている
画像引用元:ZenFone AR | ASUS
DaydreamはVR技術、TangoはAR技術でこの技術をスマホで表現・実現させる為に必要な性能がZenFone ARには備わっています。
逆に言うと、この性能無しにDaydreamもTangoも機能しません。
例えば、美しいVRの映像表現には高い解像度のディスプレイと高性能なセンサーが必要です。
一方ARの「Tango」には通常のカメラには無い、空間認識する為の特別なカメラやセンサーが必須です。
負荷の高い両機能の処理に対応する為必要だったのが、スマホには過剰とも言える8GBのRAMだったわけです。
2 ZenFone ARのDaydreamとTangoとの対応
画像引用元:Daydream
世界で初めてDaydreamとTangoに対応して注目を浴びたZenFone AR。
このZenFone ARの評価を左右することになるのが、目玉であるふたつの技術の動向でした。
2-1 ZenFone ARに対応するDaydreamとは?
DaydreamはGoogleが開発に注力しているVR技術で、専用のヘッドセット「Daydream View」に対応するスマホを装着。
付属のコントローラを使ってDaydream Viewで作りだしたバーチャルな世界を自由に動き回ることが可能になっています。
バーチャルな世界に入り込み、ゲームを楽しんだり、大画面で映画やライブを鑑賞したり、世界中の行きたかった場所に行ったり宇宙旅行を楽しんだり。
自分のしたいことを実現してくれるVRアプリをインストールすることで様々なVR体験ができるようになります。
2-2 ZenFone AR | 発売時は日本未発売だったDaydream View
画像引用元:Daydream | Daydream View
ZenFone ARでVRの世界を100%楽しむ為に必須となるDaydream Viewですが、2017年6月の発売当初は日本未発売で発売時期も未定と、せっかくのDaydream対応も購入を躊躇する一因となったのではないでしょうか。
そんな状況が一変したのが約半年後の2017年末のDaydream Viewの日本での発売スタート。
発売直後は入手困難となるほどの人気となりました。
Chromecastと連携することでTVに表示内容を映し、VR体験を共有出来たり、Googleならではの対応コンテンツの多さもDaydream Viewの魅力でしょう。
次の章では、ZenFone ARのスペックについて紹介します。
2-3 ZenFone ARに対応するTangoとは?
画像引用元:ZenFone AR | ASUS
TangoもGoogleが2014年に発表したスマートフォン向けのAR技術で、『現実』である空間を認識する為に通常のスマホにはない特別なカメラやセンサーが必要になります。
ZenFone ARは通常のカメラ以外に、物体までの距離を測る深度カメラ、対象物の動きを捉えるモーショントラッキングカメラの他、いくつものセンサーを備えることで人間の目で見るように空間にある壁や床、物を捉えます。
「現実の空間に『現実ではない物体』を置く」、言葉にするとピンとこないARも、ポケモンGOのヒットですっかりおなじみになりました。
2-4 ZenFone AR | Tangoのサポート終了が発表
Daydream Viewの日本発売と同時期、2017年12月に発表されたのが、2018年3月をもってTangoのサポート終了するというニュースが流れました。
Daydream View日本発売でそろそろ買い時・・と考えた方にとって、またもZenFone ARの購入を躊躇する材料が出てしまいました。
背景にはGoogleが2017年8月に発表したAR技術である「ARCore」の存在があります。
特別なカメラやセンサーの搭載が必須なTangoに対し、ARCoreはそれらが不要。
今後はTangoの技術をベースにしたARCoreをTangoに代わり推進していくと発表されたのです。
ZenFone ARがARCoreに対応するのか?発表時点では明らかになっていなかったことから、発売わずか2ヶ月で1番のウリであるAR機能に疑問符が付いてしまった形になります。
2-5 ZenFone ARの価値は?
画像引用元:ZenFone AR | ASUS
そんなZenFone ARの救いとなったのが、Tangoのサポートが終了する2018年3月を前にZenFone ARがARCoreに対応すると正式に発表になったこと。
ARCoreは特別なハードは必要ないとは言うものの、多くの情報を処理することから対応するスマホも高スペックが求められ、各メーカーのフラッグシップモデルに限定されています。
ここにZenFone ARが名を連ねたことで一安心したというユーザーも多かったのではないでしょうか。
TangoからARCoreに軸が移ったことで今後対応する端末が増えていけば、対応するアプリの増加も予想されます。
紆余曲折あったものの、ARCoreの対応でZenFone ARは、ようやく最先端のVR、ARの両方が楽しめる、高スペックスマホと呼べるようになったのかもしれません。
3 ZenFone ARスペックレビュー
画像引用元:ASUS
では、先進技術の対応基準を満たす、規格外のモンスタースマホ、ZenFone ARの基本スペックを確認していきましょう。
3-1 ZenFone ARの基本スペック
ZenFone AR | |
---|---|
サイズ | 幅:77.7 mm 縦:158.98 mm 厚さ:約8.95 mm |
重量 | 170 g |
カラー | ブラック |
ディスプレイ | 5.7インチ 解像度2,560x1,440 |
OS | Android™ 7.0 |
プロセッサー | Snapdragon 821(クアッドコア) GPU:Adreno 530 |
RAM | 8GB/6GB |
ROM | 128GB/64GB |
メインカメラ | 2,300万画素 |
インカメラ | 800万画素カメラ |
他カメラ | 深度カメラ モーショントラッキングカメラ |
バッテリー | 3,300mAh |
Wi-Fi | 802.11 a/b/g/n/ac(2.4GHz/5GHz) |
DSDS | 〇 nano-SIM×2 2G/3G/4G対応 |
認証 | 指紋 |
USBコネクタ | Type-C |
センサー | 指紋認証 センサー 加速度センサ/ジャイロスコープ/磁気センサ/電子コンパス/光センサ/RGBセンサ/近接センサ/気圧計 |
RAM8GB、VR、ARを実現する為のセンサーの数が目を引き、やはり特別なスマホであることがわかります。他にもこのスマホならではの項目も。
次の章ではZenFone ARのスペックをさらに詳しく紹介します。
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3-2 ZenFone ARのプロセッサー
画像引用元:ZenFone AR | ASUS
Snapdragon 821は高スペックのスマホに使われているチップセットです。
GPUのAdreno 530はCPUよりも多くのコアを持ち、同時に複数のコアで処理することでデスクトップパソコンに引けを取らないグラフィック性能を実現しています。
3-3 ZenFone ARのバッテリー
ZenFone ARのバッテリー容量は3,300mAhでスマホのバッテリーとしては大容量と言えますが、高解像度の美しいディスプレイも多くの処理を必要とするAR、VRはバッテリーを消耗する原因となり、消費は早くなります。
しかし、Quick Chage3.0に対応している為、急速充電が可能で、バッテリー持ちの悪さを補ってくれます。
3-4 ZenFone ARのディスプレイ
画像引用元:ZenFone AR | ASUS
Zenfone ARの魅力のひとつと言えるのが美しいディスプレイ。
2K解像度の有機ELディスプレイで、解像度は2,560×1,440です。
これはスマホの小さな画面での美しさはもちろん、VR、AR利用時に画面が拡がった時でもくっきり鮮やかでリアルな臨場感を演出してくれます。
Zenfone ARに採用されたSuper AMOLEDディスプレイは色の再現性に優れ、高画質なディスプレイとして高評価を受けています。
また、ディスプレイの保護ガラスは丈夫で傷がつきにくい『Corning® Gorilla® Glass 4』を使用しています。
3-5 ZenFone ARのSIMカード
Zenfone ARはデュアルSIMデュアルスタンバイに対応しています。
回線は2G、3G、4Gに対応していますが、4G×4G2枚の組み合わせの同時使用はできません。
4G×3Gの組み合わせは可能になっているので、3GガラケーSIMで通話、4GLTEでデータ通信といった使い方が可能です。
ただし、MicroSDカードを入れた場合SIMカードが1枚になります。
3-6 ZenFone ARの外観
背面の3つのカメラレンズが目を引き、明らかに『普通のスマホ』とは一線を画した外観。
対するサイズは7.7cmx15.9cmx0.9mm、重量は170gと、装備の充実ぶりの割には厚みが抑えられ、スタイリッシュな印象です。
ディスプレイは5.7インチと大きめですが、艶やかなメタルフレームで囲まれた背面はレザー使用で滑りにくく、高級感のある見た目と実用性を兼ね備えています。
3-7 ZenFone ARのカメラ
画像引用元:ZenFone AR | ASUS
背面には深度カメラ、モーショントラッキングカメラ、2,300万画素のメインカメラの3つのカメラレンズが並びます。
メインカメラは約0.03秒で被写体を捉える超高速のオートフォーカス、手振れ補正、豊富な撮影モードがあり、普通に写真を撮るカメラとしても十分なレベル。
4K撮影にも対応しているので、大画面で見てもぼやけることなく細部まで忠実に表現された美しい映像の撮影が可能です。
3-8 ZenFone ARのメモリ
このスマホの1番の特徴で魅力とも言えるのが、大容量のメインメモリRAM。
RAMはその数値が高いほど多くの作業が可能になり、低いとアプリを複数立ち上げたり3Dゲームをしたりといった使い方に対応できません。
ZenFoen ARの上位モデルはRAM8GB、下位でも6GBとVRもARも十分に楽しめる容量です。
ASUS WebStorageサービス5GB (永久無料版)と、Googleドライブ100GB (2年間無料版)のサービス付きも地味に嬉しいです。
次の章では、ZenFone ARの魅力ポイントを紹介します。
3-9 ZenFone ARのサウンド
VR、ARの臨場感ある世界に入り込む為に必要なのが映像の美しさと”サウンド”ではないでしょうか。
先進のVRとAR両方に対応したZenFone ARはもちろん音にもこだわり、高音質のハイレゾに対応しています。
ハイレゾは画像で言うところの高解像度にあたり、音を細分化することで原音により近い音の再現が可能になります。
また、DTSHeadphoneX対応のヘッドフォンを使用すれば、多方向からCDの4倍の高音質サウンドに囲まれることで、よりリアルなバーチャル世界を体感できます。
3-10 ZenFone ARの付属品
ZenFone ARを購入し、箱から出しても外箱は捨てずに残しておきましょう。
外箱は、簡易的なものではありますが、ZenFone ARをセットすることでVRゴーグルになります。本格的なVRに対応した高品質のDaydreamには劣るものの、気軽に体験できるという利点があります。
Google Cardbordに対応するアプリをインストールすれば、ZenFone ARを購入してすぐにVRを楽しめます。
また、ハイレゾに対応したイヤホン、「ZenEar」も付属で、普段使いでもワンランク上の音質が楽しめます。
4 ZenFone ARの魅力レビュー
基本スペックからわかる、ZenFone ARの魅力を上げていきましょう。
4-1 ZenFone ARで体感できるAR、VRの世界
ZenFone ARのスペックを改めて見てみると、AR/VRを楽しむ為の装備の充実ぶりに気付かされ、「AR、VRの為のスマホ」であることを感じます。
- ARCore、Daydream 対応
- ディスプレイの美しさ
- 音の再現性が高い
- AR、VRの処理での高負荷に負けないスマホパワー
ARCore、Daydream両方に対応するスマホは少なく、この点はZenFoen ARの大きな魅力です。
そして、音と映像の素晴らしさ。これがあるからこそVR、ARの世界に入り込んだという「没入感」を感じることができます。
例えばコンサートでは細部まで表現された奥行を感じられるリアルな映像と前後から、左右から、上下から立体的に音を感じ、まるでその場にいるかのようなライブ体験が可能です。
4-2 ZenFone ARの日常で使える実用性ポイント
画像引用元:ZenFone AR | ASUS
ZenFoen ARはある意味『普通のスマホ』ではない特殊性を持ち、高スペック、高機能なスマホです。
しかし、『普通のスマホ』のように日常で持ち歩きしやすい軽さ、扱いやすさを実現している点も魅力。
ZenFone ARが対応しているARCoreには物のサイズを計測したり、空間に物を置いたり、空中に絵を書いたりできるアプリがあります。
これらは部屋の模様替えなどプライベートの利用はもちろん、使い方によってはビジネスにも活用でき、今後アプリが増えてくれば可能性は無限大です。
ZenFone ARは物々しい”特殊感”が抑えられているので、ライトな用途にも使いやすいスマホです。
4-3 ZenFone ARは音楽プレイヤーとしても優秀
画像引用元:ZenFone AR | ASUS
今やスマホは音楽プレイヤーとしての役割を兼ねており、スマホの”音”にこだわる方も多いのではないでしょうか。
CDの4倍の高音質のハイレゾに対応したZenFone ARは、映像と組み合わせた音源としてだけではなく、音楽プレイヤーとしても十二分に実力を発揮します。
ハイレゾ対応のイヤホン付属で、購入後すぐに高音質が楽しめるのも嬉しいですね。
5 ZenFone ARの評価はどう変わる?
GoogleのARプラットフォームTango、VRプラットフォームDaydreamの両方に対応!と華々しく登場したZenFone AR。
しかし、2017年発売時はまだVRもARも過渡期で本当の普及期は2018年のこれから。
Tangoを継承したARCoreやDaydream Viewがどう発展し、どれだけ普及していくかが、ZenFone ARの評価が変わる要素のひとつになるのかもしれません。
そして『AR』という名を冠していますが最上級のスペックと機能を搭載したZenFone ARはスマホとして対応力が高く、多様な可能性を秘めていると言えるでしょう。